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もしも、わたしが男なら悶々としてしまいそうな、そんなにおい。

 大学の正門を抜けたところで声をかけられた。振り向くとそこにはマスクをつけた小柄な少女が立っている。

 だれだ? と、わたしがハテナマークを頭上に出していると、

「わたし、わたし、美穂だよ」

 と少女は言った。

「ああ、美穂。おはよう」

 美穂がマスクを着けて登校することはざらにある。そのためマスクをつけた美穂の姿は見慣れているのだが、すぐには気づけなかった。その理由は目元のメイクと服装だ。いつもより明らかに大人っぽい。平素の無邪気な印象とは違う。あでやかさや妖艶さがいまの美穂にはある。

「一限目、サボるでしょ。食堂で話そ。沙也加もう待ってるから」

 美穂に促され、わたしは食堂へと向かう。美穂が通った道には甘いにおいが漂っていた。もしも、わたしが男なら悶々としてしまいそうな、そんなにおい。

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