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激突!2体の魔王配下!

 ダンジョン内に侵入した3人は、警戒をしながら順調に進んでいく。出てくる魔物はSランクのドラゴンゾンビの他、ギガントゴーレムやクリスタルゴーレムを中心にゴーレム系が多かった。


「ドラゴンはまだ良いけど、ゴーレム系は私の魔法と相性が悪いわね。」


「そんなことないですよ。シルフさんが魔法で動きを止めてくれるので、こっちは攻撃するだけで簡単に倒せてます!」


「ロイ、その聖剣デュランダルとやらの使い心地はどうなんだ?」


「すごく手に馴染んで使いやすいです。硬いはずのギガントゴーレムでさえ、簡単に切れてしまいます。あと聖剣というだけあって、ドラゴンゾンビに対して、攻撃力が補正されているみたいですね!」


「聖剣というからには、死霊系の他にも、きっと悪魔、魔王に対しても補正が入るのかもな。」


「ねぇヒイロ、前のダンジョンの時には、地下何階まであったの?」


「確か18階までありました!その時はグランさんと2人で、さらに魔物の数も今の倍はいましたから、進むだけでもかなり大変でしたよ。」


「雷帝グランさんですね。僕も早くお会いしてみたいです。ものすごい雷魔法を使うんですよね?ヒイロさんの、その妖精魔法よりも強力なんですか?」


「あぁ。特にグランさんが本気を出した時の神雷魔法というやつは、俺の魔法とは比べものにならないほど威力だった。」


「……凄まじいですね。僕も勇者の固有魔法を使えるのですが、まだ超級程度の威力しかないです。剣技もまだヒイロさんに及ばないですし、まだまだ修行が足りないです」


「大丈夫……まだ見習いなんだから無理しなくていい。ヒイロは少し異常だ。ロイはその若さで、Sランク冒険者に慣れる実力はあると思う。まだまだ発展途上で、その力もこれからもっと必要になる時が来るからそれまでは地道に努力すればいい」


「……ありがとうございます。」


 ヒイロ達は話しながらも順調に進み、地下10階層のボス部屋の前に到着する。ヒイロは念のため、《神獣召喚》で《大地神タイタン》を呼びだし、《神獣合体》を行う。先程までのラフな服装から、全身茶色フルプレートの鎧に身を包み、大きなバトルアックスを持った姿となった。


(ヒイロよ、我が能力は物理攻撃に対する耐性と物理攻撃特化、そして我が神具は《パラシュの戦斧》は、大地属性特化……そこら辺におるゴーレムなど砂遊びみたいなものだ)


(ありがとう)


「これがヒイロさんの《神降ろし》……妖精魔法や特殊な魔法だけでもすごいのに、さらに……」


「……本当にヒイロは何者なんだ?」


 3人が地下10階層のフロアボスがいると思われる部屋に入ると、そこにいたのは自我を失ったドラゴン3体とSSSランクに指定されているアダマンタイトゴーレムだった。アダマントゴーレムは硬いゴーレム種の中でも最硬度の硬さを誇る魔物だった。さらにドラゴンも自我を失ってはいるが、ドラゴン族でもSSランクの若龍カラードラゴンの上位種にあたるSSSランクの成龍グレイトドラゴンだった。


「2人でドラゴン3体頼みます。ゴーレムの方は俺が倒します。」


「わかったわ。ロイ、行くわよ!重力魔法 《グラビティフィールド》!」


 シルフの魔法により、グレイトドラゴン3体に高重力がかかり、ドラゴン達は数秒間身動きが取れない状態になる。ロイは、一番近くにいたグレイトドラゴンに対し、勇者の固有剣技を続け様に放っていく。


「いきます!!《ブレイブソード》!!《ホーリークロス》!!》


ロイの連続攻撃で1体のグレイトドラゴンが倒したものの、残りの2体は、シルフの魔法から抜け出し、そのままロイへと襲いかかる。左右からドラゴンに、技を放ったばかりのロイは避けられず、身を守る事で精一杯だった。


「ロイ!何とか1匹だけ、食い止めろ!その隙に私がもう1匹を倒す。重力魔法 《グラビティシールド》!重力魔法 《グラビティソード》」


 ロイは、その言葉を聞き、瞬時に片方のドラゴンと向き合い、防御体制を取る事で、致命傷にもならず、ダメージを受け切ることができた。


 そして、もう片方もシルフの防御魔法により、ロイに襲いかかるように牙を剥き出しにした突っ込んで来たが、直前で重力の壁が現れ、避けきれず頭からぶつかると、そのまま地面へと頭から叩きつけられる。さらにシルフは左手に形成した魔法で作り出した重力の剣でそのまま、そのドラゴンの首を落とす。


「ロイ、大丈夫?」


「あ、ありがとうございます!少し油断をしてしまったような気がします。」


「そうね。最後まで気を抜いちゃダメよ。さぁ残る1匹もトドメを刺すわよ」


 ロイとシルフは、その後も残りの1匹も危なげなく倒す。


「中々やるじゃない、グレイトドラゴンの龍鱗も相当の硬さなのに」


「多分……この聖剣のおかげだと思います。きっと勇者の固有スキルもこの聖剣によって威力が強化されているのだと……。」


「なるほどね、じゃあヒイロの方に加勢するわよ」


 その頃、ヒイロとSSSランクのアダマンタイトゴーレムの戦いも決着が付くところだった。


(ヒイロ、我の奥義は《メガクエイク》だが、見たところダンジョン内だろう。ここでは使わぬ方が身の為だぞ)


(わかった。ありがとう、タイタン。この程度の相手ならなら使わなくて大丈夫だと思う)


 ヒイロは、アダマンタイトゴーレムの攻撃を全てタイタンの鎧で受けながら、心の中で《神獣タイタン》と語り合っていた。そしてその話が終わるころ、いくら攻撃しても傷一つ負わないヒイロに対し、アダマンタイトゴーレムは渾身の一撃であり、自然界の鉱物の中でも最硬度を誇る自身の身体から精製した特大の《ストーンキャノン》を放つ。


 タイタンとの話が終わったヒイロは、目の前にきた特大の《ストーンキャノン》を片手で受け止めて弾く。そしてそのままタイタンの神具である《パラシュの戦斧》を大きく振りかぶって飛び上がり、アダマンタイトゴーレムの頭上から袈裟斬りのもと、一撃で両断してしまった。


「いくら同じ土属性でも、すごい防御力と切れ味だ……」


 ヒイロは、自身の装備している鎧とバトルアックスを交互に見ながら感心していた。だが、それよりもさらに驚愕していたのは、もちろんシルフとロイであった。


「あのゴーレムを一撃で……それもあれだけ攻撃を受けていて無傷だなんて……」


「流石にすごいわね……」


 こうしてヒイロ達は、地下10階のフロアボスを簡単に攻略してしまったのだが、その様子をダンジョンの奥から、モニターのような映像で眺めている2つの影があった。


「ほぅ、我らのダンジョンで暴れている者どもがおりますね」


「あぁ、それも1人は勇者の気配がする。」


「確かにそうですね……これは魔王様に良い土産となりますね。」


 ヒイロ達は、その後もダンジョンの地下11階以降を順調に進み、そのまま地下15階を攻略していた時、ボス部屋を発見する。


「10階ごとにあるはずのボスの部屋がここにあるということは……ここが本命の部屋ですか?。」


「多分。シルフさん、確実ではありませんが入る前に万全の状態にしていったほうが良いと思います。」


「そうしよう。」


 ヒイロ達は、アイテムを使い全回復をすると、ボス部屋に入った。その部屋の中は広く、別空間のように天井が青い空となっており、荒野のようになっていた。そして広い空間の真ん中には、2体の悪魔らしき者が並んで立っていた。


「ようこそ、我らがダンジョンへ」


「もしかして、あなた方の中には、勇者様がいらっしゃいますか?」


「僕が勇者だ!」


「ちっなんだ、まだガキか。」


「率直に聞く。お前達のどちらかは魔王か?それともグラシャラボラスと同じ、その配下か?」


「ほう、貴様……奴を知っているのか。そうとも我々はグラシャラボラスと同じ、偉大なるネビロス大魔王様が配下、アイペロス。」


「ナベロスです。では、其方が我が同胞を消してくれた者ですか?勇者でも無い貴方のような人族に、あの武闘派のグラシャラボラスがやられるとは……だから、あれほど先に一人で暴れるなと忠告したのに」


 丁寧な口調のナベロスと言う悪魔は、犬の頭が3つとカラスのような黒い大きな鳥の身体をしていた。そしてアイペロスは、ライオンの立髪と体をしたガチョウのような頭をしていた。


「魔王ネビロスはどこにいる?まだ復活していないのか?」


「ネビロス様は、もう少しで復活されるであろう。そして、ネビロス様以外の魔王様達もな。」


「喜べ!もうすぐ、世界は魔王様達によって新しく再生される!」


「そんな……。そんなことはさせない!」


「まぁ……そんなに怒るな。とりあえずお前達はここで死ぬんだ。」


「お前がな……行くぞ、ロイ、シルフさん!」


「はい!」

「あぁ!」


「さぁ我の相手は誰かな?ドラゴンは少なくなったがそれでも、手駒はまだまだ揃っているぞ。」


 ナベロスの周りにいくつもの魔法陣が現れると、そこから大量の魔物が出てきた。自我を失ったドラゴン同様、全ての魔物の目が暗く濁っていた。


「ヒイロさん、アイツです!」


「あぁ……ナベロスとか言う奴がドラゴンを操っていた正体みたいだな」


「よし、これで龍王様にも報告できるわね」


 もう一体のアイペロスの方は、身体中にアダマンタイトを含めた様々鉱石がどんどんぶつかり、くっついていく。そして、さらにアイペロスから透明な液体が出て、鉱石の隙間に固まり、巨大なゴーレムへとなっていった。


「こっちのゴーレムは俺がやります!二人は、そっちを頼みます。」


「わかった!ロイ、数は多いけど雑魚ばかりだわ!私が大きいのをやっていくから、他お願い!」


「わかりました!《ブレイブソォード》!!」


「重力魔法 《グラビティボール》!」


 ロイが聖剣デュランダルに聖気を流し、オークやソードタイガー、オーガなどを次々と切り倒していく。


 またシルフの魔法も手のひらほどの黒い球体だったが、魔物に少しでも触れると、反発するかのように強力な反重力で弾き返され、幾つもの魔物が壁に叩きつけられていった。


「……なるほど……厄介なのは勇者だけでは無いようですね……まぁ良いでしょう、さぁどんどん行きますよ!」

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