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ユメクニ
光の道を抜け出すと、美卯が出口の壁にも たれかかって待っていた。
「悪いな。何時間くらい待たせた?」 「私も、戻って来たからそう待ってない わ。あんた錠剤は貰った?」
「ああ、これはなんなんだ?」
「まあ、見てて」
そう言って美卯は錠剤を飲んだ。
すると美卯の髪の毛が紅くなり、頭からウ サギのような耳が生えた。
なんていうか、うん、ウサギルックって言 うのかは知らないが可愛いな。
「ジロジロ見てんじゃないわよ、変 態!!」
怒った美卯が手を振り上げたが、やはり手 も、手首辺りに紅いモコモコがついてお り、肌も顔以外全体的に紅かった。
「これが半獣化、次は完全獣化を見せる わ」
半獣化?完全獣化?意味の分からないこと だらけだ。
美卯を見ると、美卯は居なくなっていた。
「あれ?美卯は?」
「下よ、下」
言われるままに下を見ると紅いウサギが一 匹いた。
「お前、美卯か?」
「そうよ。後、恥ずかしいからあまり見な いでくれる?」
そう言うと美卯が元に戻った。