1話 オークプリンセス令嬢アリシア
マキナベール王国、マキナ城中庭にてこの日。
交流会と言う名の、王子の婚約者選別会が行われていた。
一人の男に選ばれようと色とりどりの華が咲き乱れるている中に一輪。
異彩を放つ毒花が注目を集めている。
花の名はアリシア・ローズ(16)
娯楽の無い田舎の伯爵家の娘で、趣味は食べる事と本を読む事。
両親に甘やかされて育ちに育って現在身長150cm、体重150kgの百貫デブ。
黒髪の艶がまるで王冠のように輝いている。
その容姿から付いたあだ名が "オークプリンセス" 令嬢。
本人も気にしていない訳では無いが、どうしても食べる事を止められない。
美味しいのだ!
砂糖いっぱいイチゴジャム、少し苦いチョコケーキ、キャラメルたっぷりシュークリーム!
アリシアにとっては男より飯!花より団子状態!
「オクプリお嬢様、せめて今日ぐらいはお菓子より花を愛でられてはいががです?」
声をかけたのはローズ家の執事、ルカ・ジルコニア
「億兆分の一の確率で奇跡が起こるかもしれませんよ」
「そんな奇跡起こるわけないでしょ」
拳大のシュークリームを一口で食べきると、ブルーベリーケーキをホールごと抱えてフォークを突き刺した。
「ご覧になって、例のオークプリンセス令嬢ですわ。あんなにブクブクとなんと醜い事」
「私もう耐えられませんわ。あの食べ方、見てるだけで気持ちが悪くなってきます・・・」
他の令嬢達が口にする言葉はアリシアの耳にも届いてはいる。しかし、どうしても、手が止まらないのだ!
ダイエットを決意した事は数しれないが、意志が弱すぎてすぐ挫折してしまう。
アリシアはもう自分は一生涯このままなのだと諦めていた。
突然、左腕の肉を掴み上げられ皿が地面に落ちケーキが崩れ散る。
金髪短髪の白地に黒を基調としたスーツに身を包んだ青年が一際大きな声で叫ぶ。
「私はこの者を婚約者に選ぶ!以上、解散!」
(リオン・マキナベール王子!?)
突然の出来事に目を見開くアリシア。
「来い、豚。話がある!」
王子はアリシアを一瞥する事なく言うと、早足で女達の元へ行き、笑顔を振りまきながら去って行った。
「行きましょう。お嬢様」
「え?あ、ええ・・・」
アリシアとルカは王子の後を追う。
「コレはどういう事?」
「なにがあったの?」
「どうしてあんな大豚が選ばれるの?!」
(そんなの私が聞きたい!)
罵詈雑言の中、メイドに案内されながら王子の執務室へと向かう。
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