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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人と家族。
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黙して語らない騎士、成長中!5


団長さんの所で一息ついたルーシェさんは、早速私とエリスさん、キラさん、フランさんとバリラから来た竜騎士さん達と一緒に港にあるお店へ見学する事になった。


今回は男性だけでなく、女性の竜騎士さん達もいて、結構な人数だ。

エリスさんはあらかじめ貰ったのであろう書類を見て、


「それでは、今回は馬車に乗って移動します。ルーシェさん達はこちらへどうぞ」


さっきまで倒れていたとは思えないエリスさんがテキパキと馬車へ案内していて、それを見ていたうちの騎士さん達がなんていうか堪えるような顔をしている。一応エリスさんの頑張りを隠そうとしているのはわかるんだけど、バリラの竜騎士さん達が不思議そうな顔をしているから、もうちょっと控えてくれ。



私とキラさん、ウルリカは同じ馬車で、キラさんは嬉しそうに私の隣に座ると、不思議そうな顔をしているウルリカの頬をそっと指で押すと、ふんわりと微笑んだ。お、珍しく表情筋が動いた。


「‥可愛らしいですね」


向かいの席に座ったバリラから来た女性の竜騎士さんがウルリカを見て頬を緩めた。薄茶色の長い髪を一つに結んでいて、柔らかい印象だ。街で服を着ていたら普通の女性のように見えるな〜。


「そう言って頂けると、自分のことのように嬉しいです」

「ふふ。けれど、こうして仕事に来られるなんて、いい環境ですね」

「そうですね。私の以前いた国だとまだまだ難しい感じでした」

「そうなんですか?」

「普通‥というか、私の国ではまだまだ子供と一緒に仕事場へ行くには環境が整ってなくて。でも、一部では子供と一緒に行ける所もありましたよ」


竜騎士さんは「やはりどこの世界でもそういった問題はあるんですね‥」と呟くと、動き出した馬車の中で静かに座っているバリラの竜騎士さん達を見つめた。



「ルーシェ副団長は、私達の国はまだまだ未熟だからもっと成長する為に色々な国で働く女性の姿を見た方がいいと、今回団長に進言してくださったんです」

「え」

「団長は、もちろん快く頷いてくれたんですが、他がちょっと‥保守的というか、封建的というか‥」

「あ、ああ〜‥」



なんとか誤魔化そうとしてくれているけれど、とにかく大変だったのは伝わる。

ルーシェさんも最初に会った時、舐められてたまるか!!って感じだったし。この人もきっと苦労しているんだろうな。


「けれど、ルーシェ副団長が『この先、自分達だけのやり方だけでやっていったら、いつか絶対行き詰まるから、若い私達を連れてこの国を更に良くする為に学びに行かせて欲しい!』って、食い下がったんですよ」


竜騎士さんはふふっと笑って、


「男性も女性も学んでいかないと、この国は絶対良くならない!ってすごい剣幕で‥」

「ルーシェさんらしいですねぇ」

「はい。だから、私達も今回学べるだけ学んでいこうと気合いを入れているんです。ルーシェ副団長には、どーーーーーーーーしても幸せになって頂きたくて!!!」


竜騎士さんが拳を作ってそう言うと、それまで静かにしていた竜騎士さん達が一斉に頷いた。


「ルーシェさん、こちらのエリス団長補佐にプロポーズされたのに断っちゃうし‥」

「絶対気があるのに、自分が結婚で抜けたら他の女性竜騎士まで悪く言われるって言うんですよ?!もうそんなの今更だからいいから、結婚して下さいって懇願したんです!!」

「あの人真面目だから‥」

「そこがいい所なんだけどね〜」

「男性の竜騎士で、女性なんてって言うやつはクズって言われてるくらいなのに‥」


お、おお。

ルーシェさん竜騎士さん達に大事に思われているんだな〜と、驚いていると、皆一斉に私を見て、



「そんな訳で、私達今回はどうにかお偉方を黙らせるくらいの良い情報や仕事の仕方なんかをしっかり学んで、ルーシェさんをどうにか結婚させたいと思っているんです!!!ご協力、是非ともよろしくお願いします!!!」

「えっと、は、はい!!」



思わず元気に返事をしたけれど、これは責任重大だな?!

そろっと隣のキラさんを見上げると、ウルリカのほっぺを未だフニフニと突きつつ、静かに頷いた。えーと、それはキラさんもやる気満々ってことかな?




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