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5話 清水小春視点①

時は少し遡って悠太と小春が出会った日の夜


私が不意にぶつかってしまったものの悠太さんは怒ったりしなかったし喫茶店でも私に怒りの感情を向けて来なかった。その事に不思議と安心感を感じていた。


同じ大学だろうし、また会えたりするのかな?

自分の部屋でベットに寝そべりながら小春は考えていた。

「あっ!そういえば連絡先聞いてない!」

喫茶店で勝手に出て行った彼を追う事が出来なかったので呼び止める事も勿論出来てない。

「次もし会う事があれば聞こう!」

小春はそう決心した。


次の日から文学部の小春は大学に通うものの無意識に教室を見渡しては悠太を探していた。

自分の家から電車や徒歩で2時間ほどかかる小春からすれば講義が終わった後に人を探す余裕もない。

大学合格が決まってから人と少しでも慣れようと大学近くのファミレスで働きだした。大学近くだから悠太と会うこともあるんじゃないかと出会ってからは内心期待していたがそんな都合の良い事もないかと思っていた。そこから数日後のこと


「今日も悠太さん大学で見つけられなかったな」

小春はファミレスのロッカーで着替えながら独り言を言う。

別に恋とかそんな事では無い。新入生でまだサークルに所属していないし人見知り属性がある小春にとって面識があって会話した事があるというだけで悠太は安心出来そうな存在だったし、恩人に連絡先を交換言い出せなかった自分に悔いがあるだけ。


今日もファミレスはコーヒー片手にパソコンと厳しい顔しながら向き合うサラリーマンやセーラー服を着た女子高生グループ、忙しなく店内を動く猫型配膳ロボットの音声なんかで騒がしかった。


小春は待機エリアで待っていると食器を下げるようにと合図のランプが光ったのでそこへ向かうとする。


「お済みの皿お下げしま・・・えっ!?」

マニュアル通りに動こうと思った小春は食器を下げたテーブルでここ数日会いたかった人がスマホを触っているのを発見して途中で言葉が詰まってしまう。

スマホから自分へと移した視線と顔で確信する。

彼こそ自分が数日探して会いたかった人だと。

「とっ、とりあえずお済みの皿お下げしますね」

バイト中の為仕事をしないと他の店員に怒られてしまう。話したい気持ちを抑えて食器を持って小走りになる。逃したらもうチャンスは無い、そう思った小春は適当な紙に彼へのメッセージを書く事にした。

残ってくれるかはわからないけど優しい彼ならわかってくれるはず 小春はそう信じて文字を紙に刻んだ。

次回も清水小春視点からお送りします。

24日0時更新予定です。

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