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神は祟る  作者: 安芸
第四章 愛するということ
22/25

真実

 微妙にタカマと親密さが増しています。

 土牢はずっと奥まで続いていた。

 奥へ進むほど、ゆるやかに傾斜している。いまは水源が枯れたものの、その昔は地下貯水路だったと推測された。

 思ったよりも規模が大きく、深かったが、通気孔があるのだろう、呼吸は苦しくない。

 独房の数も相当数に上った。

 ひとの気配はなく、長いこと使用されていないらしい。湿気とカビと土の臭い。血の気配が濃密に漂うのは、ここで多くの犠牲者が出たことを物語るものだった。

 ハルトオは房をひとつひとつ覗いていった。

 タカマは追手を懸念しながらぴったりとついていった。

 だいぶ経った頃、前方がかすかに明るみを増した。慎重に道を辿り、広い空間に突きあたる。

 ハルトオは腕を真横に伸ばし、立ち止まった。眼を凝らす。ここが当時の貯水池だったに違いない。 奥行きも、穴の深さも申し分ない。

 天井はなく、相当な高みでぽっかりと口をあけている。頭上に星が輝く。外は雪も止み、晴れているようだ。山の地下水を引き込むと同時に雨水を溜めていたのだろう。深さがあるのは氷結対策かもしれない。

 丸太を使った人工階段を見つけた。

 タカマに目配せし、こっちだと促す。真新しい土の足跡がある。ごく最近、ひとの往き来があったのだ。滑落に注意しながら、降りていく。

 地上との距離は、眼測りで三十四メグ、地下七階だ。最下段の先は、岩盤をくりぬいた通路だった。狭い。だがここも、換気はされている。

 よほど緻密な設計のもとに通気孔が配置されているに違いない。しばらく行くと、円盤状の石の扉があった。


「タカマ、動かせるか」

「さがってくれ」

 

 タカマは大きく深呼吸して、気を溜め、右から左へ、一気に押した。

 渾身の力を出し切って、ようやくひとがひとり通れるくらいの隙間ができる。


「やるじゃないか」

「どういたしまして」


 しかしこんな扉があっては、一旦閉じ込められたが最後、女子供は逃げられない。


「この先だ」


 ハルトオは直感した。気が急く。だが、後ろからたしなめられる。


「焦るな」


 どこかから、微かに瀑布の音が聞こえてくる。

 するとここは、神域の滝壺の近くなのか。

 ぎくりとして、立ち止まる。

 なにか、いる。

 禍々しい気配。

 戦慄に見舞われる。

 この先の、尋常じゃない空気の重みに足が竦み、動けない。

 ハルトオの異変に気づき、タカマは強引に前後を入れ替わった。


「どうした」

「なにかいる」

「なにがいる」

「わからない……だけど、恐ろしく穢れたものだ」


 タカマは二本の短刀を鞘から抜いた。自分の武器は没収されたので、牢番から拝借したものだ。山刀も手に入ったのだが、慣れていなければ使い勝手が悪そうで、そちらは断念した。両手にそれぞれ構える。


「見て来る。あなたはここにいろ」

「ひとりでは危ない。一緒に行く」

「……たまにはひとの言うことをおとなしくきいたらどうなのだ。いいから、待っていろ」


 苛立たしげに凄まれて、ハルトオは渋々頷いた。

 タカマは両肘をゆるく折り曲げ、独特の構えで短刀を翳しながら、若干前のめりの姿勢で歩を進めていく。足取りは強靭で、その背に隙はなく、戦風が取り巻いているようだ。

 ハルトオは前方を見据えた。

 闇。

 だが、闇は問題ではない。そこに巣食うものが問題だ。

 常人の眼には見えない、感じ取れないもの。赤黒い汚泥。血と腐敗。死と怨念と狂気。

 それらが混沌として渦巻いている。なによりも、低い音量ではあるが、獣じみた叫びや喚声が地を這うように響いてくる。


「ハルトオ」


 気がつけば、タカマが近くまで戻っていた。


「なにがあった」

「来てくれ。たぶん、ひと、だと思うのだが呼んでも返事がない」


 だがハルトオは自力でその境界を越えられなかった。脂汗が首筋を伝う。先にいったタカマがまた引き返して来た。


「どうした」

「……すまない、空気が悪くて……わあ」


 タカマはひょいとハルトオの足をすくい軽く抱き上げ、難なく一線を越えた。


「あそこだ」


 遠目にはわからなかったが、右手に横穴が二つ、左手は大きめの土牢が連なっていた。

 気味の悪い悲鳴は横穴から聞こえてきて、タカマが指差すのは逆の土牢のひとつだった。

 タカマが角灯を掲げる。小さな灯りに照らされた鉄格子の向こう、蹲っているのは若い娘のようだ。背を伸ばしたまま、正座をしている。

 膝に置かれた手が、闇の中でも白い。


「おろしてくれ」


 タカマは残念そうにハルトオを放した。


「四カ国語で話しかけたが、通じないのだ」

「……四カ国語、って。つまり、全大陸言語を操れるのか」

「六文字名を与えられているんだ、このくらいはなんてことない」


 ハルトオが感心しきってタカマをしげしげと眺めると、タカマは手を振って憮然と応じた。


「そんなことはどうでもいい。とにかく、意志の疎通がならない。どうする。助けるか、放っておくか」

「待て、いま呼び戻す」

「……なにを、どこから」

「その身体には御霊がない」

「神呼びはできないのでは」

「神は関係ない。いいから、黙れ。私に触れるなよ」


 ハルトオは眼を瞑り、合掌し、呼気を整え、その場で跳ねた。

 一度、二度、三度。

 三度目に肉体を離れ、水脈のような光る糸をひいて、件の身体に近づき、そこから伸びる光を目指して追っていった。

 光は割合すぐ近くに留まっていた。

 水底に沈む黒い大蛇神のすぐ傍に寄り添うように。ハルトオがまとわりつくと、驚いたように弾けて、消えた。

 ハルトオが眼を開けるのと、土牢の中の娘が口をきくのにほとんど時差はなかった。


「誰だ」


 威厳の据わった声だった。


「私はハルトオと申します」


 娘は眼を閉じたまま、指摘した。


「腹の中身はどうした。そなたも神の肉を求めてやって来た輩か」

「いいえ。私はひとを探しているのです」

「チャギの地にひとはいない。それを知らぬとあれば、そなた余所者だな」

「ひとはおります。少ないですが」

「チャギの民はひとではない。地上にいるは、ひとの形をした異形だ。そして地下には、ひとの形を失った異形のみ。この(わらわ)のように」


 娘が上体を動かすと、腰から下がくねってあらわになった。かつては足であったものが変形し、蛇の尾のような鱗状のものになっている。

 さっと血相を変えて、タカマがハルトオを引っ張る。

 娘は暗く嗤って言った。


「ひとはおらぬ。()く帰るがよい」

「あなたはどなたです。チャギのことに詳しいようですが、もしマドカ・ツミドカ・クジ神についてなにか御存じであれば、お伺いしたいことがあるのですが」

「聞いてどうする」

「お助けしたいのです」

「手遅れだ。マドカ・ツミドカ・クジ神は祟り神と化した。あれほど黒くなってはもうどうしようもない」

「黒くなっても、生きて坐します」

「そなたは何者ぞ」

「なりそこないの聴き神女です」

「妾はコト。チャギの初代聴き神女である」


 ハルトオとタカマは顔を見合わせた。

 タカマが真面目な調子で言った。


「……初代、というと、ずいぶん長生きだな」

「この身は既にひとに非ず」


 ハルトオは膝をついて、手をついた。


「あなたがマドカ・ツミドカ・クジ神を他神の力をもって封じたチャギの初代聴き神女コト殿ならば、すべての事情をご存じのはず。どうか教えてください。昔、マドカ・ツミドカ・クジ神とサイ及びクラヒ、更にはチャギの里に、いったいなにが起こったのですか」

「知ってどうする」

「マドカ・ツミドカ・クジ神の祟り落としをしたいのです」

「なんと。それは並大抵の気力ではできぬ。この妾とて、できなかった。歴代の聴き神女・聴き神男、いずれも挫けた。アケノさえ力及ばず――なのに、うら若きそなたにできるというのか」

「やってみなければわかりませんが」


 ハルトオは無意識のまま、腹を撫でて言った。


「私は神々に大恩ある身です。お役に立てるならば、労は厭いません。ただ、祟り神となった神をもとに戻すことは本当に容易ではない。私は、マドカ・ツミドカ・クジ神が祟り神となられた経緯も理由もよく知りません。それがわからなければ、落とせるものも落とせないでしょう」

「知れば、後戻りできぬ。それでもよいのか」

「はい」

「そのほうは、どうする。関わり合いになりたくなければ、去ね」


 タカマの答えは簡潔だった。


「聴く」


 コトは呆れたように嘆息した。


「たわけ者ばかりだな」


 タカマは「まったくだ」、とひとり呟いた。


「そなたらはどこまで知っておる」


 ハルトオはシュリから聞いた話の概要を復唱し、大楠で見た映像の一部始終を説明した。

 聞き終えて、コトは一呼吸おいてから話しはじめた。


「口伝は誤っておる。肝心な部分が省かれておるし、マドカ・ツミドカ・クジ神は殺戮などしておらぬ。それに、そなたらが大楠で見た場面には続きがあるのだ」


 コトの表情が憂いのこもったものとなる。


「まずサイだが、サイは選ばなかったのだ。クラヒとマドカ・ツミドカ・クジ神の両方を愛することに決めた。他ならぬ神が、待つと申し出てくれたのでな」

「待つ、ですか」

「そう。クラヒのもとに嫁にいってもよい。ただ、いつまでも待つから自分のもとにも来てほしいとな。サイとクラヒは祝言を上げた。五年が経った頃、娘を授かった。更に五年が過ぎた。クラヒは妻と娘を伴い、マドカ・ツミドカ・クジ神のもとを訪ねた。かの神が落ちた、あの滝壺だ。その日はちょうど一年の収穫を祝う豊穣祭の前夜で、里中が活気づいていた。当時世間を席巻していた流行り病も、チャギの里ではひとりの患者も出てなかった。里では神々への感謝のため、盛大な祝いの宴を用意して翌日に備えていた。そんな中、クラヒは妾が儀式の事前の支度中にやってきた」


 コトは息継ぎをして、続けた。


「あなたのおかげで皆が幸福だ。娘が十四になり、成人した暁には、サイをあなたのもとに送り出そう、とクラヒは言った。神はひとの姿になって、こう応えた。では我はいましばし時を待とう。その娘の成長を見守りながら、と。そのときだった。当時の里長ヤシカが十余名の武装した手勢を連れて、おしかけたのは」


 タカマが押し殺した声で訊いた。


「……なにが起きた」

「これは、あとになってわかったことだが、この日の午後も遅く、ヤシカの妻が産気づいた。ヤシカにとってははじめての子だった。が、死産だった。難産の挙句死産だったため、妻も気落ちし、危篤に陥った。ヤシカは妻も子も諦めきれなかった。そのヤシカの耳に、ちょうど行商で里を訪れていた者がある入れ知恵をした。神の肉は死人を蘇らせ、血はどんな病にも効く、と。ヤシカは跪いてマドカ・ツミドカ・クジ神に懇願した。神は首を振った。死んだ者は返らぬ。ひとが私の血肉を食めば、ひとでなき者と化そう、と」


 先を読んで、タカマが首を竦めた。


「だが、ヤシカは諦めなかった」

「そう。ヤシカは食い下がった挙句、サイとクラヒの娘を人質に取り、二人に神を説得するよう脅した。二人は聞き入れず、ヤシカを宥めようとした。ヤシカは神に矢を向けた。このとき既に気がふれていたのかもしれぬ。矢は放たれ、命中した。神を庇った、サイの胸に。攻撃の手は止まなかった。神に山刀が振るわれた。クラヒが庇い犠牲になった……」


 痛ましそうな声が萎んでいく。ハルトオは大楠で目撃した場面を思い出した。


「神は怒ったでしょうね。守り、慈しんできた民に裏切られたのですから」

「……嵐になった。激しい雨が降り、雷鳴が轟いた。神の心中を具現化したかのように。だが、神はまだ抑えていた。二人の娘が囚われたままだった。そこで神は腕を斬り落とし、娘の身柄と交換を申し出た。ヤシカは腕を拾って逃げた。娘は身の危険を感じた他の者が連れ去った。残されたのは、サイとクラヒの亡骸と、傷ついた神だけ」


 あえて感情を抑え、タカマは先を促した。


「結局、ヤシカの子と妻はどうなったのだ」

「どちらも亡くなった」

「では神の腕は」

「行商が買っていった」

「買った、だと」


 語尾が荒く跳ね上がる。

 コトの声がより低く落ちた。


「悲劇はこれで終わらなかった。間をおかず、サイとクラヒの娘が流行り病に罹った。経緯は不明だが、マドカ・ツミドカ・クジ神の血を舐めて治った。噂は蔓延し、チャギの里には大陸の方々からひとびとが押し寄せた。神は拒まなかった」

「ぞっとするな」

「異形が出たのは、しばらく経ってからだった。はじめ気がふれて、ある日を境に身体が崩れる。生まれてくる子は奇形ばかり。とうとう西の公主の討伐に遭った。チャギの民は不浄の者としてこの山から出ることを禁じられ、チャギの民であることの証にやきごてを捺しつけられた。当時は頬に、いまも足裏に」

「娘はどうなったのです」と、ハルトオ。

「なぜ誰も止めなかった」と、タカマ。


 コトは疲れたように長い息を吐いて、首を回した。


「娘は死んだ。神の血は強すぎる。いっときは身体が活性化されても、長くはもたない。浸食されて、死ぬか、狂うか、異形の身に成り果てる。完全に適合する者なんて、ほんの僅かであろう。この地下はそのために造られた。おかしくなった者は皆ここに収容された。不幸にも血が合えば、恐ろしく延命される。聴こえるだろう、あの声がそうだ。地底の奥底で、いまもまだ這いつくばって生きながらえている。かく言う、妾もその一部だな」


 ハルトオは腑に落ちなかった。


「聴き神女のあなたが、神の血を自ら口にするとは思えません」

「一部始終を目撃した妾は、幽閉され、無理矢理、神の血を喉に流し込まれた。いっとき霊格が上がり、その力でこのソウ山の守護神ハマリ・マダリ・ユダリを呼ぶことができた。妾はマドカ・ツミドカ・クジ神を封じるよう神頼みした。神封じは成された。だが、祟られた」


 コトは鱗状の下半身をくねらせた。


「神を裏切り、害し、食み、売り、拘束した。その罪に加担させた。ハマリ・マダリ・ユダリ神はチャギの一族を祟った。妾は神の声を聴いた。あの天地が割れんばかりの恐ろしい声……」


 ハルトオの身体がぐらりと傾ぐ。タカマは身を屈め、腕を伸ばした。ハルトオは無意識のまま、タカマにしがみつく。


「神は……なんと言われたのですか」

「それほど我らの血肉を欲するならば、死ぬまで食らうがよい、と。絶やしたが最後、狂い死ね、と」


 ハルトオの指と爪がタカマの腕に食い込む。

 顔を見ると、形相が変わっていた。気が動転し、蒼褪めて、いまにも倒れそうだ。


「やがて、奇形でも、女の子が生まれなくなった。余所から連れて来た娘でも、神の血肉を食まなくても、男の子しか生まなかった。チャギの里は廃れていった。長いときが過ぎて、外から里に迷い込んだ二人の娘が、女の子を産んだ。チャギの里は喜びに沸き返った。祟りは落ちたのだと、誰もがそう信じた」

「いいえ。祟りは落とさぬ限り、落ちない。どこまでも断てないものです」

「妾もそう言った。だが既にそのときはこのような異形の身。誰も耳を貸さなかった。チャギは生き延びた。なれど、妾には苦しみが長引いたとしか思えぬ。それから後も、いよいよ女が絶えようかというときに、どこかから娘が迷い込み、女の子を産む。生まれた女の子は穢れた血の里の男の子を孕み、チャギは滅びることなく、罪を重ねていく」


 タカマはぴしゃりと言った。


「罪とは、神の肉の売買を続けていることか」


 ハルトオがびくっとする。

 タカマはハルトオをぎゅっと抱きしめながら、コトに疑念をぶつけた。


「なにかがおかしいと思っていた。こんな山中の辺鄙な里にはすぎた贅沢品に裕福な暮らしぶり。耕作地はないし、希少鉱物でも掘削しているのかと思ったが……くそっ。のうのうと飯を食っていた自分が嫌になる」


 コトは項垂れた。

 タカマは更に問い詰めた。


「闇の売買は終わらない。金ヅルがある限り。誰が元締めだ。里の奴らは、承知の上なのか」

「……そうでなければ、こんな山奥でなにもせずに、豪勢に暮らせるわけがない」

「罪だ」

「大罪だ。露見すれば、チャギは再び断罪されよう。それゆえアケノは、もう随分前から隠蔽工作を図っていた」

「アケノ殿が、なにを企んでいる」


 コトは顔を伏せたまま、告げた。


「神殺し」

「……なんだと」

「すべてを闇に葬るために。アケノはいま一度、このソウ山の守護神ハマリ・マダリ・ユダリを神呼びし、マドカ・ツミドカ・クジ神を殺すように、神頼みするはず」

「殺してどうする。祟りは」

「マドカ・ツミドカ・クジ神は覚醒した。どのみちもう肉は奪えない。だが死ねば奪える」

「神の死肉がなんになる」

「神をも殺す毒に。世間は毒に弱い。より致死力のある毒を欲する者のなんと多いことか。アケノはマドカ・ツミドカ・クジ神の死肉を売って、その大金を持って一族の移住を考えている。新しい土地で、すべて一からやり直すのだと」

「祟りは断てない。どこまでもついてくる。それがわからぬアケノ殿ではないでしょうに」


 ハルトオが顔を上げる。さきほどより、やや落ち着きを取り戻している。


「教えてください。チャギを祟ったのがハマリ・マダリ・ユダリ神ならば、マドカ・ツミドカ・クジ神の負う祟りとは、なんです。私が落とそうと思っている祟りとは、いったいなんなのです」


 コトはそれまでと打って変わった厳かな口調で言った。


「マドカ・ツミドカ・クジ神の祟りは、己が身に向けられている」


 ここにいたって、はじめてコトは瞼を押し上げた。

 眼球がない。眼窩は空で、ただぽっかりと穴があいている。


「サイを、神でありながらひとを愛した我が身を祟ったのだ。そのことがすべての(わざわい)をもたらしたのだと、そう嘆いているのだよ」




 この物語を書いている間、ほとんどはじめて信仰というものについて考えさせられました。が、自分自身は、困った時の神頼み、くらいです。笑。

 いよいよ、最終話間近です。

 あとは、ひと暴れが残っています。

 引き続きよろしくお願いいたします。

 安芸でした。

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