表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕たちの約束  作者: 翔香
第1章 僕たちの約束
1/55

第1話 花輪の敵

2012年、1月20日



 大阪府、大阪市。大阪市の中でも、田舎の方にある10階建てのマンションに、

1番年上の、ののがみ さとる、弟の疾登はやと、妹の花輪かりん、3人が住んでいた。

部屋は4つと、ごく普通のマンションだ。

リビングがあり、あとは1人1つずつ部屋がある。

3人は、リビングで、輪になって昔のアルバムを見ていた。

しかし、3人も子供がいるというのに、アルバムが2冊しかなかった。


それには深いわけがあったのだ。













「お兄。またいじめられた」




 また花輪が泥だらけになって泣きながら帰ってきた。




「またあいつにいじめられたのか?」




「うん」




「まだやってるのか、あれだけ怒ったのに」




 「あいつ」とは、花輪をほぼ毎日いじめる水川彩野。つい2日前に、また花輪をいじめたらどうなるか分かってるのか、と疾登と一緒に脅してきたんだがまだ反省してなかったのか。




「よし、一発殴ってやろうかなぁ」




 智が1歩を踏み出した、その時



「それはダメ!」




 花輪は優しいから人を殴るということは許せないらしい。たとえ自分をいじめた人間だったとしても。




「分かった。でも、もう一回怒ってくるからな」




「ありがとう。お兄」




 花輪がにっこり笑った。いつもこの笑顔に癒される。




「よし、水川彩野の家に行くぞ!」




 花輪は大きく頷いた。智はテレビゲームに夢中になっている疾登に言った。




「疾登も行くぞ」




 疾登は画面に目を向けながら「ちょっと待って」と言った。




「じゃあ置いていくぞ」



 智は冷たく言い放った。



「ごめん、ごめん。すぐ行く。」




 疾登は、ゲームをセーブした。

 3人は揃って目的地へと向かった。









 水川彩野の家に着き、智はインターホンを鳴らした。だが、返事がない。もう一度鳴らすと「はい」という声が聞こえた。しばらくするとドアが開き、水川彩野の母親が出てきた。智の顔を見た途端、鬱陶しそうな顔をして言った。




「なんですか?また彩野がいじめたと言うのです?それは間違いですわ。今日は彩野ったらかわいそうに泣きながら帰ってきたのよ!」




 智にはその言葉が理解できなかった。




「いや、いじめられたのはうちの妹で」




「ちがうわ!彩野はあなたの妹に叩かれたっていうのよ!」




 そんなはずはない。花輪がそんなことするはずがない。明らかに、あの母親か彩野が嘘をついてるに違いない。しかし、一応花輪に確認を取った。




「花輪。叩いたのか?本当のことを言ってくれ」




「叩いてないよ。本当だよ」




 智はホッとした。すると、この会話を聞いていたのかついに母親の怒りが爆発した。




「もういいわ!帰ってちょうだい!もう、あなたたちの顔を見るとイライラするわ!本当不愉快だわ!」




 そう言い放った母親は乱暴にドアを閉めた。いくらなんでもあれは言いすぎだろう、と心の中で愚痴を言った。




「花輪。もう、あいつらのことは相手にするな」




「分かった。じゃあこれからお兄と疾兄で一緒に学校行っていい?




「いいよ。な、疾登」




「うん」




「やったー!」




 花輪はにっこり笑った。




「じゃあ帰ろう」




 三人は仲良く手をつないで帰った。

最初は「つまらねーな」と思う方も大勢いるとおもいます。

でも、後になるにつれて面白くなっていくストーリーになってますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです(*^_^*)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ