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帰還した魔王は地球を侵略ス!!  作者: ナイム
異界侵攻

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第2話 侵略会議!《前編》

 そして初めて月面に出てから一週間、月面に出来た侵略拠点と言う名の2~3万の人口を余裕で許容できそうな月面都市。

 俺は都市の設計面に問題ないかを確認して居住を改善、更に店舗スペースを増設して隠蔽結界を発生させる結界塔を建設した。

 他にも都市の名前をこちらに来ている管理職たちに候補を出させ、それを他の配下の者達に投票させて決めた。


 投票の結果『ムーン・ホール』というそこそこ無難な名前に落ち着いた。


 それ以外でも宇宙開発のモデルケースとして募った一般市民にもこちらに来てもらい、今では数万人規模の都市として最低限の機能を発揮できるようになって生活するだけなら問題ない水準まで到達していた。

 他にも細々とした問題をいくつかは片付けることが出来て来たので、ついに本来の計画に着手することが出来るようになった。


「と言う事で、地球侵略について何かいい作戦のある奴は挙手!」


 今現在は地球侵略についての会議として月面都市の中央塔(仮称)の大会議室で主要なメンバーを集めていた。

 その一番目立つ中央の席に座っている議長でもある魔王の俺は早速とばかりに意見を求めた。


「いきなり丸投げですか…」


「失礼な。俺が考えた物も用意してあるけど、他の奴の作戦も聞いた方が楽しいだろ?」


「あぁ…そう言う事ですか。ならいきなり案を求める前に現在の地球の様子や観測データを確認しましょうか」


 そう言ったルージュは用意していた機材を操作すると空中にホログラムの地球が表示され、それぞれの大きな国の場所に現在調べられた情勢・人口・気象状況などが細かく表示されていた。他にもいつの間にか会議室に集まった全員の目の前に参考資料な物が配られていて、俺も目の前に会ったので手に取ってみるとかなりわかりやすく纏められた地球の現状が書かれていた。


「目の前のホログラムだけでは分からない者も多いでしょう。そう言う者達は手元の資料に目を通しながら説明を聞いてください。それでは説明を始めますよ?」


「わかった」


 何故か俺だけに目を向けて確認されたので一応素直に答えて置いた。絶対いまのは俺が理解できないと思って聞いたな?そう思って睨みつけるように見るとルージュは一切こちらを見ずに司会を続行した。


「まず地球の各国の情勢などについてですが、私達が向こうに行ってから地球では20年ほどたっているようですが概ね大きな変化は起きていないようです。ただ以前から続く国家間の水面下での牽制などは続いている事と、大規模な自然災害が幾度か起きているようで地殻などに少し変動が起きているようです」


「それは地上に何か影響はないのか?」


「はい、観測班の者達が言うには変動してから数年は経っているようですが現状影響が出ていないのであれば大丈夫だろうとの事です。念のために変化には注意して観測を続けるように指示を出してあります」


 少し気になって話を遮るように質問してしまったがルージュは怒る事も無く冷静に答えた。

 それにしても国は正直なところ敵になる者がいないのは確定しているので興味がない、なにせ俺達ここに居る奴は全員空爆を受けても無傷で凌げるし?なんなら反射して爆撃機を打ち落とす事も可能だ。

 たださすがに惑星の自然現象までは完全にコントロールする事は俺達でも難しい、だから自然災害が目下の一番の敵と言えるだろう。


「そして次になりますが温暖化がかなり進行している事を確認しました。地上の国々も数か国を除いて深刻に受け止めて対策に乗り出してはいますが、対処療法の様相を脱する事ができていないのが現状のようですね。他にもいくつかの生物が絶滅に瀕している事も確認しております」


「これ…侵略する価値あんまりなくな~い?」


 会議室にいる全員が黙っている中、沈黙を破って人を小馬鹿にしたように間延びした口調の女がそう言った。

 そいつはボンテ―ジ?と言うのか分からないが光沢のある革製のきわどい服を身に着けた紫の髪をした淫魔で、元地球人の転生者で名前は『エルリス』だ。

 こいつは元来の性格に加えて淫魔の性質も加わって少し人を小馬鹿にしたような態度が目立って、簡単に言えば苦手なのだ。

 しかし今は好き嫌いよりも、何とも言えない会議室の空気の改善優先だな。


「言うな。俺も少し思っちゃったから…」


「そうはいっても~必要ありますか?」


「…必要か必要でないかと言われれば、まぁ正直必要ないし魅力もほとんどない。それでも一応俺達にとっての故郷だしな。他にも娯楽とかそう言う面では地球の方が種類が豊富で、もっと言えば微妙に発展している方が何もない星を開拓していくよりは労力が少ないだろ?」


「…数週間でこんな都市を作れるのに?」


「……さて、会議続けるか」


「逃げた~」


「うるさい」


 何を言っても無駄そうなのでエルリスを無視して会議を続けるように俺は言った。決して他に理由がないとか、よくよく考えたらそんなに魅力ないなぁ…とは欠片も思ってはいない!ちょっと会議の時間がもったいないと思ったから強引にでも切る事にしたのだ。


「はぁ…少し逸れてしまいましたが会議を続けさせてもらいます。このように少し地球は魅力的にはかけていますが、すでに適度に発展しているという点はすぐさま居住が可能と言う意味で有用性は高いでしょう。他にも平和ボケとも言えなくもないですが大規模なテーマパークの建設やアイデアでは我々にはない発想と言う点でも少なからず期待は持てるでしょう。他にも現在の地球では有効活用できていない資源も豊富ですので、そう言う現代知識的に無価値の物を大量に手に入れることも可能だと考えています」


「相変わらずルージュ様の説明は説得力が違いますね~」


「わるかったな。俺の説明には説得力がなくて」


 不貞腐れたようにそうは言ってみたが、確かにルージュはこういう説明や交渉などを一手に引き受けているだけあってやり手だ。いままでも向こうの世界を征服するまでは俺の突飛な作戦を周囲に理解されやすいように伝え、占領した国との調停に住人たちへの説得や少数部族との交渉と…めんどくさそうな外交でいつも活躍していた。


 途中からは仕事を任せすぎかな?と俺も不安になって仕事を減らそうかと提案したこともあったのだが『私以外にこの量の仕事を処理できるとでも?』と真顔で言われて何も言えなかった。正直ルージュに抜けられたら今、回っている仕事の3分の1は休止状態になって機能不全を起こしてしまう。それほどまでにルージュが一手に引き受ける仕事の重要性は高かった。


 なんてことを俺が考えている間にも順調に地球の現状について説明がされていて、一応言っておくと俺は前日にある程度確認してきたので聞かなくても問題はない。


「…と言うのが今の地球の情勢や状態です。これを踏まえたうえでいかに侵略、支配下に置くかが今回の議題です」


「はい、と言う事で何か地球に効果的な侵略方法思い浮かぶ奴は挙手!ついでに先に言っておくと単純な武力によるものは禁止だ。面白くないし、地球の戦力に対して武力行使を俺達がしたら1時間で地表が荒野に変わる」


「「「「「確かに…」」」」」


 俺の注意に対して参加している幹部連中は誰1人の例外なく真剣な表情で頷いた。全員が正確に理解しているのだ今の俺達は超越者と言える存在で、簡単に言ってしまえば地球に存在するどんな銃器でも弾いて相手に返せるし、爆弾でも無傷で防げて大陸間を数秒で往復する事も簡単に出来る。

 つまり純粋な地球の人類ではどうやっても俺達には対処できずに侵略が始まって1時間後には陥落している…と言うつまらない結果にしかならないのだ。


「そうは言いますけど~具体的にはどうするんですか?」


「お前やっぱり馬鹿だろ?今それを話し合ってるんだろうが」


「あ、それもそうでしたね~。なら動物を直接魔物にでも変化させるウイルスでも作ればどうですか?」


「お前考えることえげつないな…」


 エルリスの容赦の欠片も無い提案に自分の顔が引きつっているのが分かる。なにせ先程も言ったように俺達は超越者と言える強者だが、そうなる原因となったのは今話題に上った『魔物』と言う魔力を宿している怪物だ。

 研究の結果わかった事だが魔物は倒すと蓄えた魔力を周囲に拡散させる性質を持っていて、その拡散した魔力が体質にもよるが数%程の割合で倒した者の肉体に吸収されることが判明している。


 しかも魔力を多く保有する魔物程より強い体や特殊な能力を持つように、人間も魔力をたくさん吸収する事で肉体・精神・能力すべてが強化されるのだ。普通は魔物程極端な変化はしないのだが俺達は死なないために絶滅させる勢いで狩り続けた。

 その結果は目の前にあるように俺は魔王になったしルージュのように種族が変化した者も多くいて、他にも転生した者達は種族の特徴が強化された。


 とここまで説明したが先程のエルリスの言った作戦のように現実的に地球の生物を魔物に変えることは可能だが、それをした場合どうなるかと言われると『現人類の生存域は半分以下になる可能性が高い』としか言えない。

 なにせ魔物になればただの家畜の牛・豚・鶏ですら一般人なら簡単に屠れる怪物に変化して襲い掛かってくるような状況になる訳で、そんな中でライオンやワニなどの肉食動物はより強靭で凶暴に変化して人間に対して被害をもたらすようになって人類の武器は大口径の銃かミサイルでもなければ基本効力はない。


 ようするにエルリスの提案は『自分達が直接手を下さない、人類滅亡計画』と言ったような内容だった。


「えぇ~だって小難しい話苦手ですし…」


「なら何でこの会議に参加してるんだよ。確かに呼んだけど、参加は任意だって伝えたはずなんだが?」


「それはやることがなくて暇だったので~」


「…はい、次の案ある人~!」


 もう何もめんどくさくなってきたので不満顔のエルリスを無視して他の奴らに意見を求めることにした。そんな俺の対応にエルリスは不貞腐れた様子だし、ルージュも呆れたように頭を抱えているが、何か文句があるなら最低限の話し合いくらいできるようになってから言えと言う話だ。

 何より今まで発言のタイミング逃してたやつらもいい加減に話したそうに見てきているので、そちらの意見を聞きたかったという理由もちゃんとある事だし文句は言わせない。と言う事で他の奴らからはまともな意見が出ることを願うとしますかね。

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