黙して語らない騎士、変わらず騎士。20
私だけでなく皆の姿がまた見えるようになった!
周囲の人達も安堵して、歓声を上げた。
‥その中で私は真っ赤なんですけど。ええ、だって皆の前でいきなりキラさんにキスされたんだもん!嬉しいのはわかるけど、ひ、人前は恥ずかしいからダメって言ったのにぃいいい!!
真っ赤な顔でキラさんに手を繋がれたまま、ウルクさんや騎士さん達にキラさんがテキパキと指示をしている。クソ〜〜、キラさんは相変わらずの無表情なのに‥。
と、ニルギさんが公園にパッと姿を現した。
「おお、ナル、ウルキラ。お前らもこっちへ来てたのか」
「ニルギさん助けてください〜〜〜」
「んん?どう考えても助かっている様子だが‥」
助かったんですけど、恥ずかしいんです〜〜!!
すぐに私とキラさんの様子に色々と察知したニルギさんが笑いつつ、「まぁもう少し落ち着くまで待ってやれ、ナルが」なんて言うからもう泣いていいか?
「ニルギ、花びらの解析は?」
「もう終わった。お前さんの言う通りだったが、まずはまだ解呪されてない人を助けないとな」
ニルギさんがそう言うと、両手を広げるとものすごく大きな薄い透明のような膜がドームのようなものが空一杯に広がる。
「ほーれ、魔法よ溶けろ!」
ニルギさんがそう言うと、ドームのような膜がシャボン玉のようにパチンと弾けて、キラさんのしたようにキラキラとした光のシャワーが落ちていく。
「これで室内にいる人も大丈夫だろ。ああ、でも調書を取らないとだからなぁ‥。ウルク〜、その辺は頼んだぞ」
「うっす!」
ウルクさんが返事をすると、先輩騎士さんに「了解ですだろ!」と突っ込まれていたけれど、その辺を気にしない大らかなのがウルクさんの良さだから‥。ライ君とセラ君が睨んでいたけど、そこは許してあげて。
ジェイ君とネリちゃんが私達の方へ駆け寄ってきて、
「ナルさんは大丈夫でしたか?」
「っていうか、消えてたんですか?」
「それなのになんで消えてた人がわかったんですか?!」
「あとその写真撮るの、なんて言うんですか?!」
「ちょ、ちょっと待って〜〜。っていうか、二人もあの少年よく見つけたね」
だって姿も見えない、声も聞こえないのに‥。
と、二人は顔を見合わせてニッと笑う。
「この辺で出る場所を調べて張っておいたんです。お腹が空く時間に盗んでいるなーと思って‥」
「よく考えたな」
キラさんが二人を見て、口の端っこをちょっと上げた。
おお!キラさんがわかるように笑った!
ジェイ君とネリちゃんもこれには驚いた様子で、目を丸くしつつも「ありがとうございます!」と、元気にお礼を言った。それと同時にキラさんの腕の中のウルリカがフニャッと泣いた。
「あ、ウルリカ起きた。いい子だね〜!事件解決した瞬間の目覚めとは」
「ナルに似て賢いな」
「いやいや賢さでいえばキラさんでしょう」
「わかったわかった、そこの夫婦。ウルリカを連れて一旦騎士団へ行くぞ」
ニルギさんがローブのポケットから茶色の大きな袋を取り出して、クッキーをおもむろに食べながら私達に声をかけた。そ、そっか、まずは仕事だ!キラさんからウルリカを受け取って、ウルリカの茶色の瞳を見つめる。
「いや〜、ちょっと色々あったけどいいこにしててくれてありがとう」
「あう」
お返事できて君は本当に偉いねぇ。
チュッと頬にキスをすると、何やら視線を感じる‥。
チラッと横を見ると、キラさんが羨ましそうな顔で私を見ている。
「‥‥仕事が終わった、俺にもして欲しい」
「ききききキラさん!??今、仕事中だからね!?」
「はいはい、転移するからこっちへこーい」
のんびりとニルギさんに言われて、私は慌ててニルギさんの方へウルリカを抱っこしつつ向かうと、後ろから付いてきたキラさんが私の方をじっと見つめている。ええっと、もしかして約束して欲しいってことかな?だけど、今は人がいっぱいいるし、なんていうか恥ずかしいんだけどなぁ‥。
ちらりと視線だけキラさんを見上げて、
「家に戻ったら、なら」
と、小さな声で呟くとキラさんの水色の瞳が嬉しそうに綺麗に光った。




