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僕のドラコン

僕は、兄様と姉様とずっと一緒に過ごすようになって、目と身体で知る事の出来る知識は得る事が出来た。


でも、力のセーブが上手く出来ず、天界の色々なものを、爆発させたり、消滅させたり。

それを、姉様がいつも修復してくれてた。


疲れきると、姉様が頭や背中を撫でてくれて

僕は心地好くて眠りにつく。

そんな繰り返しだった。でも

僕はいつも暖かい。

そう感じていた。


「輝龍、これからこの天界から、違う天界、

厳密に言うと、違う訳では無いのだか・・。まぁそんなのはどうでもいい。違う所で暮らす。」

「えっ?どこに?なんで?

僕がいっぱい色んなものを壊すから?

ここにはいられなくなったの?」

「そうではない。そんな心配そうな寂しそうな顔しなくても良い。」

「兄様・・輝龍が虹輝が感情が顔に出るように

なんて、嬉しい事なんでしょう。」

「姉様、僕の心配そうな寂しい気持ちが、そんなに嬉しいの?なんだか、悲しいよ。」

「違うのよ、虹輝。貴方は、今まで感情の意味は知ってても、その感情がどんなものかは、よく判っていなかったじゃない。それが少しずつ判るようになってきてる事が嬉しいのよ」

「ふ~ん。」


「輝龍、兄の手を持て。離すでないぞ。

レイシャ行くぞ。」


僕は兄様の手をギュッ持った瞬間、頭がクラクラして、目を閉じた。閉じたのは一瞬だったのに

開けた時、見えたのは、いつもいた天界ではなく

見た事のない所だった。


「どうだ輝龍。凄いだろ。ここは、俺の世界。

俺の大好きなドラゴンのいる世界。」

「兄様、ドラゴン凄い。格好いい。本物なの?

兄様、触ってもいい?」

僕の体の中を、ワクワクがはち切れそうに流れ出している。


「輝龍、そんなにワクワクして、ドラゴンを見て嬉しいか?」

「嬉しい?・・これが嬉しいの感情なの?

・・・嬉しい。ワクワクです。エヘヘ。」


「そうかそうか。兄もお前が嬉しいと思うなら

連れてきた甲斐がある。兄も嬉しいぞ。

虹輝、ここにいるドラゴンは、本物とも言えるが違うとも言える。ここのドラゴン達は、我が創った。我のドラゴン達だ。」

「兄様の創った兄様のドラゴン。凄い凄い。

なんて凄いの。いいなぁ。兄様、お願いです

僕にも僕のドラコンをつくってください。」

「虹輝、それは出来ない。自分で造るから自分のドラゴンなんだよ。虹輝の為に我が創ったとしても、それは我ので有ってお前のものでは無い。」

僕はなぜか、涙が出た。

「虹輝、ここでしばらく暮らす事にしたのは、

・・創る・・という事を覚える為なんだよ。だから、創ってみるんだ。虹輝のドラゴンを。」

「・・やってみる。」


創造の知識で形はドラゴンには造れるのだが、

どうしても、命を吹き込む事が出来ず壊れてしまう。何度やっても上手く出来ない。

僕は自分にがっかりした。悲しかった。涙が出た


姉様は、そっと指で涙を拭って抱きしめてくれた。

兄様は、何も言わずにその様子を見ていた。


それからも、何回も何回も数え切れない程

造ってみたが、1度も命を吹き込めなくて失敗ばかりで僕には・・創る・・は覚えられないと思い始めていた。

やっぱり僕はダメ・・いらない・・いない方がいい子・・

そんな思いにまた、囚われそうになっていた。


「輝龍さま、初めまして。

私は、ブライデュシアスと申します。デュシとお呼びください。」

「初めまして、デュシさま。」

デュシさまは、とても柔らかくて微笑まれた。

「輝龍、デュシは、創造の神なのだよ。教えを乞うてみては、どうかな?」

「創造の神さまなのですね。僕、ドラゴンがつくりたい。けど、命が吹き込めないのです。何故なのでしょうか?デュシさま。どうすれば・・」


「輝龍様、創造の神には違いありませんが、私は、惑星だとか大地とか、大きい物が専門。生き物は、そんなに得意ではないのです。アル様は

知っておられるではないですか(笑)

それより私よりも、身近に最適の創造の神がおられるではありませんか(笑)」

「身近に?デュシ、どなたの事なのですか?」

「輝龍、少しここで待っていなさい。兄は

デュシと少し話がある」

「はい兄様、待ってます。」



兄様とデュシ様は何やらお話をされているが、僕には聞こえず、兄様の考えも共有出来ない。

これが意識のブロックというものなのだろう。


「輝龍、待たせた。デュシは、大地を造れると言っていただろ。大地を創ったら、つぎは植物を造り始める。そして動物を創る。

デュシは、その全てが兄より優れておる。頼もしい師になるぞ」

「デュシ様、教えて頂けませんか?お願いです。僕、兄様みたいに、自分のドラゴンが欲しいのです。」


デュシ様は、ニッコリと微笑んで

「私がお力になれるかは、判りませんが、一緒にやってみましょうね。輝龍さま。」と仰って

僕のドラコン作りを見て下さる事になった。


何度も繰り返し命を吹き込む所で壊してしまい涙を溜める僕を見てデュシ様は黙って何かを作り始めた。

それは一本の花で、デュシ様がフッと息を吹きかけると、その花は色を付け始めた。

花は淡いピンク、葉は新緑。

そして茎が蔦のように伸びそこにも新しく花が咲き始め、いつの間にかデュシ様が作ったドラゴンのオブジェに絡まって新緑にピンクの花の模様のドラゴンオブジェが出来てしまった。


「デュシ様、凄いです。どうやって軽く息を吹きかけるだけで、こんな事が出来たのですか?」


「輝龍さま。私は、一本の花がどんな風に咲くかを創造してみたのです。新緑の葉、咲き乱れるピンクの花。その途中でオブジェに絡ませたらとか考えちゃいましてね。そしたらオブジェまで作ってしまって。

輝龍さま。命を吹き込む。って作ったものに

息を吹きかける強さ、量は勿論大事なのでが、

その作ったものが、どうしたいのかを想像する事が大事なのです。

そうですねぇ?簡単に言えば

輝龍さまは、ご自分のドラゴンの鱗の色はどうしたいですか?目の色は?身体の大きさ、力の強さは?性別は?」

「う~ん。考えた事、なかった。作ったものに命を吹き込むしか思ってなかった。です。」

「アハハ。生きものを創るのは、ドラゴンであっても、始めからあんなに大きな体の形は必要ありませんよ。生きものは成長しますからね。

私のさっきの花を見ましたよね」

「はい。たった一本があんなに大きくたくさんの花までつけました。」

「そうなんですよ。だから、生きものを造るには、どんな生きものにしたいかが、大事なんです。身体の構造、特徴、寿命、性格を想像して創るんです。でもね、生きものなんで、想像通りに創れたとしても、成長するし、周りの影響も受けるしで、どれも同じものにはならない。個性が出てくるんですよ(笑)」

「デュシ様、でも兄様のドラゴン達は、皆、同じ顔をしてました。性格も穏やかでした。」

「輝龍さま。兄様のドラゴン達も、皆同じではありませんよ。大きさも一頭一頭少し違いますよね。穏やかでも、ほら、あそこで遊んでる二頭」

「あっ、向こうの子は、前だけ見て先へ先へと向かっていかけど、こっちの子は、周り見てばかりでなかなか進もうとしない。わかりました。」


僕は考えた。ドラゴンの体の構造は知っている。黒く輝く鱗、金色の目。寿命は数百年。性格は穏やか。

???穏やか。言葉は分かるが、性格の想像が浮かばない。

「デュシ様、性格が、わかりません。穏やかがいいのですが、言葉はわかるのですが、想像にかえられません。 どうしたら・・」

「輝龍さま。では、体が大きくならない小さいドラゴンをまずは創ってみましょうか。この天界にいる限りは小さいドラゴンなら、性格が無くても扱えますから(笑)」


と言う事で、教わったように色々想像にして

息を吹きかけたのだが、

強すぎたりで、吹く量が多すぎたりなかなか難しい。試行錯誤の末、ようやくドラゴンが出来た。


「出来た~。出来ました。僕のドラコンです。

デュシさま~。兄様~。見てください~」



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