第九章『衝突』
第9章『衝突』
レストランを営む店主がネオに話かけていた。
「あぁ〜失礼わたくし、『グリモール』と申します」
するとマークがネオとの会話を遮った。
「グリモールさん、彼は恋なんてしてません!どうもありがと」
ネオをグリモールから引き離す。
「いい加減にしろ、ネオ。今は目の前のことに集中だ」
「分かってる・・・」
「私は、自分を守ると同時にお前を守りたい!頼むから戦いのことだけにしてくれ」
マークは、ネオに少し強く当たってしまった。
「・・・マーク、君は変だよ」
「はぁ?私はいつも通りだ」
「いや・・・捕まった時、何された?」
「何も・・・何もされてない」
「そんなはずない!お前はマークなのか?」
マークは黙った。
「裏切り者は、ここから立ち去れ!」
「ちょっと待てよ!落ち着け!ネオ」
すると、周りのレジスタンスが騒ぎ始めた。
「何をされたか言え!」
マークは慌てた。こんなこと言ったら今度こそ私は停止されてしまう。そしてマークは嘘をついた。
「知らない。知らない子に会ってから捕まった時のデータがないんだ。頼むから落ち着いてくれ」
「今すぐここから出て行け。早く!」
レジスタンスが見守る中、マークは、本部から追い出されてしまった。
「他に!裏切り者はいるか!?」
「待て待て!落ち着け!」
ネオは他のレジスタンスのメンバーにも疑心暗鬼になっていた。
一方、他の場所でも人間がおかしくなっていた。まるで凶暴的な性格に変わっていて言い争いや疑心暗鬼になるものが現れた。
人造人間たちには影響がない。人間だけがおかしくなっていった。
クローン政府本部前では、とある妨害超音波を発生させていた。
「ジェーソン捜査官!これで人間は、暴走します」
「よくやった」
「内戦を起こした隙に突入しましょう!」
「これで邪魔者どもはみんな始末できる・・・」
そしてエイデンは荷物をまとめている。
「パパ?何してるの?」
「君はここにいなさい!」
「どこか行くの?」
「あぁ、君の弟を守らねば」
「私も行く!」
「ダメだ危険すぎる!ローズはここにいろ。すぐに戻ってくる」
そうしてエイデンはローズを置いて家を出た。
家を出ると、外には巡回中のCRA機動隊がいた。彼らは、計画の話をしておりそれを聞いたエイデンは慌ててレジスタンス本部に向かった。
近づくと、なぜだか知らないがゾワゾワし始める。息も荒くなってきた。これは、なんだ?そう思いながら進むと前にあの時見た人造人間がいた。
「お前!なんでここにいる!」
「その声!あなたは!?」
「黙れ!いいか!よくわからんが話を聞け!」
エイデンは、苦しみながら話し出した。
「あいつらは、明日、一斉に出撃してくる!今は内戦を起こそうとしてるらしい!」
「内戦!?」
「あぁ!その隙を狙って!もうなんなんだ!!!」
エイデンは超音波の影響と理性を保とうと戦っている。
「大丈夫ですか?」
「あぁ!だから頼む!お前の指揮官アレックスを守って私のところに連れて来てくれ!」
「どうしてですか?」
「あいつはお前が探してる、一人だ!そしてあの時あったあの子もその一人だ!」
マークは、ハッとした。あの子が探していた子・・・ネオが恋したのは人造人間!?
「でも、私はもうここに入れない!それに仲間を守るために仕方なく」
「仲間なんて守れない!あいつはそういうやつだ!皆殺しにする!間違いない!頼む!助けてくれ!」
エイデンが倒れた。
「水をくれ・・・」
マークは考えたひとまず、この人をこの場所から離そう。そしてエイデンを引きずり近くの建物の影に隠した。するとそこには、あの時見たあの子がいた。
「ローズ・・・」
「パパ!しっかりして!」
ローズがエイデンに駆け寄りマークを睨んだ。
「何をしたの!?」
「何もしてない!水を、水が欲しいみたいだ!」
するとローズはカバンの中の水を取り出してエイデンの口に入れた。
エイデンは咳き込みながら、大きく息を吸って落ち着きを取り戻した。
「ローズ・・・なんでここに・・・」
「パパの後をつけてきたの」
「帰りなさい」
「やだ!パパを失いたくない!私も手伝う!」
「ダメだローズ!」
「あなた!パパを見ていて!私が行く!私が兄弟を救う」
「兄弟!?」
そう言ってローズは本部に入り込んだ。
「待て!ローズ!!!」
本部内はものすごく荒れていた。
「みんな落ち着いて!」
「うるさい!」
「きゃーーー!」
ローズはそんな中、アレックスがいる場所に向かった。
そこに着くとアレックスだけがいた。
「アレックス!」
ローズが叫んだ。すると、何かを感じ取ったのかアレックスが「妹よ!待っていた」と返した。
「下は大変なことになってるわ!」
「あぁそうさ、あいつらは超音波で人間だけを凶暴的にしている」
「そんな!何か救う方法は?」
「ないよ」
「そんな・・・」
「このまま終わるのを待つだけさ」
「え?助けないの!?あの人はみんな仲間じゃないの?」
するとアレックスはニヤリと笑いこう言った。
「あぁ、助けない。それに仲間じゃない」
「どういうこと!?」
「俺は、あいつと契約をした。大人しくしてればお前だけ助けてやる。金も自由も権利も何もかも与えてやると」
「何を言ってるの!?あなたは我々人造人間の人権のために戦ってるんじゃないの?」
「半分正解で半分間違い。ローズ、人権を皆が持ったらどうなると思う?」
「みんな幸せに平等で・・・」
「この世はさらに地獄になってしまう」
アレックスが話し始めた。
「人造人間が人権を再度持ったら、人造人間の多さに人間側が侮辱を感じ始める。そうすると人間たちがまた戦争を始める。最終的には我々は破滅する」
「そんなことはわからないじゃない!」
「いや、お前も考えてみろ。もし人造人間が我々だけなら」
「・・・そんなの何も楽しくないわ!間違ってる!皆でこの世を生きるそれが何よりも幸せ!」
するとアレックスは顔色を変えた。
「そうか・・・お前は愛を持つコードプログラムか・・・」
「急に何!?」
「知らないのか?我々を作ったお父さんは、私たちに特別なコードを埋め込んだ。お前には愛。俺には、勇気、そして終わり」
「終わり?もう一人いるの?」
「そうさ、もう一人な。そして私たちが3体揃うと自動的に全ての人造人間のプログラムが書き換えられる。無限から有限に」
「つまり・・・」
「そうだ死ぬってわけだ。機能停止じゃない死だ」




