宇宙人(エイリアン)ってパンツ履いてんのかよ!? その7
それから。
俺たちの同居生活は、それはもう波乱の連続だった。
「いや待て待て待て待てッ」
「何?」
「何? じゃねぇよ何してんだよ!!」
「え? だって、服邪魔だし」
帰宅早々、エミがリビングで脱ぎだしたり。
「うわっ!? わ、悪いッ」
「ん? 一緒に入る?」
「入らねぇよ! ていうかなんで電気点けてないんだよ!?」
「えー? だって点けなくてもわかるし」
電気を点けずに風呂に入ろうとしていた全裸のエミと脱衣所で遭遇したり。
「おぉい!? な、なんだよ?」
「へぇー、そんな感じなんだぁ」
「いいから早く閉めろ!」
トイレに入っているところをエミにのぞかれたり。……誰得だよ。
そんなこんなであっという間に時間が過ぎて、ドタバタの一日が幕を閉じた。
そして翌朝。俺は息苦しさと、体に広がる生暖かい感覚で目を覚ました。まさかこの歳で漏らしたわけないよな? と飛び起きると、
「ふごっ!」
およそメインヒロインからしていはいけない汚い声を漏らして、俺の上から下着姿のエミがずり落ちた。
「……」
昨日俺の布団でエミが寝て、俺は冬用の布団を引っ張ってきてリビングで雑魚寝していたのだが、これは一体どういうことだろう。
「うぅん……」
寝返りを打ってあおむけになるエミ。小ぶりなスイカでも入れているのかと錯覚するほど大きなそれが、呼吸にあわせて上下する。
揉むべきだろうか。男として。
それとも布団をかけてやるべきだろうか。紳士として。
対象がエミである時点で後者はあり得ないとして、前者は今後のことを考えるとリスクが大きいような……
「うーむ」
悩みに悩んだ挙句、俺はゆっくりと、それはもう獲物めがけて静かに枝を伝う蛇の如く、右手をぬらぬらと地を這わせてエミの胸へ急行させた。
「ふがっ」
鼻に何か入ったのか、エミは唐突にそんな間の抜けた声を上げて鼻の穴をひくつかせ出す。驚いた俺は肩を外れそうなほどびくりと飛び上がせた。おかげで、すんでのところで理性のブレーキをかけることができた。ターゲットに突き立てようとしていた矛ーーもとい、うずく右手を鞘に納める。
「あっぶねぇ……」
アニメだったらもう少しで地上波では放送できなくなっていたところだ。
それにしても、今回に関しては無防備なエミが悪い。あとでそれとなく注意して、次同じことをしでかしたら、遠慮なく揉みしだいてやることにしよう。