逆らう胃袋
俺の胃袋は時々俺に逆らう
メシの時間が10分しかない時に限って
「もっとゆっくり食べないと消化できないよ」と
(俺の想像だが)ニヤついた顔で文句を言いやがる
逆に時間に有り余るほど余裕があるのに
「ハラへった!早くメシよこせ!」と
(これも俺の想像だが)半笑いで不平不満を並びたてる
「誰のおかげでメシが喰えると思ってんだ!」
と、俺が怒鳴りつけると
「誰のおかげで消化・吸収してもらえるのか分かってんのか?」
と、返してきやがった(ような気がした)
ロクに仕事も出来ないくせしやがって
俺の腹を見透かして
(俺の妄想かもしれないが)悠々と胡坐を組んで
気が向いた時だけ手先だけを動かしてやがる
あまりこちらが五月蠅く言い過ぎて
昨日ヤツは最終兵器をチラつかせやがった
そう ハンガーストライキというカードを切ってきたのだ
(本来人間の器官というものは
俺という意思決定機関から 下部へと一方的に指令が伝達され
速やかに行使されるトップダウン方式でなければいけないはずで…)
空腹のあまりとりとめもない考えが浮かんでは消える
ヤツには全てお見通しだ
ヤツは反論する
「おまえはボトムアップ方式を望むのか・・・」
俺は吐いた