②AIIBSOの過去とジェイムズの剣の秘密
「AIIBSOの組織案内ビデオをは、これで以上だ。」
「私たち一度、失礼します。」
「後はよろしく頼む。」
「わかりました。」
とリーガン夫妻は、言ってからボス部屋から出てアダソン兄弟は変装しているエージェントたちに次の話に進んだ。
「さてと、君たちにはまだ話していなかったが、AIIBSOとK&おGの関わりとその『本当の理由と目的の関係』の話がある。」
「『私の剣の秘密』と『ISDC』についてもね。」
「わかりました。」
「今から10年前・・・。」
10年前
ビデオの説明通り、AIIBSOの表の顔は諜報機関だった。だが、創立時から裏の顔があり、当初から自分たちを超える諜報機関が存在した場合、その諜報機関を壊滅させるという悪事を働いていたのだ。また、世界を麻薬社会にし、人類を麻痺させ世界征服することも創立当初から裏の顔としてあった。もう既にCIAとNSAなどが存在していたが、自分たちよりも超えていなかったため、当初は世界一だと思っていたのだ。
設立する前日の事だった。ボス部屋で、アダソン兄弟は祝い話をしていた。
「兄、1日早いですが、明日いよいよ『1ヶ月間遅れての創立』ですね。」
「そうだな。弟。創立前に『あんなこと』が起きるとは思わなかったが、なんとか創立できたのも弟のおかげでもある。」
「ありがとうございます。兄。」
「そういえば、弟を『善』から守ったり、『世界一』を目指すために、手に入れようとしていた『剣』がまだ手に入っていない。」
「そうでしたね。早く兄にあった『剣』が見つかるといいですね。」
「そうだな。」
そして次の日は、AIIBSOの本部で盛大な設立式典が行われた。風船も上がり、クラッカーも出て、行進曲も演奏された。しかし、その一方でアダソン兄弟や構成員たちもなぜか当日『その喜び』を感じることができていない時があった。
創立して間もない中、AIIBSOの支部が世界各地の先進国に次々と置かれていった。その一方で、マックは副ボスの仕事や兄とのそのAIIBSOの支部視察と両立させながらロンドンの別荘にある廃墟の倉庫に身を隠して『麻薬』関連の開発を行なっていた。
アダソン兄弟の別荘の向かい側に『何かの会社の跡地のビル』を再利用してフランス支部も置かれた。その日アダソン兄弟は、その支部の配置式典をし、それを終えた後に反対側の別荘のリビングでくつろいでいた時だった。
「ジェイムズ、マックこんにちは。」
「こんにちは。」
入ってきたのは、アダソン兄弟の使用人構成員の最高責任者であるアリー・グランデとアンドレア・アクロイドだった。
「君たちに、創立する前に話していた『AIIBSOと協力できそうな武器製造組織』は見つかったかね?」
「はい。ここから歩いて10分の場所でK&Gという組織です。」
「そこは、『私の剣』も手に入れることもできる所かな?」
「協力得られる場所が見つかりました。」
とアンドレアが持っていたノートパソコンを開いてそのホームページを見せた。そのホームページは、フランス語はもちろん、英語や多国語向けに作られたサイトだった。その武器製造組織の一部に英語でこう書いてあった。
『我々は、ヨーロッパをはじめ世界中の軍や諜報機関に向けてニーズに合わせた剣を作っています・・・。』
「ここならきっと、ジェイムズが探し求めている剣を始めAIIBSOが世界一となれるための武器を作ってくれるでしょう。」
「探してくれてありがとう。」
「これで、一安心だ。」
「どういたしまして。」
しかし、アダソン兄弟はこの時K&Gは『善』のためにしか作っていない武器製造組織だとサイトを見てわかっていた。また、アリーとアンドレアも当然わかっていたが、心の中でお互いAIIBSOは、世界一を目指すのに『悪』として動いているため、K&Gをだまして協力させようと意見が一致していたのだった。
また、アダソン兄弟は、AIIBSOが創立する前に、AIIBSOの武器を作ってくれそうな場所や、ジェイムズの『剣』を手に入れられる場所を探していて、アリーやアンドレアをはじめとする自分達の使用人構成員にも協力が得られる場所を探させていたのだ。しかし、アダソン兄弟は、それ以前に『誰か』によってアダソン兄弟は『武器』を持ってはいけないという決まりや、他の場所と協力して『武器』を作らず自分達で考えるように約束をしていた。だが、アダソン兄弟は『その約束』を破ってしまったのだった。
その次の日に休暇を取り、雨の中パリを散策した。アダソン兄弟は、黒い紳士傘をさして雨が降る中、そのK&Gという武器製造組織に予約を入れて足を運んだ。アダソン兄弟の傘は組織内用と外用に分けて使用している。組織内用には、AIIBSOの文字と、そのロゴ入りである。だが、外用はそれが無く、無地である。また、どちらの傘の持ち手にも職人が1本ずつ丁寧にそれぞれのイメージカラーで名前が書いてある。アダソン兄弟は、AIIBSOのフランス支部から歩いて10分後、アダソン兄弟のパリの別荘顔負けの宮殿のような建物の前に着いた。そう、その建物こそがK&Gの組織だったのだ。
「弟。きっとここですね?」
「そうだな。フランス語と英語で武器密売組織と書いてあるな。」
「門が開いていますので、入りましょう。」
アダソン兄弟は、門をくぐり玄関のチャイムを鳴らした。
ピンポン♪
とチャイムが鳴り終えると中から
「はい。」
と中から声が聞こえた。
「こんにちは。」
「私たちの武器密売組織へようこそ。今日はどのようなご用件でしょうか?」
リーガン夫妻がドアを開けてアダソン兄弟に声をかけた。
「昨日予約していた、アメリカの諜報機関、米国国際情報局秘密組織(AIIBSO)の者です。」
「ようこそ。」
「改めて紹介しよう。この組織の名前は武器密売組織K&G、私はこの組織のボス、サッカリン・リーガンだ。よろしく。」
「私の名前は、アンジェリナ・リーガン。サッカリンの妻。よろしくお願いします。」
「こちらも申し遅れました。私たちはアメリカから来ました、米国国際情報局秘密組織AIIBSOのボスジェイムズ・アダソン。後ろにいるのは、私の弟マック・アダソンです。」
アダソン兄弟と、リーガン夫妻は挨拶として握手しながら言った。
「遠いところからわざわざ、きてくれてありがとう。それで今日の要件は何かね?」
「早速ですが、私たちの諜報機関の武器支援をお願いしてくれませんか?」
「それならお喜んで。」
「これから先、私の組織でよければ、特別に提供しましょう。」
とリーガン夫妻は、それぞれ言った。
「ありがとうございます。」
アダソン兄弟とリーガン夫妻は、中に入った。入ると中もアダソン兄弟のパリの別荘と顔負けで、ステンドグラスやシャンデリアもいくつもあり、とても組織とはいえないほどの豪華な作りだった。そして、リーガン夫妻は、どんな武器を作っていているのかアダソン兄弟を案内しながら説明した。そしてボス部屋について、今後どのような武器を協力して作りたいかを話した。しかし、アダソン兄弟は『悪』として動いていることを一度もリーガン夫妻にしゃべらず、巧妙に騙して話をしていた。リーガン夫妻は、自分達が騙されていることに全く気づかぬまま、ジェイムズの『剣』の話しに入った。
「そういえば、私の剣も作っていただきたいのですが大丈夫ですか?」
「もちろん、作ってあげるよ。」
「夫は独学流の剣の上達方法も教えています。」
「それは、本当ですか?」
「本当だ。だがな、ジェイムズ、私の剣の指導は厳しいがついて来られるか?」
「もちろんです。」
「わかった。これから教えよう。」
こうしてリーガン夫妻は、アダソン兄弟の裏の顔に気付かぬまま武器支援が始まってしまったのだった。また、アダソン兄弟も『誰か』からの『約束』を破ってしまったのだった。
一方ジェイムズは、サッカリンから厳しい指導と講義も受けながら剣の猛特訓をした。しかし、サッカリンから習得した剣の技術や攻略法を悪用した。さらにそこからジェイムズは、AIIBSOのボス部屋にそれを元に自分流の剣の技法を生み出すためのVRプロジェクターによって、剣の特訓ができるシステムを開発して剣の技術を全て自分のものにして、今のようにサッカリンが教えたはずのない剣を巧みに使いこなす強敵になってしまったのだった。リーガン夫妻は、そのことも知らず剣の技法を教えてしまい、ジェイムズ専用の折り畳み式の剣をジェイムズに作り、ジェイムズは『誰か』からの『武器』を持ってはいけない『約束』を破ってしまっていた。
その後もリーガン夫妻はAIIBSOの裏の顔に気付かぬまま武器支援をしてしまったせいで、AIIBSOはより成長していった。また、どんどん世界各地の先進国に置かれて行き、表の顔ではCIAとNSAに並んで有名な諜報機関となった。
しかし、その4年後のことだった。日本の諜報機関組織『国際秘密防衛会社(ISDC)』の諜報機関に属する『レインボーグリーン(RG)』と言う諜報機関で元『国際秘密防衛会社(ISDC)』の幹部構成員だった人がAIIBSOとの関わりがあるのではないかとAIIBSOのことを調べ、AIIBSOに潜入をしはじめていた。それを機に、アダソン兄弟も何者かと調べ、不法侵入として裏の顔の証拠がバレないように『RG』の潜入していたエージェントたちを殺してしてしまったのだ。一方でアダソン兄弟もそれ以降『国際秘密防衛会社』にAIIBSOのエージェント構成員を派遣させて潜入させていた。アダソン兄弟は『国際秘密防衛会社(ISDC)』を調査した結果、『国際秘密防衛会社(ISDC)』の今後のことについてAIIBSOのボス部屋で話していた。また、マックは開発中の大麻タバコを吸いながらジェイムズと話した。
「兄、『国際秘密防衛会社(ISDC)』を調べました結果、実績や武器などの技術が我々AIIBSOよりも上だということがわかりました。これからどうしましょうか?」
「そうだな、私たちは『あの時』に『善』を捨て去ることを決心した。そして自分達を超える諜報機関が存在したら、そこを壊滅させ、乗っ取ると弟と決めていたな。早速今回AIIBSOを上回る諜報機関が現れたのなら、これから『国際秘密防衛会社(ISDC)』を壊滅させて乗っ取り、『国際秘密防衛会社(ISDC)』の本部をAIIBSOの日本支部に変えるとするか。」
「兄、それがいいですね。しかし、『国際秘密防衛会社(ISDC)』も私たちの行動に気づく可能性があります。」
「そういう奴らも現れる可能性があるが、そいつらも消し去ってやろう。」
「そうですね。」
「弟とも『あの時』話したが、『国際秘密防衛会社(ISDC)』を乗っ取り我々AIIBSOの支配下においた後、私は『最高司令官』と名乗り、弟は『副最高司令官』と名乗ることにするか。」
「わかりました。兄、早速そのための行動に移りま。『K&G』には、このことは当面の間黙って、あいつらを利用して技術を全て盗み出してから騙して殺しましょう。」
「弟、そうだな。すでに私の『剣』とその技術も『K&G』から盗み出した。そしてこのボス部屋にはVRプロジェクターで剣のトレーニングができるシステムを開発し、『剣』の技術の修行を行って、その擬似術をそれを私のものに変えて今では無敵になった。いい機会だから『国際秘密防衛会社(ISDC)』を乗っ取る作戦をこれから考えるか。」
「兄、そうしましょう。」
アダソン兄弟は、自分達のAIIBSOよりも『国際秘密防衛会社(ISDC)』の方が優秀な諜報機関だと嫉妬を感じてしまったのだ。こうして今から4年前から、AIIBSOは、創立当初より『国際秘密防衛会社(ISDC)』よりも世界一の諜報機関を目標に掲げるようになったのだ。
一方でマックは、その間の2年にわたっての『麻薬開発』を行い、AIIBSOの裏の顔に存在する組織も設立させた。そう、薬物犯罪組織『アメリカンギャングボーイ』だ。さらに『国際秘密防衛会社(ISDC)』を狙うと決めた年にその敷地内に英国支部を置き、東崎も来てマックの助手側近として働くようになった。英国支部を置いたことにより、AIIBSOがまだ置いていない支部は、日本1か国を残すのみとなり、ついでにISDCの本部を自分たちの日本支部に変えようと企み始めたのだ。そして、最終的には世界を麻薬社会にし、人類を麻痺させ世界征服する企みも続けていくことにした。
「・・・。ということだ。」
エージェントたちは、心の中で、ISDCを狙うようになった真のきっかけや、K&Gを騙していることに衝撃的を感じてしまった。
「私たちの話は以上だ。」
「リーガン夫妻もそろそろ戻ってくると思うから、これから兄と共に、リーガン夫妻にも協力している『本当の理由』ももう話そうと思っている。そうしたら私たちは先にAIIBSOの本部に戻ってから『ISDCの米国支部』に行く。」
「その間、君たちは武器の組み立ての準備や、その荷造りの準備をしてくれ。」
「わかりました。」
「ジェイムズ、マック、そうしてからいきます。」
「よろしくお願いします。」
とエージェントたちは答えた。