④リーガン夫妻の最後
一方、その頃アダソン兄弟は、ボス部屋でリーガン夫妻が来るのを待っていた。その間アダソン兄弟は、自分達で開発したセキュリティーソフトを開き再びNMSPのエージェントたちが、紛れ込んでいないかを調べていた。
「兄、調べてみましたところ『いつもの邪魔者の5人』が今武器開発室にいる私たちの構成員に変装して紛れていることがわかりました。」
「弟。報告ありがとう。」
「『あいつら5人』と『リーガン夫妻』は、どうしましょうか?」
「『邪魔なあいつら5人』は、しばらく泳がせよう。『リーガン夫妻』はそろそろ戻ってくる。ちょうどいい機会だ。これを機に『リーガン夫妻』に私たちの本当のことを話して、私が『リーガン夫妻』を殺し『邪魔なあいつら5人』を置いて逃げよう。そうすれば、ここの奴らも『邪魔なあいつら5人』が『リーガン夫妻』を殺したと疑い、『あいつ』らも、『リーガン夫妻』とともにさよならだ。」
「兄、それはいい考えだと思います。ここと付き合ってもう10年経ちましたし、この10年間で十分この組織の技術を盗み出すことができましたので、もう用済みですね。」
「そうだな。もうここは必要ない。」
とアダソン兄弟は、悪巧みをしていたのだ。
「アダソン兄弟さん、ただいま戻りました。」
とリーガン夫妻が言って、ボス部屋に帰ってきた。
「お帰り。」
「お帰りの挨拶も、お前らともう今日で最後だ!」
「我々の本当の目的を教えるが、もうお前らには用済みだ!」
とアダソン兄弟はそれぞれ言い、ジェイムズはリーガン夫妻からもらった剣を出した。
「何!?」
「どういうこと?何で剣を出しているのでしょうか?」
とリーガン夫妻は、アダソン兄弟の態度がいつもと変わったことを不思議に思って驚きながら言った。
「お前らは、今まで我々に『善』の目的で武器の提供をしていたな。だがな、我々の真の目的は、世界一の諜報機関を目指すために、自分達を超える諜報機関が出た場合はそこを壊滅させることだ!そのためにお前らに武器を作らせ、お前らをうまく利用しその技術を盗み出す計画でいたぞ!」
「何!」
「嘘でしょう!?」
「そして、最終的に私たちは世界征服を企んでいる!兄からの命令だ!これからも私たちの武器製造に加われ!」
とマックは言った。
「我々は、『善』のために武器を製造している組織だ!そんな『悪』目的で作るつもりはない!」
「わたしたちを騙していたなんて、酷いです!」
とリーガン夫妻は、そう言ったが
「それなら仕方がない!おかげでお前らの技術を全て盗み我々のものにできた。だからもう死んでもらうしかない!」
とジェイムズは言った。
「ええ!」
リーガン夫妻は、ボス部屋から逃げようとしたがマックが道を塞ぎ、後ろにはジェイムズが剣を持っていたため、完全に挟み撃ちにされてしまった。
「ここから逃げるな!兄の指示を聞いて死ね!」
「お前らも、もうここでさよならだ!」
「ぎゃー!」
「まさか私が伝授した剣で殺されるとは・・・。」
とリーガン夫妻がそう言っているうちに、サッカリンから伝授されたその技術を悪用し、サッカリンからもらった剣でリーガン夫妻を殺してしまい、命を断ち切った。そしてアダソン兄弟の足元にはリーガン夫妻と赤い海が残され、ジェイムズの剣にはその赤い海がポタポタと垂れていた。
「弟、リーガン夫妻を殺した。私たちはここから逃げよう。」
「兄、そうですね。『あいつら』置いて。南君にもこのことを話していない。南君には私たちがいない間AIIBSOの本部の『仮設の麻薬研究室』で、これから私が人体実験被験者として服用する『大麻注射液アルファー型』と『覚醒剤注射液B型』のキッドや服用のための準備をしてくれているはずだ。一度AIIBSOの本部に戻ってから、南君を連れ、再びISDCの米国支部の視察しに行こう。」
アダソン兄弟は、マックのアップルウォッチのワープ機能でエージェントたちを置いてワープ移動してしまった。
その数分後、アダソン兄弟がいなくなってリーガン夫妻の遺体だけが残ったボス部屋にK&Gの構成員が大勢入ってきて
「大変だ!リーガン夫妻が倒れているぞ!」
「一体、誰の仕業だ?」
「きっとアダソン兄弟と一緒に着いてきたあの5人に違いないぞ!」
「きっとそうだ!あの5人の仕業だ!あの5人が殺したに違いない!」
「あの5人を探して、倒そう!」
「そうだそうだ!」
と言って、アダソン兄弟がリーガン夫妻を殺したのにも関わらず、アダソン兄弟のことをすっかり忘れ、エージェントたちは何の罪にもないエージェントたちが殺したと疑って武器を持って探す行動をするようになってしまった。
一方、何も知らないエージェントたちは武器開発室にいたが何かの異変に気づきはじめていた。
「これでやっと武器の回収と、情報収集が終わった。」
「いや、エージェント1〜4!喜ぶのはまだ早い!何でかわからないけどこの部屋の外がさっきから騒がしい!」
「何でだ?」
「言われてみればさっきからそうだ。」
「この部屋の外で何かあったのかな?」
と記ノ松以外のエージェントたちも異変に気づきながら言った。
「一旦この部屋の外に出よう。」
とエージェントたちは、機関銃を出して、恐る恐る武器開発室から出た。するとK&Gの構成員が無条件にいきなり機関銃を持ってエージェントたちに襲ってきたのだ。
「何だ、何だ?」
「何で襲ってくるの?」
「お前たち、そうやってしらばくれても無駄だ!」
「何?」
「リーガン夫妻に何をした!」
「お前ら、本当は何者だ!」
「よくもリーガン夫妻を殺してくれたな!」
「何者でもない!リーガンを殺した記憶なんてない!」
「仕方がない!消えてもらおう!」
「ドドドドドドドドドドドドドドドド・・・!」
エージェントたちは、何が起きているのかさっぱりわからなかったが、うまくよけて
「仕方がない!!こっちも!!」
「ドドドドドドドドドドドドドドドド・・・!」
とエージェントたちは、状況が把握できないまま銃撃戦が始まったのだ。
紀ノ松の狙撃が凄腕のため、紀ノ松以外のエージェントたちは紀ノ松に助けられながらも機関銃でK&Gの構成員を倒しながら、ボス部屋に行けば何かがわかるかもしれないと思いボス部屋へ向かうことにした。すると
「リーガン夫妻が、倒れている!」
「何でだ?」
「アダソン兄弟が、この組織を騙してジェイムズが剣で殺したに違いない!」
と記ノ松は言った。
「なぜそれがわかる?」
と横田が言った。
「見た限りでは、もうアダソン兄弟はこの組織にはいない!きっとまた僕達がいることがわかって、アダソン兄弟は僕達がリーガン夫妻を殺したことにしようとしたに違いない!」
「ええ!」
エージェントたちは、そう言ったが次の瞬間
「いたぞ!」
K&Gの構成員たちは、全くそのことを信じてくれそうにもなく次々とエージェントたちに機関銃で襲いかかってきた。
そんな中でもエージェントたちは、仕方なくK&Gの構成員と銃撃戦が続け、紀ノ松に助けられながらも撃ち続けた。
改めて紀ノ松以外のエージェントたちは、紀ノ松の狙撃に驚き、いったい何者でなぜ、黒い影になれるのか不思議でしょうがなかった。考えが付かなかったのだ。