1話
「ところで一つ聞いていいかな?」
「はい!なんでしょう?」
「どうして俺にぶつかってきたわけ?」
彼女は顎に手を当てて考えるフリをする。
「別に言えないことじゃないんですよ。ただ恥ずかしいってだけで!笑いませんか?」
「そう言われてどうしろって言うんだよ?笑わないよ」
「じゃあ・・・入学式が終わって校内歩いてたらお爺ちゃん?みたいな人とぶつかって、ぶつかった拍子にお爺ちゃんの頭の毛が取れちゃったんですよ!で、マズイと思って鞄で顔を隠しながら走ってたら悠太さんにぶつかった という事です」
「つまり君が悪いんじゃないのか?」
彼女はコツンと軽く自分の頭を叩きつつ舌を軽くだして笑った。
「そうですね!」
「そうですね!じゃないだろ 今度もし会ったら謝っておきなよ?髪の毛の悩みは深刻だから」
「機会があればですね!」
悠太はため息交じりに椅子に深く腰かけた。
入学初日からとんでもない女の子と出会ってしまったものだ。
「改めてすいませんでした!」
彼女は改めて深々と椅子に座りながらお辞儀した。
「別にいいよ。もう済んだことだし、また校内で会ったらよろしく」
「はい是非!私で良ければ!」
席を立つ悠太に小春は手を振りながら応えたのだった。
その後は何事もなく電車に乗り、数駅のところで家に着いた悠太は家のソファーに寝そべり天井を見上げた。
「初日から面倒なことにならなきゃいいけど・・」
独り言を言うと入学式の緊張と小春にぶつかられてこけた時の痛みから悠太は静かに眠り始めた。
夢の中で何を見たのかはっきりと思い出せないほどに。
次の日悠太が目覚めるとそこはまだソファーだった。
「はぁあのまま寝てしまったのか、いてて」
昨日とっさにこける寸前で体を捩じった側の手首が軽い痛みを伴って昨日あの子と出会ったことが妄想や夢ではないということを再確認させる。
幸いにも悠太の初講義は3日後で猶予はまだある。
そのころには手首の痛みも消えているだろう。
両親と親戚しか登録されていないスマホの連絡帳にどれぐらい今後知り合いが登録されるのだろう。
悠太は、両親が海外へ旅立ち自分と共に家に残された犬のタロと共に散歩に行くことにするのであった。
久しぶりの執筆なので短いのか長いのかよくわからないまま区切りのいいところで区切って投稿していこうと思います。
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