3話 キャベツ一玉、ランニング
「良くやったアリシア!こんな奇跡、私は一生分の運を使い果たしたようだ!」
父、ハワード・ローズはアリシアに抱きつき涙を流して喜んだ。
母、アメリア・ローズは顔中涙と鼻水でグシャグシャとなり何も言えず呻いている。
使用人達は信じられないと行った顔でヒソヒソと話している。
「そうと決まればダイエットだ!今から始めるぞ!」
そう行ってハワードは物凄いスピードで何かを書き上げた。
「ダイエット計画・・・」
バリィッ!
アリシアは読んだ瞬間に破り捨てた。
「ルカと同じかい!!」
「なぜみんなキャベツ一玉で走らせようとするんだ!」
「お、お前の場合、それくらいしないと間に合わないだろ・・・・」
「間に合わせて見せます!」
バタアァァンッ!と大きな音を立ててドアを閉めて父の書斎から出て行くアリシア。
別棟に入ったらオークプリンセスの餌やりなんて嫌だ!って使用人達にイジメられるかも・・・。
そのうち忘れられて飼育費用が渡されなくなって、給料が払えないから使用人もいなくなって、一人になっても生活力がないからボロボロの廃屋で孤独死・・・・。
部屋に戻ったアリシアはテーブルの周りをウロウロとしながらブツブツ考えている。
「そんな未来絶対嫌アアア!!
とにかく痩せて、せめてオークから白豚になろう!
始めはとにかく歩こう。
走るのは無理だけど、歩く事は出来る。
料理は野菜中心のメニューにして貰ってお菓子は無し!
でもって本気で小説を書く!
私にはそれしか無い!
小説家になって稼いで給料を払えるぐらいの収入源を確保して・・・」
「落ち着いて下さい」
「とりあえずケーキを食べるのを止める所から始めるべきでしょう」
「あ!」
現在午後二時、とりあえず屋敷の裏手にある森の散策を始めて二時間。
息はゼエゼエ、汗はダラダラ、頭はフラフラ、シャツはビショビショ。
「はぁ、し、はぁ、しぬ、うぇっ、しぬ!」
「まだ二時間しか経ってませんよ」
「」
ルカは涼しい顔、と言っても銀色の髪が顔を隠していて、見えるのは口元だけだがそのニヤつきで余裕が分かる。
ルカは木の根の階段をヒョイヒョイ降っていく。
登るより降るほうが疲れるのはなぜだろう?
「ほら、もう少しで屋敷に着きますよ」
木々の隙間から屋敷の青い屋根が小さく見えている。
「はぁ、まだ、あん、な、とお、い、ぐはっ!」
ドスドスと音を立てながら一歩一歩降っていく。
飲み物ないは水だけ。
紅茶をもジュースも禁止。
ベッドに横になりながら、「やっぱりやめようかな・・・」
と思うアリシアだった。
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