季節200文字小説「二年参り」
彼女と二年参りとか憧れるよね……まぁ憧れるだけで行きたくはないけどさ
あんな人混みに揉まれるとか……無理や
でも憧れる!
そんな願望が……あるよね?
二年参り
12月31日の深夜元旦零時にかけて初詣を行うことをそう呼ぶ。
寒風に吹かれながら満員電車のごとき人混みに揉まれることは……億劫でしかない
「いいじゃないこれくらいさ。ほら、お賽銭だして」
「はいはい……あれ?五円ないな」
「五円は御縁がありますようにって願掛けだからなくてよし……私じゃご不満?」
「……不満なんかねぇよ、んじゃ41円でいいか」
「なんで41円?」
「"よい"年になりますように……ってな」
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