6話 クソからの手紙
教室は騒然とした。
白豚が小豚ぐらいに進化していたのだ。
「おい、あれオークプリンセスだろ?人間に進化してるぞ!」
「あぁ、しかも美人寄りだ」
(私が美人より?)
春とは180°違う評価に目を丸くするアイリス。
「ローズ伯爵令嬢、お見違えになりましたね」
「髪は艶々、肌はスベスベ。羨ましいですわ!」
「ビューティークラブの皆さんの協力のおかげです」
この日一日、アイリスは常に誰かに囲まれ称賛を浴びていた。
悪い気はしなかったが、みんなの手のひら返しに複雑な思いを感じた。
紅葉が舞い、辺り一面赤と黄色で埋め尽くされたころ、アイリスに一通の手紙が届いた。
アイリスの小説を書籍化したいとの出版社からの手紙だった。
「シャアああ!ヤッター!」
「ゔあああ!デビューが決まったよおお!」
「今回ばかりは褒めて差し上げましょう」
パンパンパンと拍手を送るルカ
「お喜びの所申し訳ありませんが、コレを」
ルカは握り潰された紙を差し出した。
「何この紙」
「クソからの手紙です」
「・・・・クソ、ね」
アイリスは人差し指と親指で紙を摘み、広げて中の手紙を読んだ。
明日、登城されたし
リオン・マキナベール
グシャッ!
アイリスは怒りの表情で手紙を握り潰した。
現在十二時、十五時。
リオンは時計を見て側近に尋ねる。
「あのオーク女をちゃんと呼び出したんだろうな?」
「も、勿論です!先日ローズ伯爵邸にちゃんと!」
「そうか・・・・」
十八時、二十一時、二十四時
「・・・・」
結局この日はアイリスが姿を現す事はなかった。
「何故来ないんだ!」
「あのオークが私の為に美しい人間に生まれ変わったと言うからその姿を見てやろうと呼んでやったのに!」
バァンッ!と机を殴るリオン。
「舐めてるのか!」
苦虫を潰したような顔で側近を睨むリオン。
もうすぐ冬がやって来る。
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