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僕たちの約束  作者: 翔香
第2章 不気味なツアー
24/55

第24話 game2 カード探し(4)

 最近、ずっと短いですよね・・・


 すみません(汗)

「疾登、遅いな・・・」



 智はカードを探しながら、ずっと疾登の事を気にしていた。



「トイレ探してるんじゃないの?」



 花輪が書類をかき分けながら言った。



「うーん・・・」



 その時、印刷室のドアが開いた。



「疾登、何してたんだよ――疾登?」



 智は、疾登の異変に気が付いた。



「疾兄、どうしたの?」



 花輪が疾登に問うた。その時、



「ここに来るな」



 いつもの疾登の声ではなかった。声が低くて、感情がこもっていなかった。



「何言ってるの。冗談はやめてよ」



 花輪が疾登に歩み寄ろうとしたが、智は急いで花輪の腕を取って、疾登との距離を広げた。



「お兄、どうしたの?」



 さっきは、山ずみだった書類で見えなかったが、疾登はナイフを持っていた。花輪も書類に遮られて気が付かなかったのだろう。



「疾登、そのナイフを捨てろ!」



「ナイフ!?」



 花輪が小さく悲鳴を上げた。



「黙れ、ここに来たお前らが悪い。俺が殺してやる」



 そう言って疾登はゆっくり接近してきた。

 智は花輪の盾になって後ずさった。



「目を覚ませ!疾登!」



 いくら言っても無駄だった。これは疾登ではない。全くの別人だ。



 その時、花輪が声を上げた。



「お兄!もう後ろにいけないよ!」



 チラッと後ろを確認すると、書類がしまってある棚が邪魔で、もう、後には引けない状態だった。



「もう、終わりだな」



 印刷室は狭いので、すぐに距離が無くなった。

 疾登がフッと不気味な笑みを浮かべて、ナイフを頭上に掲げた。



――もう、終わりだ・・・・



 智は目をギュッと瞑った。その直後、何かが倒れた音がした。

ゆっくり目を開けると、疾登がぐったり倒れていた。ナイフは、遠くに転がっていた。

 智と花輪は、急いで疾登に声をかけた。



「疾登、大丈夫か?」



「疾兄!」



 何度か声をかけると、疾登はゆっくり目を開けた。



「疾登大丈夫か?」



「あれ?何で俺ここにいるんだ?」



 疾登は頭を抱えた。



「何も・・・憶えていないのか?」



「ああ。トイレから出たら、おかっぱ頭の男の子の霊がいたんだ。そこからは何も憶えてない」



 その疾登が見た男の子が、疾登に取りついたのか?その男の子は、どんな気持ちだったのだろう。疾登の体を借りて、『ここに来るな』と言っていた。ここはあの男の子にとって思い出深い場所なのだろうか・・・



「疾兄、立てる?」



「ああ」



 疾登が立てる途中、疾登の足元がふらついた。智は急いで疾登を支えた。



「大丈夫か?気分悪いか?」



「うん。ちょっと頭がくらくらするし、体もだるい」



「しはらく、座っていた方がいい」



 智はゆっくり疾登を座らせた。



「ごめん」



 疾登は肩を落とした。



「疾兄のせいじゃないよ」



「そうだよ。今はゆっくり休むんだ。それにしても、疾登の胸騒ぎ、本当に当たったな」



 疾登は笑って、傍にあったデスクにもたれかかった。それほどしんどいのだろう。



「よし、花輪再開するぞ」



「はーい」



 智と花輪はカードを探し始めた。

 花輪は、さっきまで探していた書類を探し、智は、書類をしまっている棚を探した。



 しばらく時間が経って、智が、ある書類を手に取ると、ひらりと足元に何かが落ちた。



「ん?」



 智が足元を見ると、そこにはカードが落ちていた。



「あった・・・あったぞ!花輪、疾登!」



 智は喜びのあまり、大声を出していた。



「ホント?」



「良かった~」



 疾登と花輪は、安堵の息を洩らした。



「暗号は・・・」



 智は、気になってカードの裏を見た。そこには『け』とあった。



「あー。もう、全然分かんない。次探そう」



 花輪が顔を手で覆って言った。



「ちょっと、待って」



 疾登が花輪を止めた。疾登は立ち上がって言った。



「なあ、もう、この学校探すの止めた方がいいんじゃない?」



「どうして?」



 花輪は納得いかない、という風な感じだった。



「さっきも言ったけど、この学校には男の子の霊がいる。今度また何かあってからじゃ遅いんじゃないか?」



 智もそう考えていた。疾登は1度見たのだ。これ以上ここに居たら何が起こるか分からない。智はその考えに賛成した。



「分かった。そうしよう。な、いいだろ。花輪」



 智は花輪を見た。



「うーん。分かった。ところで、あと何分なの?」



 智はそうだった、と呟き、腕時計を見た。その残り時間に、智は衝撃を受けた。思わず2度見したほどだ。



「ヤバいぞ!あと15分もない!」



「え!どうするの!」



「兄貴、他に何処探すんだよ」



 智はしばらく考えて、こう言った。



「よし、来た道戻るぞ」



「え?」



 2人は声をそろえて、ポカンと口を開けている。



「どうした?」



「い、いや、他に何かあるだろ」



「そうだよ、お兄」



 智はため息交じりに言った。



「こうするしかないんだ。まあ、運試しだと思って」



 疾登と花輪は、1度顔を合わせて、智の方を向いた。



「分かった。ここまで来たら意地でやってやるよ!」



「うん。しょうがないもんね」



 智は手を叩いて言った。



「よし、急いで戻るぞ!あ、花輪は無理するなよ。しんどくなったら我慢しないで、俺に言えよ」



 花輪は微笑んで、



「分かってる」



 と言った。



 3人は急いで校舎を出たのだった。


 計画は、カード探し編は2、3話で終わると思っていたのですが、


 まだまだ続きそうです。


 これからも、頑張りますっ!!

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