黙して語らない騎士、危機。
私がお祭りの後、爆睡をかましキラさんと家路に着いた翌日・・。
休みだった事もあって、キラさんに朝一番で抱きしめられ、まぁ、色々あって・・。随分、頑張ってくれてたし、色々我慢してたし、甘えたいのであろう・・という事にした。
さらに翌日。
ラフさんと、リルケさんが付き合う事になったと、ラフさんが詰所前で、そっと教えてくれた。え?!!イベント効果すごいな!!!しかもキラさんのおかげらしい。え?いつの間に!!?
幸せそうな顔を見るのは最高だ。
私はそれは喜んだ。ものすごく嬉しい!照れくさい顔をして教えてくれるラフさんにもちょっと萌えた。私は、朝一番にいい事聞いた〜!!!と、ルンルンで出勤した。
は・・・、そういえば団長さん・・・どうしたろ・・。
祭りでバタバタしていて、一緒に行動はさせたけど、進展のきっかけは何も作れなかった。
あーー、どうしたかな・・。
ちょっとドキドキしつつ、執務室を開けると、すぐそばのソファーにニルギさんが座って私を見るなり手招きしている。
「・・・ええと、おはようございます。どうしました?」
そっと小声で思わず挨拶して、近付く。
団長さんはまだ執務室にいなかった・・・。珍しいな。
「ナルのおかげで、異界人を見つけたら今度は俺が結婚する事になった」
「え??!!!どういう理由で・・」
と、外の窓を指差すので、窓の外を見ると驚いた。
団長さんとルーナさんが、宿舎前で話している。なんなら仲良さげに話してる!!!!
「いつの間に・・・・・??!!!!!」
思わずニルギさんに食いついた。
「・・・・なんでも、ウルキラが焚きつけたらしいぞ」
「え?!!!まさかここでもキラさん!!??」
「ミラファ殿もか・・。あいつ、やればできる子なんだな・・・」
「すごい親バカな顔になってますが、概ね同意見です。ええ〜〜・・・、キラさん本当いつの間に・・」
私達は、驚きつつも・・団長さんやラフさんの嬉しそうな顔を見ると、やっぱり嬉しい。
「・・・・今度、お祝いでも贈ってやるか」
「そうですね・・」
私とニルギさんが微笑み合う。
そうして、ライ君とフランさんが同時に出勤してくると、慌てて団長さんとラフさんの話をするので思わず笑ってしまった。そうだよね〜!私もびっくりだよ。
「次はライ君とフランさんだね〜」
なんて話すと、ライ君は私を見てから・・
「僕は、ちょっとまだ・・無理ですかね」
と、顔を赤らめる。そうなの?10代前半の子の恋愛事情は詳しくないからな・・。フランさんとニルギさんが顔を見合わせて笑ってるけど、何か知ってるの???
そんな事を話していると、笑顔全開!満開!!な団長さんが出勤してくる。すっごいわかりやすいな!!!笑いを必死に噛み殺しつつ、団長さんと今日の仕事の調整をする。
うん、うん、とりあえず楽しそうだし、嬉しそうだし、最高だ。
そんな1日の始まりだった。
・・・・・だったんだけどね。
そのすぐ後、キラさんの仕事の事で、相談をしに行ったら、何かの拍子にものすごくつまらない事がきっかけだったんだけど・・・、私がそこに突っかかってしまったんです。
何だか腹が立ってしまって、
「もういい!!」
って、怒って執務室に戻って行ったんです。
だって、なんで怒ってたか忘れちゃったけど・・、その時は腹が立ってしまったんだもん。
そう思ったら、お昼一緒に食べようと思ったけど、フランさんに籠だけ渡して、ライ君と一緒に執務室で食べた。団長さんは、まずいぞ・・といった顔で私を見ているけど知ったもんか。
「なんですか?私だって、たまにはおこるんですよ?」
「・・・割といつも怒ってると思うけど、ウルキラには初めてだろ?・・・・あいつ、多分死んでるぞ?」
「・・死にませんよ、強いじゃないですか?」
「・・・・ナルさん、あいつを殺せるのは君だけだ」
「なんですか、その必殺仕置人みたいな設定・・・」
そう呟くと、確かにちょっと悪かったな・・。
と思って、胸がちくっとした。
あとで謝ろう・・。
そう思っていた間、キラさんがとんでもない事になっているとは、全く想像していなかった・・。




