黙して語らない騎士は奔走する。3
来月のお祭りイベントに向け、執務室で会議を行う事になる。
団長さん、ラフさん、私、フランさん、ニルギさん、ライ君・・の6名である。
「それでは、今回の議題を話し合いたいと思います。地域ワクワクお祭り委員会の実行委員長を務めさせていただくナルです。よろしくお願いします」
ペコっとお辞儀するとライ君が拍手してくれる。可愛い。
「今回は、まず模擬店とイベントの内容を決めたいと思います。なお、飲食はすでに食堂に依頼して、ジュースや軽食を提供してくれる事になりました」
「え、早いね!?軽食をやるの初めて聞いた〜」
団長さんが驚く。・・そう、今回は食事も入れてお祭りをやってみたいと思ったのだ・・。私の世界ではメジャーだったけど、こっちでは食事は含まれないらしく、目新しくていいと思って・・。
「軽食は、食中毒の心配もあるので、必ず火を通すものを提供します。これは騎士団の人たちにも協力してもらおうと思っています。何より・・出会いがある!声をかけられる!」
「出会い・・?・・声・・・?」
ラフさんが不思議そうに聞く。頷いて私は説明する。
「そうです・・。ラフさんみたいに眉目秀麗、立ってるだけで女性が寄ってくるような恵まれた容姿でも、立場でもない騎士さん達は出会いがない。声もかけられない・・。ならば作ってやろうホトトギスです。出会いのきっかけも普段そんなにないので、こういったイベントでグッと親密度を上げておきたいんです」
ちょっとラフさんが、照れくさそうに頷いたので、概ね同意を得たと思う。ニルギさんは、めちゃくちゃ笑っているし、団長さんは遠い目をしている。ライ君は深く頷いている。こちらも同意らしい。
「あとは、遊びも取り入れて小さい子も楽しめるモノを提供しようと思っています。今の所、じゃんけんゲーム、輪投げ、射的ですかね〜」
「あ、小さい子向け!良いアイデアですね」
ライ君が笑顔で言う。
「前回来た時は、腕相撲大会くらいしかなくて・・、ちょっと白熱してて怖かったです」
団長さんが両手で顔を覆って「す゛み゛ま゛せ゛ん゛んんん・・・」ってさめざめと泣いていた。生きろ。去年の轍は踏まない。
「白熱化を防ぐためにも、分散させた方が良いかもですね」
納得して頷いているライ君の中身は大人説、案外本当かも。
「ライ君、他に小さい子が好きな遊びとか、流行ってるのあったら後で教えてくれる?」
「わかりました。道具なんかも揃えやすいのを用意します」
流石です・・・。なんて頼りになるんだ。フランさんがライ君に「僕も手伝いますよ〜」と話しかけている。あ、そこ癒しのスポットですよね?私は癒される〜。
「あとはスタンプラリーといって、各場所にスタンプを置いて案内がてらスタンプを押してもらい、景品を渡す・・も騎士さん達にやって頂きます。これも目的は騎士団をよく知ってもらう事と、出会いですね」
「出会い・・推すね〜」
しみじみと団長さんが言う。・・・・ほぼ団長さんのためですとは言わない。ニルギさんは、ニヤニヤと面白そうに聞いているので、趣旨をよく理解しているようだ。流石です。あとで協力をお願いしよう。
「とにかく、地域ワクワクお祭り!今年はいつもと違うぞ!と思わせて、より親しみを持って頂きましょう!!」
目をキラキラさせて、訴えるとほぼほぼ了承を得られた。
よーし!!今度は準備だぞ!!
私が燃えている横で団長さんが、
「ウルキラ・・・、また寂しがりそうだな・・」
と呟いていたとか、そうでないとか。
とにかく私は、団長さんのラブ計画と、王都の騎士団さん達からの女子客の奪還のために燃えていたのだった。




