シリーズ説明(人物紹介)
この物語はシリーズものになっておりますが、登場人物/用語紹介をお読みいただければこの作品からでもお楽しみいただけるかと思います。
前作のネタバレも少々ありますので、前作が気になる方は『過去の予言書』へどうぞ。
登場人物紹介
[フレイ・リーシェン]
過去の予言書を作ったことで有名になった、稀代の天才魔術師ファーレンの孫。ファーレンの長男フォルカーの一人息子で、優秀だった父の期待を受けて育つ。しかし祖父ファーレンに実力を見限られ、『できそこない』のレッテルを張られて育つ。16歳で村を出て放浪を始め、魔術師としての力を生かしてその日暮らしの生活を続ける。
性格は短気で暴力的。自分より弱い者は徹底的にいじめるが、母の手で育てられたせいか子供と女性には弱い。魔術師の端くれとして冷めた人間を装ってはいるが根まで悪者にはなりきれず、自分でもその性格に苦悩している。
好きなものは酒、金、女という放蕩者だが、優先順位は金が一番高い。対して女は好きだが面倒なものでもあるので順位は低い。他に好むものは煙草と読書。祖父の屋敷でも魔術の勉強を放って植物の本を愛読していた。
サーシャとの出会いは、祖父が創った、過去の全てを知る魔法の本『過去の予言書』を探す依頼を受けたのがきっかけだった。最初はサーシャの秘密主義に疑問を感じていたものの、彼女の生き様と気概に惚れてついていくことを決める。
『過去の予言書』では18歳、『過去の英雄』では21歳。『ヴァルナ』という蛉人を使役するが、今回は舞台が舞台のため登場しない。
***
[アナスタシア(サーシャ・レヴィアス)]
過去の予言書を集めて旅をする女ガンナー。今はもう過去の武器とされるリボルバーを愛用する。得物の名は『クロノス』、『ヒュペリオン』。生まれた時から旅をしており、体術から槍術まで、全ての戦う術を身につけている。旅や地理に関しても知識は深く、裏のルートで流れる情報にも精通している。
容姿端麗、頭脳明晰だが、天上天下唯我独尊を地でいく。口を開けば毒を吐くかなりの毒舌家。一方で自分の立場や短所はしっかりと認めているため、彼女に口で勝てる者は未だ現れない。
損得で動くが、割り切りがしっかりと出来るため、フレイの真逆。しかし仲間に対する意識も低く、フレイやクリフの命をさほど重要とは思っていない。
好むものは特にないが、付き合い程度に酒を嗜む。暇になると地図を見ていることが多い。
フレイとクリフの2人と出会った当初は、2人のことを手駒程度にしか考えていなかった。『過去の予言書』を探すうちに、自分の生まれた秘密を知り、完全なる不老不死であることを認める。
『過去の予言書』の一件の後には多少、2人に対する考えも変わったとか、変わっていないとか……。
『過去の予言書』では18歳、『過去の英雄』では21歳。得物は『クロノス』と『カイロス』になった。ちなみにアナスタシアは今回のみの偽名である。
***
[クリフ・パレスン]
護衛の人間が集まる酒場で、ひたすら護衛の依頼を待っていた臆病剣士。両手に大事そうに抱えている剣は『レイテルパラッシュ』と呼ばれるもので、何か大切なものらしい。大事そうにしている割にはあまり使う場面はなく、非常時には腰が引けていることがほとんど。常にフレイのいじめの標的になる。
心は臆病な一方で懐は深く、実は他の2人より年上なのだが、横暴な2人に不平不満はあまりない(ただし怖いとは思っている)。優しい性格で、基本的に世話焼き。子供や女性に何故か気に入られる。サーシャ曰く、『女性の私が言うのもなんだが、どちらかというと可愛らしい顔つき』らしい。
平穏な生活を好むが定住しようという気はない。散歩が趣味。
『過去の予言書』の一件でサーシャとの関係に亀裂が入ったものの、自身の臆病を認め、ある目的の為に予言書を集めることを誓った。その後、利き腕を失い、今は隻腕となっている。
予言書を焼き払った後のフレイとサーシャのやりとりを目撃して以来、『もしかしてフレイさんって……』という盛大な勘違いを未だに続けている。
『過去の予言書』では19歳、『過去の英雄』では22歳。レイテルパラッシュは腰から下げて歩くようになったものの、利き手を失ったため、現在は剣術もリハビリ中。
***
[メイ&ダン]
武器商人であり情報屋の姉弟。母の仕事を手伝って、各地で情報を仕入れてはサーシャ相手に仕事をしている。
メイは『過去の予言書』にも登場。生意気でおしゃまな女の子だが、商人としても情報屋としても一人前。血の繋がらない弟妹達のお姉さん的存在だが、サーシャやクリフには妹のように懐いている。一方でフレイとは犬猿の仲。未だに『魔術師サマ』とイヤミを込めて呼んでいる。
ダンはメイの血の繋がらない弟。まだ駆け出しの見習い少年で、ガセネタを掴んではフレイにネチネチいじめられている。
***
[カタリナ]
サーシャが最も尊敬し、最も愛し、最も信じていた母親。かつてトゥアス帝国の第18王女で、帝国消失の夜を生き延びた。当時文明の繁栄を尽くした帝国は王族にのみ、不老不死の力を分け与えていたため、見た目は40前半だが、実際の年齢はかなりの高齢だった。
彼女は嘘が最も嫌いで、サーシャは母の言葉を信じていたが、実はサーシャとカタリナの間に血の繋がりがないことが判明する。
現在は既に亡くなっている。