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国際秘密防衛会社 ナミト ミックス スパイ 米国国際情報局秘密組織(AIIBSO)の秘密 第6巻 (MISSION6)  作者: Mac Adason 横山葉月
第5章 ISDCの米国支部奪還とマックの嫉妬
17/21

①マックの嫉妬とジェイムズの新たなる兵器


 アメリカでは、現地時間で午後9時だった。アダソン兄弟は、エージェントたち5人を置いてAIIBSOの本部の、40階建ての全面ミラーガラス張りで北館と南館に分かれた横に長いメインビルの、北館最上階にあるボス部屋に戻った。佐藤夫婦がジェイムズに倒されたボス部屋は、本道にレットカーペットが一面敷かれていた。その先には、赤いカーテン付きのレースカーテンが付いた個室のような部屋があり、そこにジェイムズの書斎机があった。その両側には赤いカーテンとレースがかかったドア窓と白い柱が4つあり、その外はベランダ廊下になっていた。その個室のような部屋とドア窓の隣には、マック用のパソコンがある書斎机があり、さらにその隣に東崎の机があった。また、その他来客用のテーブルと椅子があった。そして左側奥には、アダソン兄弟が所有するおそらく数億円以上しそうなアンティーク調の壺などの美術品が多く置かれていた。ボス部屋の左側の壁には、アメリカンギャングボーイの『謎の部屋』に飾れられていたマックが自分の幻覚、妄想、興奮作用によって描いた少女の『謎の不気味な絵』飾られていた。その絵には、銀のカチューシャをしたピンク色のロングヘアでピンク色の目をした2人の少女と、2人の目に似たピンク色の目の絵が片目ずつ2つ描かれていた。しかし、2人の少女は同一人物であるが、左右で雰囲気が全く異なっていた。微笑んでいる左側の少女に対して、右側の少女は怪しげに髪が風でなびいており、顔から泣いているかのように血を流し不気味に見える。手でその血を拭うかのように口を手で抑えているが、その手と腕、そして服も血まみれになっており、少し困った顔をしていた。また、その血まみれの少女の目とその下にある目の絵は、左側の少女の目とその近くにある目の絵とは全く違い、怪しげな悪に染まるようなギョロ目に変わっていた。そして2人の少女の周りには、まるで幼稚園児が描くような落書きもそれぞれ描かれていた。左側の少女の近くの黒いマーカーやクレヨンで描かれた落書きに対して、右側の少女の近くには赤いマーカーとクレヨンで描かれた落書きがあり、そこから下は斜めに黒いグラデーションがかかっていた。また、左側の少女の後ろには、なぜか赤とオレンジの薔薇が描かれていたが、右側の血まみれの少女と黒いグラデーションの下にはポピーと大麻草が描かれており、不気味な絵だった。その絵の右側の下には金色のプレートに『「光と闇」マック・アダソン 202?年作』と英語で書かれていた。


挿絵(By みてみん)


 ボス部屋の『隣の部屋』でアダソン兄弟がいない間に東崎がマックの指示によって最終段階で開発していた『大麻注射液アルファー型』と『覚醒剤注射液B型』をマックは自らを人体実験被験者として注射器に入れて注入し、東崎はそれを手伝っていた。またさらに、マックはいつものように『大麻タバコ』を『その部屋』で吸い、粉状の『アヘン麻薬』までも、マックが開発した麻薬用医療吸引器具で自らの鼻に吸引していた。東崎は、この時再びマックが麻薬効果によって再び大声を上げて興奮して攻撃してくるのではないかと怖い思いや複雑な思いをしながら、キッド一式を準備してマックにそれを提供していた。


 一方、ジェイムズはボス部屋でそれが終わるのまで2人を待っていた。ようやくマックと東崎は、白衣からスーツに着替えて東崎もポニーテールからロングヘアーに戻してボス部屋に戻ってきた。そして、アダソン兄弟は『謎の不気味な絵』の前で話した。


「マック博士、お疲れ様でした。」


「南君。ありがとう。兄、只今戻りました」


「お疲れ。」


アダソン兄弟は、その次に『謎の不気味な絵』を目にしてさらなる『悪』を成功させようと企みはじめた。

「兄、私のパソコンのセキュリティーソフトで『あの邪魔者5人』のよう様子を見ていましたが、K&Gの構成員らを全員倒してISDCの米国支部を奪還しに行こうとしていることがわりました。」


「『あいつら』生きているのか!だったら、話は早い。ISDCの米国支部に『そいつら』来たら始末だ!」

とマックが言ったが、東崎は


「マック博士!『その5人』とはこの前『アメリカンギャングボーイ』に紛れ込んでいた『ISD関連の5人』ですか?」


「そうだ南君、私たちは『そいつら』のことを言っている。」


「K&Gに行っていたようですが、何をしていたのですか?」


「南君にはこれまで話していなかったが、K&Gをうまく利用してそこの技術を10年にわたって盗み出し、それを悪用して私たちAIIBSOのものにしていた。だがな、これまでにK&Gの奴らには、それを黙っていたが『その5人』が今日紛れ込んでいたので、これを機にK&Gの『リーガン夫妻』を兄が殺してそこから私たちは逃げて、『その5人』が『リーガン夫妻』を殺したと細工をした。」


「しかし、『その5人』は生きていたから、乗っとった『ISDCの米国支部』にこれから誘き寄せそこで『そいつら』を始末する。南君も『そいつら』が始末されるのを私たちと一緒に見に行くが良い!」


「マック博士!ジェイムズ!なんて酷いことを!お願いです!もういい加減『ISDCの米国支部』を返してください!また、『その5人』に手を出さないでください!せめて、この前私の気持ちを聞いてくれた『エージェント5(紀ノ松)』だけには手を出さないでください!」


と東崎は、とうとうアダソン兄弟に向かってその自分の気持ちを言ってしまった。するとマックは、『謎の不気味な絵』と東崎を見て


「南君ちょっと『私が描いた絵』の前に来い!それについて話がある!」


麻薬効果によっていきなり、別人になってしまったかのように声を荒げはじめ、さらには東崎の腕を掴んで乱暴に引っ張って『謎の不気味な絵』がある壁の前に押し倒してしまった。


「ぎゃあー!マック博士何するのですか!」


と東崎は『謎の不気味な絵』がある壁にぶつかり倒れ、座り込んでしまったのだった。一方、ジェイムズは、『謎の不気味な絵』を見て『何かのメッセージ』を改めて受け取ったせいか、マックのその行動を止めようとせず黙って見ているだけだった。


「あれほどこの前私が言ったのに、よくも私以外の奴に私に対する気持ちを言って私を侮辱したことを思い出させたな!南君は私のことが好きだと言っていたはずだ!それなのに、よくも!」


「マック博士、なぜそれがわかるのですか?あの時私は助手部屋にいて、マック博士はアメリカンギャングボーイのボス部屋にいたはずです!」


東崎は一瞬何のことだと思ったが、紀ノ松と話して自分の気持ちをわかってくれた人が現れたのに対して嫉妬しているということがわかり、震えながら言った。


「そんなのどうでもいい!南君の家族や友人、恩師などの大切な人々同様に南君と話した『あいつ(紀ノ松)』なんかにについて行って、『あいつ(紀ノ松)』と結婚までしたら『善』の行いの元になるぞ!南君は私と『あいつ(紀ノ松)』どっちが好きなんだ?」

とマックは麻薬効果により興奮して言った。


「マック博士!私はマック博士のことが好きですが、『今の私の気持ち』を『エージェント5(紀ノ松)』が聞き入れてくれて・・・。お願いです!前も話しましたがもういい加減、私のスマホの連絡機能を戻してください!また『エージェント5(紀ノ松)』や大切な人々には手をださないで・・・。」

と東崎はとうとう泣き出してしまった。するとマックは次の瞬間


「何だと!私に対する気持ちを、他の人に話せると思ったら大間違いだぞ!ふざけるな!私の脳に取り憑いている『妄想世界の神様』もいい加減お怒りで、その南君の態度は『妄想世界の神様』に取っては失礼だぞ!」

マックはそう言いながらこれまで以上に麻薬効果によって『妄想世界の神様』に本当に取り憑かれているかのように興奮し、声を荒げて、座り込んでしまっている東崎をとうとう乱暴に素手で蹴ったり、殴ったりしてまったのだった


「ぎゃあ!マック博士!やめてください!」

東崎は、悲鳴を上げながら泣いてしまっていた。


「私は『あいつ(紀ノ松)』だけは絶対許さない!南君は、『あいつ(紀ノ松)』には絶対、付いて行ったり、2度と関わるな!これから兄に頼んで『あいつ(紀ノ松)』を消し去ってやる!」


「マック博士!ごめんなさい!もうマック博士にしかついていきません!」

と東崎は慌てて震えながら言った。


「わかってくれればいいだけの話だ。」

とマックは急に落ち着いて、元に戻った口調で言いながら東崎の方を優しく抱いて起き上がらせた。東崎は今のは、何だったのかと思っていたが、やはり先ほどマックは麻薬を服用した影響により、自分の気持ちを言ってしまうと興奮して攻撃してしまうことが改めてわかった。


 マックは『謎の不気味な絵』を見て『何かのメッセージ』を受け取ったことにより、東崎が紀ノ松に気持ちを話してしまった影響で、嫉妬を感じてしまっていた。それを理由に次にジェイムズに話をした。


「兄、『あいつら5人』特に『あいつ(紀ノ松)』を始末してください。それに『あいつ(紀ノ松)』に対しては、この前、次会ったら決着をつける約束もしていたと思います。」


この時東崎は、特に紀ノ松だけには手を出さないようにと言いたかったが、怖くてもう言えなかった。


「そうだな。『あいつら5人』にこっちに来てもらおう!特に『あいつ(紀ノ松)』とはまだ続きがあるからな。私にとっても『あいつ(紀ノ松)』は、『善の行い』を貫こうとする奴だからな。私はそういう奴を消し去り、世界一になるために剣を手にした。」


 ジェイムズは、いつもの自作のプログラミングソフトが入ったUSBメモリを出しながら言った。


「『あいつら4人』には、『ISDCの米国支部』にいる私たちの構成員らと遊んでもらい、その間に『あいつ(紀ノ松)』を始末だ。そのためには、まず私が作ったプログラミングソフトで、『あいつら5人』の変装機能をオフにさせて強制ワープさせよう。また、『あいつ(紀ノ松)』を倒すには、私が『ディズかバリー社』と共に開発した『究極の兵器』が必要だ。『究極の兵器』を持ってくるように使用人構成員トップのアリーとアンドレアを呼んで来てくれ。」


「兄、わかりました。『あの兵器』を『あいつ(紀ノ松)』の始末のためにとうとう使うのですね。」

とマックはジェイムズに答えてアリーとアンドレアを呼びに行こうとしたが、


「まさか、ジェイムズが『ディズカバリー社』と開発した『あれ』を・・・。マック博士!ジェイムズ!それで『エージェント5(紀ノ松)』に手を出すのは、やめてください!」

と東崎は再び言ってしまった。


「南君は、どっちの味方だ!いい加減にしろ!こんなことになったのは、南君がその行動をとったせいだぞ!その罰として、南君も、視察しに行っていた兄が『ディズかバリー社』と共に開発した『究極の兵器』をこれから手にする所と、兄が『それ』で『あいつ(紀ノ松)』が始末されるのをよく見ていろ!」

とマックは再び一瞬声を荒げて、東崎の意見を聞かずに一度ボス部屋を出て行ってしまった。東崎は、この時再び何か言いたかったが、マックがそう言いながらボス部から出て行ってしまったため、怖くて言えなかった。そして東崎は、もうここから逃げようとした。しかし、


「南君、弟の命令だぞ!逃げようとしても無駄だ!」


「そんな・・・。」


ジェイムズに監視されてしまい、逃げることができなかった。東崎は、やはりこの時マックについてきたのは失敗だと思ってしまっていた。


 その数分後マックは、ジェイムズの命令通り、アリーとアンドレアの2人を連れてきた。またアリーとアンドレアは、小さな認識装置が付いた1メートルくらいの水色の箱を持って来ていたのだ。その箱の蓋には、英語で『ディズカバリー社』と書かれた黒い書体と『ディズカバリー社』のロゴが描かれてあった。


「兄、『ディズカバリー社』と兄が共に開発しました『兄のための兵器』を持ってきました。」


「ありがとう。」


 東崎は、この時ついにジェイムズがその『兵器』を手にする日が来てしまったと感じ、さらには、マックの嫉妬によってジェイムズが紀ノ松を倒すと思うとショックを感じていた。しかし、東崎はマックの言動が怖く、ジェイムズに監視されてしまっているため、止めることができなかった。そんな中ジェイムズは、箱に付いた認識装置を起動させ、パスワードを入力した。


すると、自動的に蓋が開き、辺りは一瞬光りだした。箱の中には、ジェイムズが『ディズカバリー社』と共に開発したジェイムズのための『新兵器』が入っていた。その『兵器』とは、そう、リーガン夫妻も知らないK&Gでは開発していなかった、水色に光る『究極の剣』だった。


「とうとう、『ディズカバリー社』と共に開発を行った『この剣』を使う時が来た!『究極の剣』よ!今こそ私のパートナーとなれ!南君や弟のためにも一緒に『あいつ』を倒そう。そして今、私は究極のジェイムズと生まれ変わるのだ!」

とジェイムズは、そう言って『究極の剣』を手にしてしまったのだ。そうすると、剣はそれに応えるかのように水色に光りだした。そう、剣はジェイムズを選んだのだ。


 東崎は、とうとうジェイムズが『ディズカバリー社』と共に開発した『究極の剣』を手にしてしまったところを見てしまい、何も言えないまま呆然と見ているしかなかった。


「兄、今までの剣とは違いますね。南君、まさにこの瞬間を見たか?これから兄が、『あいつ(紀ノ松)』を倒しに行くところを一緒に観に行くがいい。」


「わかりました・・・。」

東崎は再び泣きそうな感じで言ってしまっていた。


「さあ、私が作ったプログラミングソフトの出番だ。この剣で『あいつ』ももうおしまいだ。」

そして、ジェイムズは、USBメモリをパソコンにさした。そしてソフトを開き、キーボードを叩いてプログラミングをし始めたのだ。そして、数分後エンターキーを押してしまったのだ。


「行くぞ。」


「兄、行きましょう。」

そしてアダソン兄弟と東崎は、再びISDCの米国支部へとワープした。


 『不気味な絵』のせいかマックは嫉妬を抱き、ジェイムズは『究極の剣』をついに手にし、さらに『悪の道』に進んでしまっていたのだ。そして、東崎はこの後ジェイムズの真新しい『究極の剣』の性能によっての紀ノ松が滅びていく姿を見ることに・・・。紀ノ松は、一体どうなってしまうのか?


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