第4話
このお話を読んでくださる皆様ありがとうございます。
「では、最後の人も終わりましたし、これにて入学試験は終了します。合格者には合格通知書を郵送します。それに同封の手続き書類にサインの上でこちらに郵送して下さい。なお、学生証は携帯義務ですので無くすとはいれません。盗難を除き紛失は再発行しませんので気をつけて下さい。」
試験官の言葉を最後にその場は解散となった。
「おし♪終わったし、フェアリーキャットいかないか?」
試験終了の報告に神夜が満面の笑みで提案した。
「良いですね。でもちょっと待って頂けますか?」
神夜にそう言ってから、携帯を取り出す。
「紫龍か?ちょっと聞きたいんだが、これからの予定が空いてるか?」
『星魔殿でござるか?寄り道する予定はないでござるが?』
「んじゃ、これから俺達と付き合わないか?」
『構わぬでござる。では、拙者は受付で待っているでござるよ。』
あの後、紫龍と合流して、喫茶店フェアリーキャットに向かった。明るめな雰囲気の女の子向けの内装の店だ。
「しかし、従業員がいないのは不用心でござるよ。」
店内にに従業員がいなくて不用心に見えるが、
「イヤ、ちゃんといるよ。」
俺の言葉に、
「その声は星魔ちゃんですね♪いらっしゃいです。」
カウンターから声が聞こえる。
「何でござるか?幽霊がいるのでござるか?」
まぁ、誰も見えないところから声がすれば普通はそういったものを想像するだろう。しかし、
「失礼ですね。私はそんなものじゃないですよ?」
そう言ってトテトテと歩く音が聞こえ、カウンターから出てきたのは、
「こ、子供?」
紫龍が呟いた通り130センチにも満たない背丈、未だに幼さの残る童顔はどう見ても子供なのだが、
「初めましてですね♪私は爪魔桜です。よろしくお願いしますね♪」
「あ、ご丁寧に忝ない。拙者は真田紫龍と申す。申し訳ないが、店主はいるでござるか?幼女を働かせている件について物申したい事があるでござるよ。」
あ、これはビックリするだろうな。
「それは、大変ですね。私もついて行きますから、そのお店に案内して下さい。」
「は?い、いえ、拙者はこの店の店主は?」
「私が店長ですよ?」
「紫龍。桜伯母さんは正真正銘この店の店長だ。」
俺の言葉に、紫龍は俺と桜伯母さんを見比べていた。
「じょ、冗談でござろう?」
紫龍は震える指先で桜伯母さんを指差して問いかける。それにたいして、俺は首を横に振る。
「ついでに、今年誕生日が来れば6歳になる孫持ち。」
俺のとどめにピシリと固まる紫龍だった。
あれから少しして石化から回復した、紫龍は、俺の奢りのコーヒーを堪能しながら問いかける。
「星魔殿。一つ聞いても良いでござるか?」
「内容にも依るが?」
紫龍の問いにとりあえずの了承をだす。
「星魔殿の姓はある一族が当主に伝える名前だと聞いたことがあるでござるが。」
「よく知ってるな。その一族出身だ。」
「しかし、もっと北の地に居を構えていると聞いたことがあるでござるが?」
「あぁ。幼い頃に追放されたんだ。
その辺も聞くか?」
俺の問いに首を縦に振るのを見て語る。