第3話入学試験後編
感想頂きました、チル兄様、並びにこのお話を読んで下さる皆様ありがとうございます。
なお、このお話に出てくる真田紫龍嬢はチル兄様からの投稿です。チル兄様、ありがとうございます。
「勝ちましたわ♪御姉様♪」
「ハイハイ。だからってオレに抱きつくなって。」
ビョンピョンと抱きついて嬉しさを表現する裕佳梨に神夜は嫌そうに引き剥がした。
「………そういえば、星魔の受験番号は何番なんだ?」
神夜が俺の事に気付いて問いかけた。
「ん?142番です。」
「ハァ?130番台なら既に終わってますわ?」
裕佳梨が呆れたように言ったその時、
「受験番号142番来なさい。」
「アラ?呼ばれましたわね?まぁ、いいですわ。頑張ってください。日刀星魔。」
珍しく裕佳梨が裕佳梨が応援してくれた。
Side 星夢
「爪魔先生。宜しいんですか?」
教員の言葉に私は首を横に振る。
「私が言ったぐらいで聞いてくれるとは思えませんよ?」
私はそう答えながら、目の前の少女の採点していた。フム。魔法が苦手のようだが、それでも使えるものを上手く利用して欠点を消してる。これは評価出来る。
「それに、久住先生では、星魔に勝てません。」
「………失礼ですが、日刀星魔君とはお知り合いですか?詳しそうですが。」
「あぁ。私と星魔は父方の従兄弟です。」
私が答えたと同時に、少女は試験官の武器を破壊して、槍を相手の喉元に突きつける。
Side 星魔
「よぉ。さっきの試合は見事だったな。」
試合場に向かう途中、見事な槍捌きを魅せてくれた女の子がいたので声をかけた。
「イヤ、拙者は未だ未熟者でこざるよ。」
ごさるってサムライガール?まぁ、雰囲気もそれっぽいな。しかし、この子を見てると、
「スイカ食いたいな?」
「は?何でござるか?」
ヤベ。つぶやきが聞こえてたか。
「いや、何でもない。俺は日刀星魔。星魔で良いよ。君は?」
「これはかたじけない。拙者、真田紫龍でござる以後よろしく頼むでござるよ。
ところで星魔殿。
次の試験は気をつけるでござるよ?
偶々聞いてしまったが久住という教師が星魔殿に試験を受けさせることを反対していた模様でござる。」
「わざわざありがとう。ねえ、電話番号教えて貰って良いかな?」
何の疑いもなく携帯電話の番号札を教えてくれた紫龍に礼を言って試験場に向かった。
Side 久住
さ、最悪です。私が試験官を努める相手の落ちこぼれの資料に目を通しましたが、筆記はワースト1位。魔法の基盤とも言える、精霊宝石だって、闇以外と契約出来ない。こんな落ちこぼれに受けさせることなんて無いのがなんでわからないのだろう?そう考えていたら、一人の少年が試験場がやってきた。
「受験番号142番のええっと?」
名前を思い出せずにいると、本人が答えた。
「ハイ。受験番号142番の日刀星魔です。」
「まぁ、いいです。さっさと終らせましょう。」
私はそう言って、六紡星が刻まれた指輪に魔力を籠める。
「Summon!」
『Arm!』
その言葉に私の両手に風の精霊宝石で強化した2丁拳銃が収まっていた。
「これで、終わりです!」
私が落ちこぼれに狙いをつけてトリガーを引いたとき、
「発動《Action》!」
『DISTORTION!』
闇のエレメントジュエルから、その声が響いたが、私も落ちこぼれにも何もない。私が撃った銃弾さえも当たらなかったらしい。
「な、何?」
驚きながらも狙いをつけて放った銃弾は直進して落ちこぼれの胸に吸い込まれるように直進して、
かすることさえもなかった。どうやら何らかの方法で銃弾の軌道をそらしたらしい。なら、
「Summon!」
『Dragon!』
私の言葉に魔方陣が現れ、全長10メートルの竜が現れた。
「で、でっけぇ。んじゃ、Summon!」
『Arm!』
落ちこぼれの言葉に、闇の精霊宝石のみで作られた刀身がない剣を取り出した。
「そんなのでどうする気ですか?」
私の言葉にドラゴンは突っ込んでいく。落ちこぼれは真っ正面から受けてたち、刃の無いはずの剣から光輝く刀身によってドラゴンは切り裂かれ、魔方陣の向こうに送喚された。
「な!発動《Action》!」
『Fire-Ball!』
火の精霊宝石から聞こえる声に頭と同じくらいの大きさの炎の球が出現する。しかし、
「発動《Action》!」
『Counter!』
その声と共に出現した魔方陣が炎の球を受け止め、投げ返した。
「あっちぃぃっ!!!!!!」
ダメージを肩代わりするアイテムのおかげで、ダメージは無いけど、それでも熱いものは熱い。そこに、蒼白の輝きが私を袈裟懸けに斬った。いつの間にか近づいた落ちこぼれが私を斬ったのだ。その一撃に耐えきれず宝玉は完全に破壊された。