黙して語らない騎士の妻も成長中!
キラさんは、エリスさんが振られた直後に色々と動いていたらしい。
けど、その時間は一体どうやって捻出したんだろ‥謎しかない。と思ったら、翌日騎士団へ行ったらウルリカを早速とばかりに抱っこするニルギさんがニンマリ笑って「俺が協力したんだよ」と種明かししてくれた。
ちなみに今日はキラさん、エリスさん、ルーシェさん達で、隣の町へ竜に乗って出かけていったので、私は心置きなく団長さんに山盛りの書類と隠していた書類を引き出しから発見して突き渡した。
「バレないと思ったのに〜〜!」
「なんでほぼ一緒に働いていて、毎回手口を知っている人間に隠せると思ったんですか。3ヶ月そこらで休んだくらいじゃ私は騙せませんよ。ほら、昨日の書類をさっさと書いて下さい」
「うう、懐かしいのに切ない‥」
「はいはい、早く仕事しちゃいましょうね」
横でフランさんとライ君、セラ君が「落ち着く〜〜」「これがないとやっぱり締まりませんね」ってニコニコしている。団長さん、本当に仕事してくれ‥。
ニルギさんはウルリカを抱っこして、変な顔をしてあやしつつ、
「あいつ、エリス殿が振られてすぐに俺に竜が住めそうな場所がこの国にあるか聞いてきてな、ルピス殿とウルリカの翻訳機を開発する合間に探して資料を渡しておいたんだ。そうしたら、オルク団長やラトルに「竜騎士団を作るのはどうか」と言い出すから、びっくりしてな‥」
「そりゃびっくりですね‥」
「理由を聞いたら、思ったよりピュアだったから全力で手伝った」
「全力がすごい‥」
団長さんが書類をこなしつつ、
「ま、ドラゴンが出る地帯もあるから、遅かれ早かれ空からの攻撃にも対処できるように竜騎士団を作ろうって言ってたんだ。エリス殿もウルキラが現場復帰したら王都へ帰るし、丁度いいタイミングかなって思ってさ」
「そっか‥。じゃあ今度はルーシェさんと王都で会えるのか!」
それはそれで嬉しいかも!
とはいえ、キラさんが現場復帰したら今度は私一人でウルリカを育てる為に頑張らねば。
「ウルリカ〜〜、ニルギだぞ〜〜、ニルギ〜〜」
「あう〜?」
あ、いや、ニルギさんもいるから大丈夫か。
とはいえそれなら私も現場復帰はやっぱり半年でいこうかなぁ‥と思っていると、ニルギさんが私を見て、
「そういえば竜の生息地にぴったりな場所がどこか知ってるか?」
「え、いえ‥」
「ソマニなんだ。あそこは海もあるが、滝が流れていて、水が豊富にある」
「へえ〜〜!そうだったんですね」
「また遊びに行きたいよな」
「確かにあそこの果物パフェ美味しかったですし‥」
「ちょーーーっと待て!!ナルさんを誘うんじゃない!!仕事があるからな!」
「ラトルがちゃんと仕事をすればいいだけだろ」
団長さんが慌ててニルギさんを止めるけれど、ニマニマ笑ったニルギさん。
「今度視察に行くんだが、一緒に遊びに行こう!」
「視察とは?!!」
「ウルリカと海で遊びたいしなぁ」
「それなら自費で行けって!!」
ニルギさんと団長さんの最早コントのような会話に思わず笑ってしまう。
竜が生息できる土地の視察もあるけれど、ルーシェさんの仕事はまだまだある。まずは今回学んだ事を国に持ち帰って、それを活かせる体制作りをして、竜騎士団として協力できるよう国同士で連携しないといけない。
それを朝、執務室で聞いた私は「やることが一杯ですね‥」って、思わずルーシェさんに言ったけれどニコッと笑って、
「私はな、諦めが悪い上に困難なほど燃えるんだ」
と、朗らかに笑った顔が印象的だった。
そしてその横で嬉しそうに微笑んでいるエリスさんも。
「私も頑張るぞ〜〜!!」
「あう〜」
「お、仕事に燃えてるねぇ、ナルさん。じゃあこの書類を代わりに‥」
「はいはい、そっちは団長さんの仕事ですよ。あとニルギさん、今度個人的にソマニに行きましょうね。フランさんとライ君とセラ君も一緒に果物パフェ食べに行きましょうよ。ニキ君も連れて」
執務室メンバーは顔を見合わせ「いいですね!」「ぜひ!」と言うと団長さんが慌てて「待って!!書類頑張るから待って!」って言うけど、どうしようかなぁ〜〜?可笑しそうに笑ったニルギさんをウルリカが不思議そうな顔をして見つめると、執務室の外から、爽やかな風が吹き込んできた。
きっとお昼過ぎには帰ってくるであろうルーシェさんとキラさん達。
新しい風を巻き起こして、きっと良い方向へ変わっていくと信じて、私はまたわぁわぁと騒ぐ団長さんの声に笑いながら仕事を始めた。
よろよろしつつなんとか書けたキラさんシリーズを読んで頂いて
ありがとうございます!またひょっこり書く予定です(^^)
(いいねを本当ーーーーーにありがとうございます!!!!!)




