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第三話

 ベッドの中でごろごろ転がりながら悩んでいると、いつの間にか私は意識を手放し、夢へと落ちてしまっていた。

 最初に、人々のざわめきと、足音。そしてぼんやりと見える風景が徐々にしっかりと焦点を結んでゆく。

 これは……昨年の春。冬と春がすれ違うころだ。懐かしい。

 

 道の橋に、溶け損ねた雪の塊があちらこちらに見える。触ると、しゃりしゃりとした音を立てて崩れた。

 冷たい、と思う間もない。そこにはほんのりと温められた水が残っているのみ。


 ようやく、暖かい季節がくるのだと思った。

 これから、どんなことが始まるのだろう。

 十六になった私は、この国のしきたりに従って、学園に入学した。

 ここで三年間、貴族令嬢としての智識と教養を学ぶのだ。


 王立なだけあって、学園は思った以上に立派な建物だった。

 石柱の上部には王国を象徴する獅子の彫刻が学生たちを見下ろしている。細かいところまでしっかりと掘られており、今にも動きそうだ。

 装飾門はおそらく鉄製で、不思議な模様を描いている。王家や、高位貴族の屋敷の門みたいだ。

 そこから校舎へまっすぐのびる石畳。左右には迷路のようなデザインの庭園が広がっている。その向こうには噴水が見えた。

 他の入学生たちと同じように直進すると、城館のような校舎が両手を広げて私たちを迎え入れる。扉は開いており、そのまま私たちは飲み込まれる。

 

「ようこそ。入学おめでとう。私たちは、あなた達を歓迎しますわ」

 新入生を迎えたのは新しく三年生に上がった生徒たち。

 その中でひっそりと佇むひとりの女性に、私は釘付けとなった。

 そこだけ、光が差したかのように輝いていた。

 三年生は三十人ほど。順番に名乗ってゆく。


「……マリエッテ・ファン・ラーフェンスメールです。よろしく」

「マリエッテ様……」

 私は、その名前を何度も心の中で繰り返した。大事に卵を抱える母鳥のように、逃がすまいと。

 胡桃色の長い髪を春風が弄ぶ。髪を押さえる仕草がとても絵になっていた。

 静かで落ち着いた佇まい。落ち着きがなく賑やかな私とは正反対だと思った。

 

 こんな人が近くにいたらいいなと思う。

 そうすれば私は、素敵な淑女になれるだろう。

 私は、お母様のように何事もうまくやれないから。

 この方に教えてもらうことができたなら、全てがうまくいくのではないか。そんな気がした。


「んな訳はない」

 私の希望をぶった切ったのはサーラだった。

 この、ぽんぽんと鞠をぶつけてくるような話し方が好きで、私はよく彼女と絡むようになった。それこそ同じクラスに配置されてすぐの頃からだ。

 家の身分は彼女の方が上。だけどそれを鼻に掛けない。上に対しても下に対しても自然体で、卑屈にならず、尊大にならない。かわいい顔に反して話し方が少し、きつく聞こえることがあるから人を選ぶかもしれないが、悪い人ではないし信頼できる。

「どうしてよ……」

 口をとがらせてサーラに絡みつく。彼女は夏のハエを追い払うかのように顔をゆがめて私の腕を引き剥がした。

 

「そんなに嫌がらなくても」

「ごめん。本当に私、無理なの。親兄弟にも触られたくない」

「そうなんだ……」

 としか言いようがない。でもそれが彼女ならそれは受け入れるしかない。抱きつけずとも、コミュニケーションの手段は他にいくらでもある。

「ありがとう。助かる」

 頭を下げてくれるけど、むしろほかの手段を探るのがいいまであるから、気にすることではないのだ。

 

 それよりも私のことを妄言のように言われたことのほうが気になった。これでも直感には自信があるんだけどなぁ。

「……たった一年や二年、先に生まれただけで人をうまく導けるなら、どうして教師という職業がある? 学問、礼儀作法、舞踏……」

「あー……」

 それもそうだと思った。でも、それと同時に、微妙なニュアンスが伝わっていなかったのだとも思った。

 人生の師というか、この人について行こうって思うのは、別に専門職である必要はない。教え方は下手でもいいのだ。

 

「なるほどね。モデルロール」

 彼女は後頭部に手を回し、後頭部の編み込みを触りながら軽く何度も頷いた。

 栗色の髪をおさげにして、左右で交差させてサイドで留めた髪型だ。毎日、三つ編みの大きさや生えてくる場所、留める場所が違うので朝の楽しみのひとつになっている。

「そうそう、それ」

 ふぅん、と頷くのをやめて、私を見つめる緑がかったグレーの瞳がすうと細くなった。

「相手のこと、何も知らないのにかくありたいと思うの?」

「ぐわっ」

 両手を挙げて後ろにのけぞる。正論パンチ痛い。

「……まぁ、よく見て、判断するといい」

 やめろとは言わないところがよかった。こちらを尊重してくれたとすがすがしい思いだった。



 入学式から時は過ぎて初夏。

 だんだんと日差しが厳しくなるのを予感するころ、学園では春のバラの観賞会が行なわれた。

 バラの観賞会は秋にも行われるけど、我こそはと競い合うように咲く花の数は断然、春の方が多いから、学園にとって一大イベントなのだ。

 

「ここで一年生の度肝を抜く、と」

 抜かれない少数派の私はバラよりも美しいお姿を求めて、私はキョロキョロする。私にとってこの花はきらびやかすぎて、あんまり好きではないのだ。

 眩しすぎて、直視できない。子爵ごときが、どうして高位貴族を前に頭を上げたままでいられよう。いや、いられない。

 って具合に、どうも遠慮してしまう。

 

 その点、マリエッテ様は違った。高位貴族でありながら優しい光を発してして、目に優しい。いつまでも見つめていられる。

 そんな神々しい先輩も主催側である三年生なのだから、この会場のどこかにいるはずだ。バラを愛でず、周囲をうかがう姿は目立っていたのかもしれない。

 どん、と生徒にぶつかったかと思うと、私はそのままバランスを崩して倒れてしまった。私が地面に伏す音以外に、ガシャ、といういやな音が耳に入った。痛みを感じるより先に、その方向を見る。

 やってしまった――。

 

 バラが、折れていた。鉢が割れている。

 間違いなく私だ。倒れる時に腕をひっかけたのだろう。

 さぁっ、と顔から血の気が引く音が聞こえた。

「あらあら。畏れ多くも子爵家におかれましてはバラよりも良き花を多くご存じなのね」

 血の気が失せ、寒気まで感じていた私をさらに冷やすかのように頭上から氷の声が落ちてきた。

 見上げると、見知らぬ女生徒。腰まで伸びたブロンドを風になびかせ虫けらでも見るかのように私を見下ろしている。

 

 思わず、うわぁ……と言いそうになった。

 人相が悪い。端正な顔立ちをしているのに、その、極端に左側へつり上がった三日月が性格の悪さをまざまざと表していた。後ろに控える女生徒ふたりも輪をかけてひどい。ああ、私はこの人の気に触ったんだな、となんとなく察してしまった。

「まぁ、アドリアナさま。バラよりも良き花とは一体どのような花なのでしょう?」

「はて、聴いたことがありませんわ。子爵様には私たちの知り得ない世界があるのでしょう」

 バラを粗末に扱うのは、それよりも価値のある花を知っているからだろう。いやはや、子爵とはすごいものだ。高位貴族の我々とは違うのだな。

 要するに嫌味だ。ちゃんと私を子爵令嬢だと知っているということは、最初から狙って私を転ばしたのだろう。

 どこに落とし所をつけさせるつもりなのだろう。こんな日々が始まるのかな。面倒なことになった。

 

「あらぁ……ですが私たちはバラを大切にしておりますので、これをどうにかしていただかないと」

 私に始末を考えさせて、そこにまたケチをつける気だろう。さて、どう答えたものか。いや、こういうのはどう答えても文句をつけられるので、答え方なんて何でもいいか。

「べ……」

「私が屋敷から持ってこさせます」

 口を開いた瞬間、背後から被された。

「マリエッテ様……」

 

 探し求めた姿がそこにあった。まさかこんな時に会ってしまうなんて。よりによってこんな時に。

「あら、ラーフェンスメールさん」

「うちの屋敷に同種がございますので、それを使いましょう」

「え? あ、ええ……」

 手配し始めるマリエッテ様に毒気を抜かれた様子で、三人組はその場から去っていった。

 

 好機だ。今こそ私の存在を、距離を縮めよう。まずはお礼だ。

「あ、マ……」

 助かりました。ありがとうございます。たったそれだけを言うだけなのに、口がうまく回らない。焦る。さらにもごもごとなる。

 「これからは気を付けてね」

 そんな苦労をしている間に、マリエッテ様はこちらをちらりと見てひとこと、立ち去ってしまった。

「なんてこと……」

 がっくりと肩を落としてしまう。

 ――なんということだ。この頃から私は、モジモジ君だったのだ。



 時は移ってこれは、夏休み明けか。まだまだ暑い日だった。

 この時期は文化祭だ。

 一年生も学校に慣れ、休みを挟んで体力も万全。全力で向き合えるちょうどよい時期だ。

 初めてクラスで一丸となって迎えるお祭りに、みんな軽い興奮を覚えながらそれぞれ割り振られた役割に力を尽くす。

 

 バラの鑑賞会以降、例の三年生に絡まれることはなかった。何度か廊下ですれ違ったけど、特に絡まれることもない。構えたこちらが拍子抜けするほどに、存在そのものが認知されていなかった。わざわざその辺の石を見て「ああ、石ね」なんて言わないのと同じ。

 こちらが足を止め、頭を下げている間に通り過ぎていくから、その間にあっかんべーとかされている可能性はなきにしもあらずだけど……まぁ、ないよね。

 たぶん、目立って何かをしなければ、あちらもあえて、という感じなのかな。もしかすると、鑑賞会では私が浮いていることを注意されただけなのかもしれない。

 やり方はともかく。


「ティネのプラス思考は賞賛に値するな」

 サーラが言うには、最近もその三人組にご指導を受けた一年生がいたらしい。なので、最近はどうか、私もまだ色々と言われるのかと近況を聞いてくれたのだ。

 答えはさっきの通り。頭を下げているところにあっかんべーされていると答えると、呆れられてしまった。

「でも、解釈の仕方は自由だから」

 昔から私は、口さがない人にはたくさん出会ってきた。彼らは身分や家庭環境について、色々な感想とか、考え方をわざわざ教えてくれた。その中には、善意もあれば悪意もあった。

 でも、そういった考えを持つ人たちに対して、こちらの考え通りに改めてもらうことなんてできる訳がない。

 

 だったら、こちらの受け取り方を変えればいい。

 道の真ん中に落ちている石ころを蹴飛ばしたのは、危ないから。躓いたり、気付かずに踏んでバランスを崩し、転んでしまう人がいるかもしれない。

 だから、隅に寄せるため、蹴飛ばした。個人的には手で取って、隅に置いて欲しかったところだが、手が汚れるのを嫌がったのかも知れないし、お腹がつっかえるから屈みたくなかったのかもしれない。どんな理由があって彼女らが蹴飛ばすという方法を選んだのか、その人じゃない私には知りえない。

 だったら、“危険性を排除した”というその部分だけに焦点を当てればいい。事実だけに目を向ければ、そこは納得せざるを得ない部分だ。当然、私も人間だから色んな感情が湧いているけど、事実だけを見るなら「それもそうか」で終わらせることができる。

「なるほど。良く考えられたものね」

 

「考えてないよ。体得したの」

 彼女には、私の家庭環境は伝えている。

「……では、あれはどう捉える?」

 視線の先を辿る。

「奇跡」

 即座に断言する。

「……ティネは本当にあの方のことになるとおかしくなるな」

 たったひとりで椅子を並べているマリエッテ先輩だった。隣の大きなため息なんて気になるはずがない。

 先輩が椅子を運び、並べる。下を向くたびに胡桃色の長い髪がさらさらと流れ、それをかき上げる。それは、絵を見ているようで、私には近寄りがたい雰囲気があった。椅子を並べるという作業だけでも感じる上品さと、高貴さ。私とは住む世界が違う。同じ貴族だけど、そのくくりに私が一緒にいていいとは思えない。

 同じ伯爵でもサーラは同じ貴族でいいのかな、とは迷わない。だって女神じゃないから。


「一緒に行く? それともここに残る?」

 入り口で尋ねられ、少し迷ったのち、私はサーラに続いた。できるなら私が先輩に声をかけ、椅子を借りたい。でも、まともに話せるとは思えなかった。これ以上印象を悪くしたくない。

 一瞬、こちらをちらりと視線を送ってから、先輩へ声をかける。最終確認だったかもしれない。で、私の顔が固まってるのを見て、こりゃだめだって予定通り自分が交渉を始めたのだろう。私は後ろでじっくり先輩を観察することにした。こんな近くで拝見できるなんて、しっかり目に焼き付けておかないと。

 

 先輩の顔がちょっと赤い。息も上がっている? 疲れているのかな。やはり、ひとりで椅子並べは厳しいんじゃないだろうか。だって先輩細いから、そんなに力も体力もなさそうだ。そもそもどうしてひとりでやっているのだろう。

 考えているうちに話は終わり、サーラは椅子をふたつ、当然のように渡してきた。おいおい。私がふたつで貴方はひとつ?

「腕力が違うでしょ」

 事実である。元の子爵邸ではもっと重いものを毎日のように抱えていたのだから、椅子のひとつやふたつは余裕だし、私に比べて小さく力もなさそうなサーラにふたつも持たせるわけにもいかない。

 

「ところで、マリエッテ様はどうしておひとりで準備を?」

 マ、マリエッテ様ですと?!

 そうか。どちらも伯爵家だから面識はあるのかも。それなら紹介してくれないかしら。

「こういうのは進んでやりたがる人がいなくて……」

 儚い笑みが美しかった。男子生徒は手伝わないのか。ひどい。マリエッテ様のお手伝いができるなんて、そんな光栄なことはないのに。

 ああそっか。お貴族様は下準備とか嫌いそうだものね。子爵令息や男爵令息なら手伝ってくれたと思うけど、クラスにはいないんだろうなぁ。

 

「よろしければ、お手伝いしましょうか?」

 サーラがいいこと言った。手伝う子爵令息はいなくても、子爵令嬢は手伝いますよ。普段から鍛えているこの腕でいくらでも椅子を並べてみせましょう。

「いいえ」

 即答だった。柔らかなお顔ではあるが、明らかな拒絶に悲しくなった。そんなに疲れているのに、ひとりでやらなければいけないこと? ふたりが手伝えばすぐに終わることじゃない。

 

「先に、貴方たちの準備を終わらせなさい。意外に、見落としなんかがあるものよ」

「ああ……」

 経験者としてのアドバイスだったのか。誤解していた。恥ずかしくて先輩の顔をまともに見えない。俯いてしまって、ふたりの会話がよく聞こえなかった。

「……貴方も」

 えっ? サーラにつつかれた。顔を上げると、先輩が、その灰色の瞳に私を映していた。嘘でしょ?

 

「せっかくなのに、ごめんなさいね」

 頼りになりそうだけれど、と私の両手の先に視線をやり、くすくす笑っている。サーラに向けていた笑顔をそのまま、こちらにまでお裾分けして下さったのだ。それだけでもう私は天にも登る気分だった。

「い、いえ……」

 やはりモジモジする私。やはり重病だった。


 

 よく考えるまでもなく、見落としチェックなんて永遠に終わるはずがない。どれだけ大丈夫だと思っても、本番に入ってから思わぬトラブルが起きたりするものだ。

 確かに、最後の最後までチェックすることでトラブルが起きる確率は減るだろう。でも、私とサーラのたったふたりが一時間近く抜けたからと言って、どれほどのトラブルを回避できるのか。そう考えると、あの言葉はこちらを心配しているように見せかけた、拒否だったのではないか。


「あの方は、何でも自分おひとりでするわけではないわ」

 文化祭を目前に控えた日のお昼休憩。机越しに座るサーラが思い出したように言った。

「そうなの? じゃあ、あの時は」

 どうして、お手伝いの申し出をお断りになったの?

 身を乗り出すほどの勢いにひるむことなく、彼女は私を受け止めてくれた。でも、その表情や開いた口から出る言葉は、私を受け入れたものではなかった。

 

「私は、単に心配してくれただけだと思うがね」

「でも」

 食い下がる私に彼女は首を振る。

「どれだけ可能性を潰せるかなんて、解らない。解らないなら、やらないよりやる方が良い」

「それは……そう、だけど」

「事実だけを見るのではなかったの?」

 

 この言葉は効いたなぁ……。

 私は、この時、マリエッテ・ファン・ラーフェンスメールという名の熱病を発症していることを自覚した。

 そして、高熱に浮かされる私を、サーラが冷やしてくれたのだ。



 私は、再びあの上級生三人組が一年生に“指導”をしているところを見た。

 可哀想に一年生は顔を引き攣らせ、今にも泣きそうだ。

 晩秋の舞踏会。きらびやかな舞台は初めての一年生にとって、それはもう心ここにあらず、ふらふらと浮足立つものだろう。

 足を踏んだと、先輩はおっしゃる。よそ見をしていた? 誰の足を踏んだのか。無礼であろう。

 

 絡まれているのは確か男爵令嬢。ありがたくも侯爵令嬢様は、相手をよく見極め、ご指導されるのだ。

 ざわめきが広がってゆく。徐々に見物人が増えてきて,空気が悪くなる。

 そこへ、どこからともなく現れるマリエッテ様。

 靴を弁償しますと従僕を呼び、靴屋の手配をする。毒気を抜かれた諸先輩方は、断りを入れ、その場から離れる。それを見届けてマリエッテ様も去っていった。男爵令嬢が礼を言う間もなく。こういうのは少し待つものではないだろうか。溜め、あるいはお礼の口上を考える時間を与えてあげるものではないだろうか。

 

 野次馬たちが解散する中、自分の時のことを思い出していたらひとつ、思いついたことがあった。もしかして、マリエッテ様は……。

「知ってる? マリエッテ様って、お生まれになってすぐ、お母様を亡くされたの」

 隣からグラスを差し出してきたサーラは、無表情で自分のグラスを眺めていた。独り言のように、私だけに聞こえるように、呟く。

「それが?」

 受け取り、一口飲む。甘口で、香りの良い蜂蜜酒だった。彼女のは色的に白ワインだろう。口をつけるさまが大人のように自然だった。ちょっと悔しい。私もそっちがよかったな。私には蜂蜜酒ってことは、甘ったれってこと?

「お父上は仕事に打ち込まれ、ご自身は乳母と侍女に囲まれてお育ちになった」

「……そう。そういうこと」


 私は、妙にストンと腑に落ちた。

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