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僕たちの約束  作者: 翔香
第2章 不気味なツアー
23/55

第23話 game2 カード探し(3)

 今回も短くなってしまいました(汗)

 結局、1階には1-Aの教室しかカードが見つからず、3人は2階の職員室にいた。



「本当に、残りのカードがこの学校にあるのか?」



 疾登が捜していた段ボールから目を放して、頭を掻きながら少し苛立った様子で言った。



「あるんじゃない?だって、もうここしか探す所ないと思うんだけど・・・」



 花輪が書類から目を放して、語尾をのばしながら智の方を向いた。



「そうだな。とにかく、あと4枚だからすぐ見つかるだろう」



 そう言い終えて、捜していた本棚にはないと判断し、後ろを見ると、目の前に先生方のデスクがあった。他にも10個ほどデスクがあるが、このデスクだけは雰囲気が違った。他は綺麗に何も残っておらず、すっきりとしていたが、智の前のデスクだけ、書類がどっさりと置かれていた。

 智はその書類が気になって、この書類の山の、1番上にある少し分厚めのファイルを手に取った。ファイルは赤色で、中には用紙がたくさん綴じてあった。その用紙には、1人1人の生徒の住所が書かれてあった。



「なんだ。どうでもいいや」



 智はそう呟いて、用紙をパラパラめくっていると、灰色の封筒が挟まれていた。



「なんだ、これ」



 その声で疾登、花輪が智の元へやって来た。



「何かあったの?」



 花輪が横から聞いてきた。



「あ、うん。このファイルの中に挟まれてあったんだけど・・・」



 そう答えて、智はファイルをデスクの上に置いて、灰色の封筒を開けた。その中には、7枚目のカー

ドと、探しているカードとは別で、真っ黒な手のひらサイズのカードが入っていた。



「何だ?また不気味なカードが入ってるぞ」



 疾登は智の横で呟いた。智はここでもたもたしても意味がないと思い、腕時計を見て、2人に言った。



「ほらほら、これはまた後で使うだろ。とにかく、今はカードを探すんだ。もう、40分しかない」



「え、もう40分しかないのか?ヤッベ」



 疾登は急いで次のカードを探しに行った。花輪もここにある書類の中を探し出した。



 智は7枚目のカードの裏を見た。そこには、またもや青い字で『を』と書かれていた。これまでで5枚目からすると『向』、『ろ』、『を』が見つかった。しかし、これだけでは何も分からない。智は仕方なく、カードを探しを再開した。



「なあ、兄貴、花輪。もう、職員室には無いんじゃねーか?」



 そう言われてみればそうだ。職員室のわりには狭いし、ここで何分も探していても時間の無駄だ。他の所を探した方が時間を有効に使えるかもしれない。



「よし、職員室は終わりにしよう。次は・・・印刷室に行こう」



――確か、職員室の隣は印刷室だったと思うけど。



「オッケー。じゃあ、行こっか」



「ちょと、俺、トイレ行ってくるわ。先行ってて」



 疾登がもう限界という感じだったので、智は承知した。しかし、その前に、言っておきたいことを言った。



「行ってもいいけど、気を付けるんだぞ。何かあったら連絡も出来ないんだから」



「分かった。絶対印刷室に居ろよ」



 疾登が不安そうな顔をして言った。



「分かった。印刷室で待ってる。早くしろよ」



 疾登は我慢の限界に達したのか、智に背を向けて、走りながら返事をした。

 疾登の背中をしばらく見送ってから、花輪に声をかけた。



「花輪、行こうか」



「うん」



「気分悪くないか?」



 智は、花輪のお腹の中の赤ちゃんを気にして聞いてみた。



「うん。大丈夫だよ」



「そっか。良かった気分悪くなったら、すぐに言えよ」



「分かった」

 それから、智と花輪は印刷室に向かった。











 ――その頃、疾登は。



「トイレ何処だよぉ」



 まだ、トイレを見つけることができなかった。



「もう、ヤバい・・・」



 そう呟いたとき、目の前にある標識が見えた。



「WC・・・トイレだ!」



 疾登は走ってトイレに向かった。



 中に入り、用を足した疾登は、水道で手を洗っていた。すると、目の前にある鏡に何か映ったような気がした。



「え・・・今何か出た」



 疾登は急いで背後を確認するが、誰もいない。



「もう、何だよ・・・」



 疾登がトイレを出た。その時、誰かに肩を叩かれた。



「うぎゃぁぁ!」



 疾登はとっさに後ろを振り返ったしまった。すると、そこには、おかっぱ頭の6歳ぐらいの男の子が立っていたのだ。疾登は驚きのあまり、言葉が出なかった。口をパクパクさせたままだ。

 その時、男の子がフッと笑って、こう言ったのだ。



「ちょっと、体借りるね」



 そう言って、疾登の体に男の子が吸い込まれていった。



 その瞬間、疾登の目が鋭く光った・・・


 最後の所、ちょっと怖い場面でしたが

実話ではないので安心してください(笑)

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