牛に対して琴を弾ず
今回は少々推理の場面もございますので、それも含めて楽しく読んでいただけたら幸いです。
あの後 しばらく、誰も動けなかったが、
「..すまない。華奈があんな反応をするだなんて....」
本人も、突然のことに困惑してるだろうに、申し訳なさそうに、学園長が頭を下げた。
俺が、かける言葉を探していると、先に犬飼が学園長に歩み寄った。
「頭を上げてください。あれは、あいつが勝手にしたことであって、学園長は無関係、責任を負う必要はありません。」
「しかし、、、」
「それに、俺にも何か原因がありそうでしたし、まだ、原因も分かっていないのに謝るのは、娘さんにも失礼だと思います。」
「犬飼くん、、」
「安心してください。依頼は解決しますし、娘さんの先程の行動の原因も見つけます。かわりに、ちょっと報酬を良くしてくれれば俺達は、満足です。だろっ?」
急に明るく、犬飼が言い放った。
確かに、責任感が強い学園長には、このくらい必要かもしれない。
「はい。多分、あれには犬飼の方にも非があったんだと思います。何も頼まれなくても調べるでしょうし、報酬が多くもらえるだけ得というものです。」
「ありがとう、、よし、せめてここは私に奢らせてくれ!こうでもしないと、面目が立たん!さあ、好きなだけ飲んで食ってくれ」
「「ありがとうございます!!」」
あれから数日間黒咲の近くに犯人がいると仮定して、学園長から許可を取って尾行しているが、まったく犯人がいるようには思えない。
このままでは、犯人が見つかるより早く、俺達が訴えられる方がはやそうである。
正直ここまで犯人の様子がうかがえないのは前に一度考えたことがあった
【透明化】の能力だとも思ったが、まだキーワードが少ない。
【探偵】で検索したら、最悪、廃人になる。
「まだまだ状況証拠が全然足りないな....」
「おい、」
透明化以外では、周りの人の感覚器官を操作する?
それとも、脳のほうか?
「おいってば、」
けれど、それなら周りのものが物証として残らないか?
「おいっ、聞けよ」
その間、犯人は、物証となりそうな物に、常に能力をかけ続けなければいけないが、たまたま一つ見逃すだけでも危険だ。
そうなれば、犯人は周りのもの全てに能力をかけ続けるのが安全だが、かなり、疲れそうだし複雑でむずそうだな。
「あ、あんなところに黒い毛の金色をした体長23センチ前後の猫が」
「どこっ、どこっ、猫ちゃんはどこ!」
振り返ると、思わず殴りそうになるほど、ドヤってバカにしているような顔をして見下してくる犬飼がおり、猫が俺をつるためにでっち上げられた道具だと分かった。
考えるより先に、膝が動いていた。
思いっきり、膝を突き上げ、犬飼の股間に突き刺ささんと一直線に登っていく。
おそらく、人生でこれがもっとも肉体の限界に近づいただろう。
届かなかったが。
「なんだ犬飼、いたのか。普段は下品なくらいギラギラ目立っているのに、まったく存在感を感じなかったぞ」
「お前にとって俺は何なの?親でも殺されたんか?」
「で、用件は何だ?早く言え。」
「というかいい加減渋らずに俺にもお前が考えていること教えてくれよ。」
どうにもなんだか最近こいつはいつも自分で考えずに俺に押し付けているな。
これはよくない傾向だな。
「そうだな....だったらお前の考えを先に言ってみろ」
「それはなぜ?ホワイ イズ ザッツ?」
「As your detective, partner, and best friend, I have a duty to educate you, discipline you, and raise you to be someone you won't be ashamed of anywhere, even if it seems impossible.」
「なんでいきなり英語の長文を出すんだよ!俺のカタカナ英語が際立つだろ!」
「というわけで、お前はどう考える?」
そう聞くと、犬飼は驚いたように目を丸め、そのまま微動だにしない
「犬飼、、、お前、中二病の兆候がうわぁっ!!」
何やら犬飼が不穏ことを言い始めたので言わせる前にカバンを降って口を閉じさせた。
「ほら、さっさと言った」
「わかったよ。俺の考えは空想上でよければだけど、なんだかこの事件は黒咲にも問題がある気がするんだよな。」
ここ数日の黒咲の様子をうかがって俺らがが分かったのは、ええとこのメモによると
〈①学校が開く時間は7時半なのに対して黒咲の家は学校まで10分でつく程度の距離なのに黒咲はたまに5時には家を出ている点〉
〈②学校では人が少ない場所を好み、なるべく人と関わらないようにしている。『俺は別に嫌いじゃないぜ、そうゆうの』〉
「お前の私的な意見をメモ帳に書くな、今すぐ消せ」
「ええ~、けど、やっぱり女の子には優しく接するべきじゃあ、、それに黒咲って正直俺の好みだし」
「どうせ見られないメモ帳で優しく接して何になるんだよ。そしてタイプだからと書いたなら本当に辞めるべきだ。当事者でもないのに寒気がする。」
犬飼の特殊な性癖が垣間見えた気がするが、言わないでおいてやるのが優しさだろう。
「次はー」
〈③『尾行していて改めて分かったのは黒咲がいつも通学路を変えて登校していること。まあ、学校か家さえ特定してしまえばストーカーなんてたやすいことのように感じるけどな』。〉
「まあ、こんな感じだな。」
「、、で考えは?」
犬飼が首を傾げる
「へ?」
「は?」
「、、、ああ、そんな話だったな。まあ、という理由で黒咲にも問題があると思う」
「どこにその要素があったんだよ。別に責任を負う必要がありそうだと思うところはなかったぞ。5時に出るのは気になるが、そこまででしか無いし。」
「じゃあ、今の時間なに?」
「俺が聞きたい。」
う~~んと犬飼が唸り、ふと思いついた、といった感じで聞いてくる
「黒咲はなにを証拠にストーカー被害にあってるって言ってるんだ?その証拠から割り出したりは?」
「黒咲がストーカー被害にあっているって言っている根拠は、、、、そんな気がするんだと。視線が感じるとか。そのせいで被害妄想じゃあという声が多々上がってる。」
まあ、仕方ない。
それだけじゃあ、被害妄想が強いだけ、で片付けられる。
しかし、そんな被害妄想が強いような人物は自己肯定感が低かったりするらしいのだが、黒咲がそういう性格とは思えなかった。
いじめようとしたら逆にいじめ返されそうな気がする。
その黒咲が明確にストーカー被害にあっていると強く証言していた。
この世に特殊な能力がある以上、この事件が黒咲の被害妄想だった、で片付けるわけにもいかない。
前の考えの通り犯人が仮に【透明化】をしていた場合一応話の筋は通るが、でもなぜ俺の【探偵】の検索に当てはまらなかったのか。
俺の【探偵】は、使い方を間違えれば廃人必至の代わりに、この世の中のありとあらゆることを検索できる我ながらハイスペックな能力のはずなのだが....まあ、そこは今考えてもしょうがないな。
とりあえず今は黒咲がなぜ自分がストーカー被害にあっているように思ったのかを黒咲自身に聞くしかないだろうな。
「いったん黒咲に詳しく聞いてみよう。実際に話せば何らかのキーワードを得られるかもしれない」
「分かった。けど、俺が行ったら絶対うまくいかないだろ。この前、会った数秒後にビンタされたんだから。何かしら策を考えないと」
、、、、驚いた。
いや、本当に驚いた。
ビンタのときと同じくらい驚いた。
「なんでお前が行くの?俺が行けばいいじゃん」
「、、、、あっなるほど。天才だな」
やはり犬飼は無神経というか、これはもう重症ですね!
今回の話も面白いや、さっさと次の話を上げろと思う方はコメントリアクションよろしくお願いします!
次回からはもっと推理シーンが多くなります。ぜひお楽しみに!




