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第 10 話 冒険者ギルド 1

 まず、一番初めの目的である昼食をるため中央広場の屋台村に向かう。

 時間が少しだけ下がったせいか、この前は人で溢れていて諦めた屋台で、すぐに手に入れられたパニーニのようなものにかぶりつく。


 以前は一々解析を掛けていた時もあったが、毒を喰ってもなんとも無いのだから、と開き直ってから解析を掛けるのをやめた。掛けても名前ぐらいにして細かい内容物まで知ってもいい気分にはならないことに気が付いた。何故ならこの世界では、庶民が口にするようなものは所謂ゲテモノと言われる物が殆どであるからだ。


 飲み物はこちらの人がよく飲んでいるエールがどうも自分には合わなくて、こちらでは子供の飲み物である果汁のソーダを飲む。以前気になったアルコールについては、これも状態異常に分類されて全く酔うことの無い身体になっている事がわかったので、安心できたような残念なような……。


 腹が満たされ人心地ついた後冒険者ギルドに向かう。


 色々なシミュレートした中で、ギルドに提示するステータスカードの内容をどうするか?というものもあった。


 大前提として、偽装・隠蔽はあるのだが、考えられるのは大きく分けて二つ。


 一つ目は王城で見せた『ワタル アマミ』のステータスをそのまま見せる、と言うの、そしてもう一つは全く違う人物を作り出すと言う二つだ。


 二つ目の全く違う人物については、名前から姿から全く別人に変えるのも考えたが、それはなんだかもの凄く面倒くさい事になりそうなので、三の曲輪での通称そのままに、姿は変えずステータスを弄って登録するか……。


 そうだ、どう登録するにしてもレベルだけはきちんと変えておかないと……。

 この世界で17にもなってレベルが1のままである事は、ほぼ考えられない事らしい。


 街中に住んでいる子供であっても、自分の食べる動物等を裁くのは当たり前の事であるから、知らず知らず其れなりにレベルはあがっているもので、そんな事をしない貴族の子供であっても、逆にレベル上げのため魔獣のトドメだけを刺す、何て事を体験しているものらしい。


 21世紀の地球、都会育ちの俺たちは虫はまだしも、動物を殺すなんて経験を全くしたことが無いから、この世界に召喚された時のレベルがそろって1だったのだろう。

 三の曲輪内で、俺のレベルが1であると知られた時、何処かに監禁されて育った説が俄然真実味を帯びたことは言うまでも無い……。

 それ以降尚更外出する時には俺は顔を外に晒さない、が、俺の周りにいる人全員の認識となり、何時も怪しい魔術師の様なローブ姿の外出となっている。


 冒険者でも貴族でも無い大人の平均レベルは大体5くらいであることは、解析で調べた。貴族は皆んな学校に行ってレベル上げをするので個人差があるらしいが、街中の孤児院育ちのネルケは、小さい頃から冒険者の真似事をしていたらしく、レベルが7あった。俺も魔力量はそれなりにしていたはずだけど、全く殺生をしたことがない俺のレベルが余り高いのも悪目立ちしないかな……。平均値と同じ位にしておくか。


 ギルドの支部に近付くにつれてそれらしき格好の人達が多く見られるようになってくる。朝早く依頼を受けてこの王都近くの魔の森辺りで依頼をこなした余り階級の高く無い冒険者がもうそろそろ帰ってくる時間なのだろうか。


 決めた‼︎名前は三の曲輪での通称の名字のないワタルのみにする。この世界ではステータスカードの偽装が出来るとは思ってもいない。だから、ワタルと言う名前のみだけの表示でワタル アマミと同一人物とは決して思われない。


 それに、この支部にあるステータスを読み取る石板は、種族までしか読み取れ無いものであるはずだから、レベルを5に種族を人間に偽装して、その他はワタル アマミのステータスを流用しよう。何種類もステータスを作ってこんがらがってもいけないし、それに確かHPやMPは非公開にできるはずだしね、この世界の守秘義務はそう期待することもできないけれど……。


 腕に着けていた例の装具は、アイテムBOXに放り込んだ。


 この国にも奴隷はいる。

 借金奴隷、犯罪奴隷それと唯の奴隷。


 この唯の奴隷というのは生まれながらの奴隷の事で、奴隷の子供が奴隷という訳ではない。

 つまり、人間では無いという意味の奴隷。この国にいる人間以外の亜人は全て奴隷と言う事だ。

 俺たちが着けられた隷属の施された腕輪は、見る人が見れば、奴隷である証拠と言っても間違いない物だ。

 そして、奴隷は単独で冒険者に成る事は出来ない。

 この腕輪も本当は勝手に取り外したり出来ないはずなんだけどね


 冒険者ギルド東支部は中央広場の南東に位置する。

 王都は大きいので冒険者ギルドは神殿近くにある本部以外に2ヶ所存在する。中央広場と東の城門との中間地点にある東支部と、南の大城門のすぐ脇にある南支部。東支部は北の城門が存在しない王都の北に位置する魔の森に一番近い城門として冒険者がよく利用する東門に一番近い支部である。


 支部のある地域の特色から、その支部に掲示されている依頼にも違いがあると聞いた。

 冒険者ギルド本部には、建前上全ての依頼が掲示される事になっているらしいが、事務処理的な問題として他の支部で掲示される物までは張り出されない事が暗黙の了解になっているとのこと……。

 本部に張り出される依頼は、上流貴族の住居地区や神殿が近いことから、貴族や神殿に関することが多く、その依頼を受けるのは近くにある各種学校の学生が多い。冒険者のランクが低い物が多いので、登録したばかりの俺にはランクとしては向いているかもしれないが、上級の貴族が関わってくると言うだけでアウトだな……。


 南支部は南の大門入口脇にあり、その場の特徴から主に中堅から上位下ランクの者が受ける、他の街あるいは国に移動する護衛依頼が殆どであるらしい。この世界もファンタジーの御多分に漏れず、結界の張られている大都市や軍隊が駐留している街以外、野盗強盗害獣魔獣、危険要素がてんこ盛りで、冒険者と言う武力の必要性は生活する上で外せない要素として上げられる。街中であってもこんなにのんびり生活できるのは王都くらいのものだと聞いた。


 東支部は、門のすぐ横にあるわけでもなく、随分と中途半端な場所にある訳だが、依頼内容もその位置のごとく、中から下級の貴族の細々とした依頼や、商業工業地区の依頼、それと何と言っても北の魔の森の魔獣の間引きや、その森の中にある貴重な薬草鉱物などの採取依頼など多岐にわたるようだ。建物の規模も本部ははったりもふくめて豪奢ではあるが、実際の職員数や扱う案件の数などは東支部の方が多いと聞いている。そのせいかどうかわからないが、本部であるからとやたら上から目線の本部職員と、この東支部の職員の仲があまり良くなく、それぞれのギルドが贔屓にする冒険者の情報は秘匿する傾向にあるらしく、その話を聞いた時、やはり登録は東支部で行おうと決めた。


 東西を貫く大通りの中央広場と東城門のちょうど中間あたりにその建物があった。

 この辺りの建物は石造りの二階建てが多く、ちらほら三階建てが見られる程度の中に、間口も広く五階建てのそれは異様に目立って見えた。


サーチを建物にかけてみると、王城に掛けられているものよりは劣っているが、幾つかの阻害魔法や結界が掛けられているのがわかる、反射させようとするものもある。こちらのスキルレベルの方が上なので、逸らされたり俺の存在を知られることはないが、

少しだけ慎重に探ってみる。

 建物は上だけではなく地下にも広がっているようで、俺が立っている大通りの下までも空間が続いているのがわかる。これが俗に言う地下修練場かな?。


 階段を三つほど上がった先にある観音開きの大きな扉。

 テンプレだとこの扉が勢い良く中から開いて、荒くれ者が落ちてくるんだけどな。


  ……そんな事は全くなく、何事もなく東支部内へ。


 内部はテンプレ異世界小説冒険者ギルド!

 長いカウンターの向こうに綺麗どころが何人も座って厳つい冒険者達を捌いている。

 元冒険者かな?と言う外見の顔に傷のある中年の男の人も居るけど、受付は女性の、それも若い女性が多いんだ。

 カウンターの上天井からぶら下がっている案内を見て、一番奥の方にある登録者用カウンターに向かう。

 この時間並んでいる人は誰もいない。受付係は残念な事に綺麗なお姉さんでなく、現役冒険者風のイケメンお兄さんだった。


「あの……登録をお願いしたいのですが……」

 カウンターのテーブルに暇そうに肘を付いていたイケメンが、ゆっくりと顔を上げてこちらを見た。

 丁度俺の背後から光が入っているからか、イケメンの顔は良く見えるけど、フードを被った俺の顔は良く見えないようで、目を細めてフードの中を覗き込もうとした。


 なんとなく覗き込まれたくなくて、一歩後ろに下がる。

 イケメンさんも、俺が男だからか興味が無いよとばかりに、手元の申し込み用紙を投げ渡すと、

「読み書き出来なければあっちの机ね、代書屋が居るから」

 と言って、俺の斜め後ろの方を指差した。

 つられるように後ろを見ると、テンプレギルドに不可欠なランク別に依頼書の貼られたボードが林立する先に、暇そうに机に就いている人が見える。依頼書も読めない人の為に代読もしたりするのだろうか?冒険者の識字率はそう高く無いのかもしれない。


 正面に向き直って手元の用紙に視線を落とした。

 記入する項目はそう多くなく、名前と年齢、得意な得物、魔法が使えるかどうか、使えるとすれば何が使えるのかの項目が設けられており、それらの欄の下に小さく名前と年齢以外は任意、ステータスカードの提示は必須と書いてある。

 これはどうも書類を書かせることが目的ではなくて、読み書きが出来るか確かめることが目的であるようだ。

 筆記用具を借りて、名前と年齢だけ記入する。

 用紙を戻す時にすでに偽装・隠蔽を施したステータスカードを添えて提出した。


今日は節分!豆まきしましたか?

今少し書き溜めができたので、今までよりは間隔を開けないで投稿したいです。

頑張ろう!


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