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プロローグ
本日は自分にとってとても大切な日である。魔輪魔法学園。魔法学園の最高峰。そこに入学出来る事は人生を変えてしまうとも言われている。そんな学校の入学試験日にわたくし、日刀星魔は大慌てだった。
「遅刻だ!!」
「ちゃんと目覚ましかけないからそうなるのよ?」
「や~い♪ねぼうしてんの♪」
「アハハ♪結君は俺みたいな大人になったらダメですよ?」
元気良く頷く兄の息子の結の頭を撫でて従兄の嫁に声をかける。
「マリナ義姉さん。いってきます。」
「聖。朝御飯はお弁当に摘めたから向こうで食べてね。」
お弁当を渡す姉にお礼を言って飛び出した。
「時間を考えると、走ったら遅刻だな。」
ポケットから指輪を取り出して指にはめた。その指輪には六紡星が刻まれていた。
「召喚《Summon》!」
『ユニコーン!』
その言葉に魔方陣が現れ、ユニコーンが召喚された。
「頼むよ。」
俺の言葉にユニコーンは大きく嘶くと勢い良く駆け出していった。………この場に俺を残して。