激突!!魔王サルガタナス!
更新遅れ気味ですいません、、、
エング、ロイ達の2組の戦闘が激化している中、ヒイロは魔王サルガタナスと対峙していた。サルガタナスは、老いた白い狼男、ワーウルフのような姿をしている。先ほどまで立っていたが、配下達が戦い始めたのを見て、近くに倒れていた魔物の上に腰を下ろし、ヒイロをみている。
「魔王サルガタナス……魔王や配下は何故、故意に人族を襲う?理由はなんだ?《最後の神判》とやらが関係しているのか?」
ヒイロの問いに、魔王サルガタナスは急に笑い出す。
「くっくっく、おかしな質問をする。お前たちは、食事をするのに理由が必要なのか?腹が減った、飯を食べる。そのほかに理由が必要なのか?」
「なに!?お前たち悪魔は人族を食べるのか……?」
「なんだ知らないのか?正確には、生き物の魂。我ら悪魔はそれが食事だ。まあ、腹を満たすだけなら、獣でも魔物でも構わないがな。ただ、人族の魂の方が色濃く遥かにうまいというだけのこと。特に無垢な魂ほどな。まぁ低位の悪魔……デーモン族はそこまで賢くないから我らのように選り好みはせぬがな。」
「上手いと言うだけで……。この世界は、そこまで人に優しい世界じゃない。人々は皆、日々精一杯生きて、今ある幸せを大切に生きようと努力しているんだ。大人だって……子どもだって……苦しくても一生懸命に生きている者がたくさんいるんだぞ。お前たちが人族を襲わなければ共存の道だって!」
今まで冷静を保っていたヒイロは、魔王を目の前にだんだんと怒りの感情が溢れ出てくる。
「では、お前たちは家畜や獣にそのように同情するのか?それに人族だって、生きるために、獣や家畜を殺して食べるではないか。共存?弱肉強食だって立派な共存だろう。強い種である我々が弱い他種族を糧とする。なんの不自然もない。それに愚かな人族は、些細な違いでしかない他の人族同士で争うこともよくあるではないか?」
「確かに……自分の欲求だけの為に他者を犠牲にする者をいる。だが、ほとんどの人族は……人族は感謝を忘れない。食べ物となってくれた……生きる為に犠牲になってくれた他の生き物に、植物に……」
「ふっ、理由は種族の違いが多少あれど、他者を殺して、命をもらうのは悪魔も人間も変わりない。諦めるしかなかろう。」
「……そうか。なら人は……俺達は生きるために闘う。子ども達や守りたい大切な人達のために、俺はお前達悪魔を倒す。」
「……結局、そういうことだ。生きるために闘う。魔王が生まれ、勇者が生まれ、倒し、倒される。昔からその繰り返し……この世界はその繰り返しで保たれている……。……まぁそれはいいか……では、答えは出たな!生きたくば戦え。そうしなければお前達の明日は……未来はないぞ。」
「いくぞ、ハーデス!」
(ようやく諦めたか……所詮、人と悪魔は相容れぬ。私とて神獣として生まれ変わらなければ、お前と交わることもなかった)
(そうだな……ハーデスは魔神だものな。でも、こうして今は俺の……俺達の力となってくれている。もし、これから先、同じ魔神と言われる存在が出てきたとしても、共に戦ってくれるか?)
(ふっ……同じ魔神と呼ばれる存在でも、私は異なる世界……次元の存在。この世界の魔神がどれほどの者かはわからぬが、私は今、神獣としてお前に力を貸している。多分この先もな」
(ありがとう。)
(……礼など不要だ。それにこの《魔神ハーデス》が力を貸したからには、目の前の矮小な魔王なぞ……一瞬で消し去ってやろう」
ヒイロと同じようにサルガタナスもまた、視線の先で勇者達に倒されていく配下を見ながら、悟るように目を瞑る。
「……やはりな……アイツらも……」
そして、再び目を開けたサルガタナスは目の前に禍々しい杖を出現させ、ゆっくりと立ち上がる。
「ヒイロと言ったか……そろそろ我らも始めるか?」
「あぁ。」
ヒイロが大鎌を横に構え、攻撃を仕掛けようとした時、目の前にいたはずのサルガタナスが、一瞬で姿を消した。間違いなく目の前にいたはずなのに、なんの予兆もなく、完全に気配を見失ってしまった。
「なに!?いつ消えたんだ……目に追えぬほどの早さでも、隠密系スキルや魔法でもここまで気配を消すことは不可能なはず……」
「私はここにいるぞ。」
「!?」
一瞬サルガタナスの声が聞こえた時に気配も一緒に感じ、その方向を見るが、またどこを見ても気配を掴めない。そして、ヒイロの背面から魔法を放たれる。
「《シャドーバインド》」
ヒイロはその瞬間、またサルガタナスの気配を読み取り、後方を振り向き様に飛んで避ける。そして同時に一瞬気配を感じた場所に向けて妖精魔法を放つ。
「妖精魔法 《フェアリーサンダー》」
妖精魔法は何にも当たらず、そのまま壁に直撃し、大きな爆発と共に、ヒイロはまたサルガタナスを見失なう。
「これは速さなんかじゃない…。魔王サルガタナスは本当に姿を消すことができるのか?」
「もう理解したか?でも、理解したところで我が能力はどうすることも出来ぬ。さぁ見えない恐怖に打ちひしがれろ」
(……何を手間取っているヒイロよ……今のお前には、状態異常の類いは一切効かない。そして奴は、姿形、気配どころか存在自体もこの場にはない。……空間魔法の一種だろう。我が神具 《アダマスの鎌》は、事象の断絶この場にもう一つの別空間があるのなら、それごと奴を切り捨ててしまえ。)
「……そうか!?神具 《アダマスの鎌》よ、この場にある目に見えぬ別空間を切り捨てよ!」
《アダマスの鎌》が、サルガタナスの空間魔法を斬り払われ、見えなかったはずのサルガタナスがヒイロの目の前に現れる。
「なんだ!?何故だ!何故私の魔法がとける!?」
サルガタナスの姿を見たヒイロは、そのままサルガタナスを切りつけていく。もう一度空間魔法を使おうとするサルガタナスだったが、ヒイロに唱える隙を与えてもらえず、防戦一方となる。
「何故だ……だが、まだだ!もう一つの我が能力で苦しめ 《暗黒魔眼》。貴様はこれから、全ての状態異常に苦しむのだ。」
ヒイロの攻撃を避けながらも。サルガタナスの額に3つ目の眼が開き、サルガタナスは勝ち誇った笑みを浮かべる。だが、目があったはずのヒイロの身体には何事も変化はなく、そのままサルガタナスへと迫る。
「……残念だったな。今の俺に状態異の類は全て効かないらしい!もう諦めろ。俺はお前を許さない。犠牲になった子どもたちの……人々の報いをうけろ!全てを飲み込め、《ブラックホール》」
サルガタナスの頭上に暗黒の空間が現れる。その空間はサルガタナスの空間魔法とは、別次元のレベルであり、サルガタナスはなす術なく、その場にあった空気すらも、全ての存在が抉り取られるかのように暗黒の空間へと飲み込まれていく。
「ば、バカな!?わたしは魔王だぞ。」
「相手が悪かったな。同じ魔が付く存在でも別格だったらしい……あきらめろ。」
ハーデスの奥義 《ブラックホール》に飲み込まれた魔王サルガタナスは、跡形もなく消し去った。
「あの魔王がこんな簡単に……。さすがに神獣の上位となってくると、また段違いの強さになってくるな……そして当然その分魔力も……キツイな」
ヒイロは《神獣合体》を解除し、その場に座り込む。そして、そのヒイロの所へロイとアルト達が加勢に来る。
「ヒイロさん!加勢に来ました!!」
ボロボロの姿をしたロイが聖剣を構えながら、周りを警戒する。だが、周りを見渡し、座ってくつろいでいるヒイロをもう一度見る。
「……って、ヒイロさん……もしかして一人で魔王を倒したのですか?」
「あぁ、今回は相性が良かった。」
そのヒイロとロイのの様子に、後からきたアルト達はすぐに状況を理解したのか、呆れながら笑う。
「ま、ヒイロ兄あるあるだな。」
「……うん、さすがヒイロ兄……」
「私はもう疲れて戦えなかったからラッキー!」
「もうさ、ヒイロ兄が魔王で良いんじゃん!」
「アホか、エイス!」
そこにしたエングも合流する。
「すまない……遅くなった!!……ん、なんと!?一人で魔王を倒してしまったのか?」
エングが来たことで立ち上がるヒイロ。
「たまたま相性が良い相手でした。皆さんも無事なら前方にいるエメルさん達に合流しましょう。」
スタンピードを真正面から止めていたエメル達も、なんとか生きて、持ち堪えていた。
「無理をするな。食い止めるだけでいい!」
「怪我したものはすぐに下がって、回復をしてもらえ!」
エメルとライス、A、Bランクの冒険者達はギリギリになりながらもスタンピードを完全に食い止めていた。そしてヒイロ達が合流する頃には、残りの魔物の数がある程度、計算できるほどにまで減っていた。
「《ホーリークロス》!」
「《フレイムカノン》!」
「《フェアリーストーン》!」
魔物達の後方からヒイロ達が加勢し、一気に残りの魔物を倒していく。その様子を見て、エメルは残していた魔力を全てゴーレム達に降り注ぐ。
「いまだ、みんなー!ゴーレム達と一緒に、一気に押しつぶせー!」
魔力を注がれた数十にもなるゴーレムが、次々とパワーアップし、魔物達を圧倒していく。そして、エメルの号令に冒険者達も、ゴーレムと一緒に最後の力を振り絞るように勢いを増していく。そして、エングやアルト、エイスなども次々に加勢していき、ようやくスタンピードを終息させることが出来たのだった。
「ヒイロ、魔王は倒せたの?」
「はい!魔王もその配下も全て倒しました!」
エメルと一緒に話を聞いたライスが大声で勝鬨を上げる。
「よぉし!お前達、俺たちの勝利だぁー!」
頑張ります




