第22話 game2 カード探し(2)
今までは、1週間に1話という更新スピードでしたが、
今回は早めに更新しました!!
では、どうぞ!!
あれから5分程経った。あの事件から、3人は足を止めずに進んでいたが、周りにある景色は全然変わらない。周りにあるのは木、木、木。
景色が変わらないのに不安を抱いたのか、疾登が声を洩らした。
「なあ、兄貴、花輪。俺たち、同じところをグルグル周ってるんじゃないだろうな」
智も一瞬その考えが頭を過った。しかし、それは違う。先ほど爆発した小屋が見えてこないのだ。
「それは、ないだろう」
「そっか。良かった」
智は、一拍置いて呟いた。
「こんな事になってるのは、俺たちだけじゃないかもしれない・・・」
智の言葉が聞こえたのか、疾登が敏感に反応した。
「どういう事だよ」
「絶対何か裏で企んでいるような気がする」
智はそう呟いて、ふと前方の木に視線を向けた。すると、偶然にもカードが1枚吊ってあった。2りもそれに気が付いたようだった。3人は走ってカードを取りに行った。
智はカードを手に取った。すると、疾登が心配そうに聞いてきた。
「なあ、また、暗号とか載ってあるのかな?」
智もその事が気になっていた。智はゆっくりカードを裏に向けて、疾登と花輪に見せた。今度は青色の文字だった。
「何だこれ、『向』って」
疾登が覗きながら言った。
「これもカードを揃えたら暗号になるんだよな・・・ここでいろいろ言い合っても意味がないから、先に進もう」
智は先に進んだ。2人も少し遅れて智について行った。
しばらく進むと、とても古びている廃校が見えてきた。
「よかった。なんか、建物が見えただけでも安心するわ。ところで、あそこに行くの?お化けとか出るんじゃねーの?」
疾登はそう言って、智の腕を突っついて来た。
「もう、心配ないから。本当に男のくせに情けないな」
花輪も後に続く。
「そうだよ。大丈夫だって。いざと言う時は、お兄と疾兄が私の事助けてくれるんでしょ?もう、本当は、自分からこんな事言いたくいないのに・・・」
花輪はため息を吐いている。
「そ、そうだったよな。男が弱気になってどうするんだ!」
疾登は自分に喝を入れた。
疾登が行く気になったところで、智は疾登と花輪の背中を押して言った。
「ほらほら、もたもたしてる暇はないんだぞ。時間がもったいない」
「わ、分かってるよ」
花輪は優しく微笑んでついてきた。
学校の前に立つと、さっき見た時よりも雰囲気が違って見えた。この校舎が使われなくなって、もう60年ほど経つだろうか。校舎の周りには長い蔓が巻きついており、蔓の隙間から見える教室を見ると、蜘蛛の巣が無数にあり、机やいすは木で出来ているので変色していた。
「けっこう古いね」
「そうだな。気味悪りぃな」
疾登はまた怖気付いている。
「もう、2人とも早く中に入るぞ」
智の合図で2人は小走りで智の元にやってきた。
3人はまず、玄関に1番近い1-Aの教室入った。
すると、早くも6枚目のカードが黒板に磁石で貼り付けてあった。
「あ!もう見つかっちゃったね」
花輪が嬉しそうにカードに飛びついて行った。
「元気だなぁ。花輪は」
智の隣で、疾登がため息交じりに呟いた。
「疾登、おじいちゃんみたいだな」
疾登をからかっていると、花輪がカードを持ってきてくれた。
「ありがとう」
智はカードを手に取った。裏に返すと、また青い字で暗号が書かれてあった。
「『ろ』だね」
花輪が暗号を読んだ。
「まだ、これだけじゃ分かんねーから、早く次のカード探そうぜ。早くここから出ないといけない感じがするんだ」
疾登が辺りを見渡しながら言った。
「何、疾兄の何かが危険を察知してるの?」
花輪が興味深そうに聞いてきた。
「うん。何か寒気がするんだ」
「気のせいじゃない?」
「うーん・・・」
智も花輪の言う通り、気のせいだと言った。
「そうだよな。まあ、一回ここから出ようよ。ここにはもうカードはないだろう」
「そうだな」
「分かった。じゃあ、隣の教室行ってみるか」
2人は同時に頷いて、教室から出て行った。
智は腕時計を見て呟いた。
「残り70分か」
今回は、ちょっと短くなってしまいました。
すみません(汗)