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僕たちの約束  作者: 翔香
第1章 僕たちの約束
10/55

第10話 気分転換

ようやく10話まで来れました!


正直、「3,4話くらいで終わってしまうかも」と、思っていましたが、


これからも頑張っていけそうです!


皆さん、これからも応援、よろしくお願いします!

 疾登が出ていった後、智はベットに寝転がった。その隣に花輪が座りながら言った。



「お兄、ちょっと気分転換しない?最近、あんまり休んでないでしょ」



「そうだったな」

 


 智は気分転換には何がいいか考えていると、いいアイデアがひらめいた。




「なあ、旅行、行かないか?」




「いいね!旅行!行こう!」

 



 花輪がにっこり笑った。花輪は、最近暗い顔してばっかりだったから、笑顔を見たのは久しぶりだった。



「ねーお兄、3人だけで行くの?」



 智は「そうだ」というように頷いた。



「変な事しないでね」




 その言葉に、智は過激に反応した。




「ば、ばか!そんなことするわけねーだろ!妹なんだし」




 花輪が智の腕を突きながら「本当~」と言って冷かしてくる。




「本当だって。ちょっと、疾登にも伝えてくる」




 智は疾登の部屋に向かった。











「疾登、入るぞ」




 疾登の部屋を何回もノックしたが、返事がなかったので強引に部屋に入った。部屋に入ると、疾登はベットの上でうずくまっていた。どうしたのかと思い、近ずいてみると、疾登が泣いていた。




「どうして泣いてるんだ。何かあったのか?」




 優しく声をかけると、疾登は智に背を向けて言った。




「俺のせいで二人とも無理してるだろ」




 智はそれを聞いて安心した。もっと深い事情があるのかと思ったからだ。




「なんだ、そんなことか。その事なら心配するなって」




 それを聞いて気が楽になったのか疾登がこちらに顔を向けてくれた。智が笑顔を見せると、疾登も笑顔を返してくれた。そこでやっと、何のために部屋に来たかを思い出して疾登に話をした。




「あ、そうだ!疾登。今度、3人で旅行に行こう。まだ、どこに行くとかは決まってないけど、なるべく早めに行くつもりだ」




 それを言った途端、疾登は涙を拭って満面の笑みを見せた。




「まじで!やったー!」




「じゃあ、いつ行くか決めよう」

 



 疾登は少し考えてから言った。




「今週の土曜日とかどう?」




 智はその意見に賛成した。今日は月曜日なので準備するには時間があると考えたからだ。




「じゃあ、インターネットで調べてみるよ」




 智はパソコンの電源をつけた。疾登もベットから起き上がって画面を見た。

突然、部屋のドアのノックが聞こえた。




「お兄、疾兄、入るよ」




 部屋に花輪が入ってきた。なぜか、浮かない顔をしている。花輪が智に話しかけて来た。




「ねえ、この前話した電話の事、覚えてる?」




「あぁ、あの、公衆電話の」




 花輪は「そうだ」というように頷いた。




「その人から、今度はメールが来て・・・」




「何、何、どうしたの?」




 疾登がわり込んできた。




「あー疾登には話してなかったな。花輪の携帯に頻繁に電話がかかってくるんだよ。しかも、公衆電話から。それで、俺は、気味が悪いから無視しておけって言ったんだけど、今度はメールが来たらしい」




 話し終えた後、疾登の顔が真剣な顔になった。あの疾登でも、大切な事だという事は分かったらしい。




「誰から来るんだよ」




 その質問には花輪が答えた。




「名前は分からない。でも、男の人の声。しかも、結構、年がいってるような感じがする」




 それを聞いた疾登は腕を組んで言った。




「でも、おかしいよな。花輪のメールアドレス知らないのになんでメールが来るんだ?」




「だよね。私も同じこと考えてた」




 そう言って、花輪は携帯を見た。そんな花輪を見て智はため息交じりに呟いた。



「もう、消しておけ。そんなメールは。読むこともやめた方がいい」



「うん、でも、1日に20件以上来るんだよ。おかしいよね・・・」




 智は「ちょっと、携帯貸して」と言って、花輪から携帯を受け取った。メールボックスを開いてどんなメールかを確認した。




『送信者:∞

件名:行動

本文:10:30  外出

    11:00  喫茶店でお茶

    11:30  犯人捜し再開

    1:00   智と昼食

    1:45   犯人捜し再開

    5:00   帰宅

私は、あなたたちの全てを知っています』




 読み終わった智はまた、ため息が出た。疾登が画面を覗き込んで言った。



「何だよこれ、あなたたちの全てって何か気味が悪っ」



 疾登の言葉を聞いた智は妙な言葉に引っかかりもう1度メールを見た。



『私は、あなたたちの全てを知っています』



 智は二人に聞いた。



「なあ、この、『あなたたちの全てを知っています』ってなんか気にならないか?」



 疾登は「あぁ」と言った。花輪が口を開いた。



「なんか、親戚みたいだね」



 僕たちの周りにはそんなに不審な人はいないが・・・智は腕を組んで言った。



「そうなんだ。なんか俺たちの傍にいるみたいな感じで書かれてるよな。それに、この送信者の記号何だろう・・・無限?」



 疾登と花輪は頷いた。



「とりあえず、しばらく犯人を捜すのはやめよう。花輪が心配だ」



 花輪は肩を落とした。



「ごめんね、お兄、疾兄」



 疾登は優しく笑って「いいって」と言った。智も「花輪のせいじゃない」と言って励ましたのだった。


次回は、疾登がトラブルを起こしてしまいます!


どうぞ、お楽しみに。

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