7話 ルカと白豚お嬢様
「何度呼び出したと思っている」
現在ローズ邸にて、アイリスはリオン・マキナベール王子と対面していた。
リオンは口を手で覆い、アイリスの変貌を驚愕の目で見ている。
窓の外には、灰色の空にチラチラと白い雪が舞っている。
アイリスは豚から精霊に変わっていた。
長い黒髪に黒いドレス。青いコルセットが映えている。
「王子が仰ったのですよ。結婚式まで手紙も連絡も接触も必要ないと」
「臨機応変と言う言葉をしらないのか?私が来いと言ったのだ。お前は黙って従えば良かったんだ」
「はぁ・・・。もう面倒臭いので俺から言いますね」
「お嬢様は婚約破棄をお望みです」
ルカがダルそうに言う。
「どういう事だ!婚約破棄?!認めないぞ!」
「周りがうるさいから、なんて理由で一生飼い殺しなんてゴメンです。愛も交流もない、そんな生活を望んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが私は嫌です」
「王妃としての務めも要らない。別棟に引きこもって食事をしていろなんて、私は家畜ではありません!」
「それは済まなかった」
「私は醜い物が嫌いなんだ」
「だが今の君は美しい。」
「正式に私の妻になって欲しい」
リオンは立ち上がりアイリスの足元に膝まづくと、左手の甲にキスをした。
アイリスは振り払い、一瞥する事なく言い放つ。
「私も醜い物は嫌いです!その醜い心を今すぐ消して下さい!」
しっ、しっ、と手で振り払う。
カアアアッ!とリオンの顔が赤くなる。
「私に逆らうなど!どういう事か分かっているのか!」
「・・・・」
フッ、とルカの漏らした失笑に、リオンの怒りは頂点に達した。
「この野郎!!」
リオンがルカに殴りかかる。
「ルカ!」
ルカはリオンの右手首を捻り上げ、足払いして仰向けに倒す。
「追放だ!アイリス!お前は国外追放とする!」
リオンは右手を押さえながら立ち上がり、アイリスに追放を言い渡すと扉を開けて出ていこうとした。
バシュッ!
突然、眩しい光がリオンを襲う。
目の前には手帳を持つ者とカメラを持つ者で溢れていた。
「ヤベ!散れ散れ!」
リオンはガクリと膝を落とす。
翌日、王子とアイリスの非道な契約は新聞の一面となり国中に撒かれた。
王子の対応について、酷いと思う者と分からなくはないと言う意見で別れた。
「本当に一緒に来るの?」
「一人で大丈夫なんだけど、小さな一軒家だし」
勝手な婚約破棄と恥をかかされたとして、アイリスは辺境の地へと追放される事となった。
「アンタ家事なんてやった事ないでしょ」
「金銭感覚も生活力もバグってるアンタが一人になったら、一瞬でオーククイーンに逆戻りですよ」
「うっ」
ルカはアイリスの荷物が入ったトランクを持つと、ドアを開けて促す。
「さぁ行きましょう。白豚お嬢様」
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