②3年ぶりのパリ支部
エージェントたちは、3日間の訓練が終わり、潜入当日の午後15時にワープをした。
フランス支部は、パリの中心部に近く、エッフェル塔も見えていた。ここの支部にある本部ビルは、60階建てだが今までの支部よりも細長いビルだった。右側の20階建て宿泊施設ビルと繋がっており、すぐそばにはもちろん、日の丸国旗とフランス国旗があった。その少し奥の両側は、諜報機関の組織ビルが立ち並んでいた。
「ここが、フランスパリ支部。」
「フランスは、初めてだな。」
「僕もだけ。パリには観光名所もたくさんある。」
「確かに。俺も初めてだ。」
と紀ノ松以外のエージェントたちは初めてパリに来た。しかし紀ノ松だけは、
「わあ、僕にとっては3年ぶりのパリだ。懐かしいな。」
「そうなの?エージェント5?」
「もしかして、エージェント5はSSB時代どこかに潜入するため、ここに来たことがあったの?」
「僕がSSBに採用されてエージェントになってからの記念すべき初ミッションでここにきたことがある。またそのミッション帰りで、パリの観光もしたから、ロンドン同様、パリのこともよく知っている。」
「誰とどこに潜入したの?」
「マルセイユという町で、法律上売ってはいけない野生動物を監禁して、高く売る密猟組織に潜入した。それを阻止して、野生動物を救出して保護するミッションに出ていた。結果は、もちろん成功。前に話した、先輩Iと僕と一緒に採用された6人とね。」
「ひょっとして、その時から先輩エージェントと親しくなったのか?」
「そうだよ。その初ミッションでは、先輩Iが色々教えてくれた。」
「そこでも狙撃したの?」
「新人の6人で遂行したけど、そのうちの僕だけ初ミッションなのに狙撃がすごいと褒められた。実は、僕と僕の同年の何人かと先輩Iは、ヨーロッパ及びユーロ圏担当だったんだ。」
「エージェント5は、すごいな。」
「確かに、エージェント5は凄腕のスナイパーで、優秀なエージェントであることがわかる。」
「そろそろ、中にある秘密入国審査室に入ろう」
エージェントたちは、そう言って中に入ってエレベーターに乗った。この支部の秘密入国審査室は3階にある。
エレベーターで、3階に着くとそこは広々とした部屋だった。目の前は待合室、休憩室と奥には、宿泊施設に行くロビーがあった。右側に個室となって、秘密入国審査室があるのだ。
そこに入ると秘密入国審査員は、3人いた。順番に並び、海外ミッション許可書を見せたが、一度に2か国潜入するため、取り調べが長かった。それが終わると、許可書にはエージェントたち全員、2か国潜入するための専用のハンコが押されたのだ。問題なく入国できてAIIBSOのフランス支部へと向かった。