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Stage of extra...?
Stage of extra
(続編予告)
心の中にあったものは不満だったのかもしれない。具体的に並べ立てれば、ひっきりなしに続くだろう愚痴を、彼はため息と共に吐き出した。
善悪が定められるならば楽なことだと、彼は心の中で繰り返した。これが答えで、これが誤りだと示すことが出来れば、どれだけ楽になるだろう。しかし、そうはいかない。一つ歳を取る度に気づかされる。この世の中に、物事をはかる物差しなどなく、正解と呼べるものは一つとして存在しない。
不確定な世界で生きる術を、子供と大人の境を彷徨う彼にはまだ見いだすことが出来ない。しかしそれも時間が解決していく。大人達は皆、そう思っていた。
それは人生という道の一つの水溜まり。飛び越えるのも、避けて通るのも、全て彼の自由だった。
しかし、彼女との出会いによって、そこに新たな結末が現れる。
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[ Hypoid ]
水溜まりに溺れ死ぬ。