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ユメクニ
「獣化についての説明は終わったし、今日 はもう私達の世界に帰りましょう」
「一個聞き忘れてたんだが、時間はどう なってんだ?
」 「ここでの四日が、私達の世界での一日く らいね」
「だから、戻ってもせいぜい一日過ぎた程 度よ」
「そんなにここにいたのか!?」
時間が過ぎるのが、早いな……。
「じゃあ、戻るわよ。鍵を出して壁に差せ ば戻れるわ」
「ああ、分かった」
壁に差し込むと、扉が開いた。
中に入り、気が付くとユメクニに入った路 地裏にいた。
「今は、一日経った金曜日ね。今日は早く 寝た方がいいわよ。明日明後日は長い旅に なるからね」
「わかった。じゃあまた明日十時にここで 待ち合わせでいいか?」
「遅い、八時よ」
「ああ、わかった」
そして、俺達は別れた。 家に帰っても、親は共働きでおらず、大し て気にした様子は見られ無かった。 俺は、シャワーを浴びた後、寝間着を着る と力尽きてリビングのソファで寝落ちし た。