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我はすーぱーぷりちーシヴァ様じゃあ!

 久しぶりにヒイロは、魔物の森の奥深くまで来ていた。本来Eランクの冒険者が一人で来れる場所ではないが、ヒイロにとってはあまり関係なく、クエスト受注は出来ないものの、Bランクの魔物も問題なく倒していた。今回は、今まで試してなかった2つ目の加護、神獣召喚を試すため、誰にも見られないよう一人でやってきたのだ。


「さてと、ここまで来れば誰かに見られることもないだろう。とりあえず今回は、神獣の中でも1番弱い?らしい《神獣シヴァ》を召喚してみようか。」


 とりあえずヒイロは、魔法と同じ要領で試してみる。


「念のため、魔力を最大限までためて……と」


 魔力が身体中に充満したのを感じるヒイロは加護を意識して自分なりに唱える。


「いでよ、神獣シヴァ!!……って、これでいいのか??」


 ヒイロが首を傾げていると、あたりが急に寒くなり、ヒイロの目の前に空間の裂け目のようなものが出現し、その裂け目が広がると《神獣シヴァ》と思われる、白銀の尻尾と狼の耳を持った、薄い青色の着物を着た雪のように白い美しい少女が現れる。そして周りを見渡し、再びヒイロを見ると口を開く。


「お主が日下部……いや、ヒイロじゃったかの……。それより敵はどこじゃ?」


 やる気満々のシヴァを見てヒイロは、少しまずいと思いながらもシヴァの問いに恐る恐る答える。


「……ごめんなさい、敵……いません!」


「なっ、なんじゃと!?じゃあなんで、我を呼び出したのじゃ!?長い間待たされて、初めて召喚されたというのに!!大切な初体験が……初夜が……活躍なしじゃと!?」


「え、えーとなんか色々言葉が間違っているような……でも、ごめんなさい!!シヴァ……さん?こっちも初めてだったので、どんな感じかなぁと思って、試しに呼んじゃいました」


 ヒイロは、頭をかきながらてへぺろで、ごまかそうとしたがシヴァは、初めての登場をかなり楽しみにしていたらしく相当落ち込んでいた。


「……試しにじゃと……お主……良い度胸をしておるのう。せっかくの初体験……我のちょーぜつミラクルな活躍はどうしてくれるのじゃ?」


「ごめんなさい!!ん~、じゃあ、とりあえず……色々教えてくれませんか……シヴァさん!いやシヴァ様……シヴァ師匠!!」


「師匠!?……仕方ない、可愛い弟子の願いじゃしな。それにあやつらとも協力すると約束をてしまったしの……ヒイロと言ったな、良いじゃろう。何が知りたいのじゃ?」


 そう、神獣シヴァは、チョロかった。


「……まずは……神獣とはどんな存在なのですか?そして神獣召喚として呼べる時間はどれぐらいなのですか?一度に一柱ずつしか呼べないと言われたので、ならば連続して呼べるのですか?……シヴァ師匠!!」


 とりあえずヒイロは素直に疑問に思っていたことを次々と聞いていく。そしてシヴァもまた師匠と呼ばれご機嫌で答える。


「ふむ、まず我らは神獣としてお主に協力することになっているが、実際は神の一柱じゃ。お主が契約した神、シュタイやマリアモンテと同じじゃな。ただ聞いたかもしれんが、神は他の神が創世した世界に直接関わることは出来ぬ。お主の力……魔力を借りて、この世界に神ではなく、神獣として顕現することで全てではないが力の一部を貸せるようになったのじゃ。」


「なるほど……それで神獣召喚……」



「そう、つまり一部と言っても神の力じゃ。それを魔力で顕現する。そのため問題はお主の魔力量じゃな。神獣として我らを召喚してる間、つねにお主の魔力は大幅に消費し続ける。神シュタイの当初の話では、我でさえ5分から10分だろうと言われていた。だが、我らの想像以上にお主の魔力は増えておるようじゃし、1時間ぐらいは持つじゃろう。まぁ上位の神になればなるほど、魔力の消費量も増えるからな。まぁ難しいかもしれんがこれからさらに魔力量が大幅に上がるようなら一柱だけでなくニ柱も呼べるかもしれんがな……まぁ後は何か神の力に耐えうる依代よりしろがあると消費量も変わってくるやもしれんがな」


「……なるほど。召喚時間は俺の魔力量に比例するのか。なんだかんだまだ魔力は伸び続けているから、とりあえずは大丈夫か……それに依代ね、それはいい考えかも……」


 ヒイロは、シヴァに他の神獣の特徴などを聞きながら、少し自信があった自分の魔力量が、何にもしていなくてもどんどん減っていくのを感じていた。


 すると突然、召喚と同時に使っていた索敵スキルに反応があった。索敵反応があった方の空を見上げると、Aランクの魔物の中でも、空を飛んでおり、最も狩りづらく厄介なワイバーンの群れだった。見た限りでも5、6頭の群れでこっちに向かってきている。ヒイロは舌打ちをしながら考えていた。


「ちっ、めんどくさいのに見つかった。アイツらしつこいわ、狩りづらいわ。今日は弓も持ってきてないし、かなり魔力も消費してるから、強力な魔法も無駄に使えない……どうにか逃げ切れるか……」


 そんなヒイロにシヴァをドヤ顔で話しかける。


「なんじゃお主、我のことを忘れてないか?せっかく都合よく見せ場が来てくれたのだから、我の、氷神シヴァの神獣としての力を見せてやってもよいのだぞ??」

 

「ほんとですか!?アイツらあぁ見えて亜竜とも言われていて、魔法耐性も強いんですけど……」


「まぁ、見ておれよ。お主に神の力を見せてやろうぞ」


 氷神シヴァが上空に上がり、魔力を溜めはじめた。そして同時にヒイロの魔力も急激に吸い取られるかのように減っていく。


 辺り一帯の気温がさらに下がり始めたかと思うと、シヴァが叫ぶ。


「神の力……とくと見よ……《極界零度》」


 シヴァが、叫ぶと同時に凄まじい魔力が放たれ、辺り一帯が一瞬でワイバーンはおろか、木も草も川も……全て凍ってしまった。


 その凄まじい威力にヒイロは呆然としていた。


「す、すごい……。」


 ヒイロの様子に満足したのか、シヴァは反り返りそうになるくらい胸を張りながらドヤ顔で話す。


「まぁこんなものじゃ。これでもまだ本気じゃないぞ。どうだ!びびったじゃろ!?」


「確かに……。これなら1時間……いや、10分でも、消費した魔力量以上のお釣りがくる。でも……、もう限界に近い……魔力回復の薬は常備必要としても、強力すぎて人や街中では使えないし、奥の手として出来るだけ温存しとくしかないか……」


 ぶつぶつと呟きながら考え込むヒイロをよそにシヴァは満足した後はすぐに飽きたのか、


「では、そろそろ我の出番は終わりじゃな!まぁピンチの時はいつでも呼べ!我が弟子よ!!」


「師匠ありがとうございます!!これからよろしくお願いします!!」


「うむうむ。それじゃぁの」


 そう言ってシヴァが異空間に戻っていった途端、魔力消費もなくなった。たった一時間ぐらいだったが、ヒイロの魔力のほとんどが消費されていた。


(一時間は一時間でも、あの奥義みたいのを連発されると30分も持たないだろうな……)


「さてと……ワイバーンはストレージボックスに入れるとして、氷は当分消えそうにないかぁ。まぁ自然現象って事で、誰かに見られる前に帰ろうっと」


 ヒイロは残り少ない魔力を使い、森の入り口付近に転移し、これからの神獣召喚の使い方を考えながら森の家に帰っていった。

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