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OUT  作者: 天姫乃みこと


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第三章 『マーク』②

「ここら辺は、繁華街で人が多い分、監視が多い。固まって動くとかえって怪しい。散らばってポイントAに向かう。その後ポイントBにいる仲間と合流。そしてポイントCに向かう。いいか?」


リーダーが説明し、私たちはいったん散らばることにした。


「またなマーク気を付けろよ」

「そっちも」

私は、人混みに紛れた。この街のメイン道路は、電光掲示板やネオンボードがギラギラ輝き、音楽も大音量で鳴り響き、胸焼けしそうな雰囲気だった。路地裏では、ネズミの死骸、ダンボールにゴミの山。ロボットの腕などが転がっており、表と裏のギャップが激しかった。人混みの中、ポイントAを目指した。


『おい!止まれ!』

CRA職員の声だろうか?私は仲間が捕まっていないことを願って突き進んだ。


ポイントAに到着した私は、皆を探した。続々と集まり、全員集合できた。

「よし、ポイントBに向かう。そこで仲間と合流だ」

リーダーに従ってポイントBに向かった。薄暗い中、仲間を探しゆっくり進むと、

「これはこれは、お出かけですか?」気の抜けた低い男の声が小さく響いた。

すると白い明かりが、私たちを一気に照らし囲まれた。眩しい、目がくらみそうだった。

「おとなしくすれば何もしない・・・」

スワットに囲まれた・・・

すると、リーダーが口を開けた。


「貴様は?」

「私は、CRAのジェーソン。CRAの隊長だ」

やる気の無さそうな声と佇まい。なのにスキを感じない。

「なんの真似だ?」

「いや〜通報がありまして〜ここに違法者がいるって」

「我々は、お前らとは関係ない」

「嘘はいけないよ、レジスタンスの諸君〜」

私は、ゾッとした。何もかもバレている。どうやっても切り抜けられない。終わった・・・そう確信した。

「我々が、レジスタンスだという証拠は?」

「え?そこにいるの偽物だよね〜?そこにいる”お前”だよ」

あいつはその冷たい目を私に向けた。私は、睨み返した。

「そいつを置いていくなら、君らを助けよう。っても薬の売人として警察に引き渡すがね。抵抗するなら君らは、拘束し、その後仲間を一人一人酷い目に遭わせる・・・リーダーさんどうする?」

あいつは本当に人間なのか?人間が私達のような異物を苦しめるのは理解できる。だが同種を傷付けるとは・・・

「私は大丈夫だ。置いて行け」

それ以外解決策はない。

「ほら本人がそう言ってるぞ?」

私はリーダーと目を合わせて、頷いた。

「私たちは、こいつとは無関係だ・・・」

「マーク・・・」

ネオが、小さく細く呟いた。

「そう・・・分かった」

彼はそういうとハンドサインを出し、私を取り押さえた。

「後のものは、どうでもいい」

そういって、スワットは、銃を下ろし、立ち去った。取り残された仲間を背にし私は車に乗せられた。頭に布を被せられ、体に電気が走り意識がどんどん薄れてきた。微かに聞こえるネオの声。私は、車に揺られてどこに連れてかれるのか・・・


・・・意識が戻り始めた。

「起きたか・・・ゴミクズ・・・」

聞き覚えのある低い声だ・・・

「お前に聞きたいことがある・・・」

視界も安定してきた・・・

「こっちを見ろ!」

頬に固く重い何かがぶつかった。首に痛みが走った。

私は、男の顔を見上げた。

「おいゴミクズやろう・・・お前は、なんで生きてんだ?」

私はその発言の意味が分からず黙るしかなかった。

「俺はお前を一度つかまえ損ねた。覚えてるか?」

私は、あの時を思い出した・・・仲間と共に必死に逃げて、次々に仲間が捕まって、命からがら逃げ一人だけ助かった。その時に遭遇していたとは思わなかった。

「あの時の仲間は、みんなスクラップだよ・・・」

こいつは何を言ってるんだ・・・我々、人造人間は人間と同じ身体と細胞を持っている。脳内に自立型人工知能が埋め込まれただけのハイブリッド型の人間に過ぎない。それを、スクラップだなんて・・・こいつは、我々を”モノ”として見てる。

「・・・沈黙か」

「何が聞きたい・・・仲間か?」

「いや、そっちはもう片付いたよ」

私は、ネオの笑顔を思い浮かべた。

「じゃあ、なんだ・・・」

「私達の為に他の勢力に潜入してくれないか?」

「どういうことだ?」

「我々も、ただ小さな勢力を一つずつ締め上げるほど暇じゃない。だからお前が全てをまとめ上げて大きくした後、一網打尽って考えさ」

「なぜそれを私が?」

「そりゃ、誰でもいいと思うが、お前は他のゴミとは違って個人主義を感じる。そこを俺は利用したい」

「私にはなんもメリットが無い」

「安心しろ、自由を与えると約束しよう。だからこそ協力してくれないか?」

「・・・本当か?」

「もちろん!あと、さらにお願いがあるんだが、ある物もついでに見つけてもらいたい」

「なんだ?」

「お前たちが探していた物だよ」

「・・・無理だ。何も情報が無い」

「それが、一体だけ居場所がわかっているんだよ。だから、それも仲間にしてくれたらお前のお仲間も自由にしてやる」

そんなうまい話がある筈ない。何か裏があるはず。

「疑ってるな?安心してくれ。何もやましいことはない。お前は仲間と一緒に一生、楽しく落ち着いて暮らせる。その代わりみず知らない奴らを売れば良い。どうだ?いい提案だろ?こっちもお前の事は監視しない。だから裏切るなよ?信頼あっての取り引きだ」

私は、どうすればいい。一生恨まれて安全に暮らすか、今ここで死ぬのか・・・

「・・・わかった。引き受けよう」

生きるための選択だ。

「いい判断だ。それじゃ今すぐ準備だ」


私は、テレポーターに乗せられた。

「今からお前をターゲットの場所に送る。くれぐれもミスはしないように」


『転送5秒前・・・・4・・・3・・・2・・・1』


息が一瞬、出来なかった。

「ぶはっ!」

初めてのテレポーテーションに身体が追いついていなかった。全身が筋肉痛になりその場で寝転がった。


「あの・・・?大丈夫ですか?」

私の顔を覗く女性が目の前に現れた。

「あなたは・・・?」

『私は、ローズ・・・』

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