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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人と家族。
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黙して語らない騎士、変わらず騎士。19


バシャバシャと写真を撮っては、キラさんやライ君が確認し、私が声を掛け、あちこちで動揺している人を集めたら、結構な人数になった。っていうか、これ本当にどうしたらいいんだろう‥。



一旦集まった人を公園で待ってもらって、私とキラさんとライ君でライ君の家に急いで向かう。赤茶色の壁に、茶色の屋根の平屋の家が見えてくると、ライ君が一足先に家の中へ駆け込む。


「姉さん!?いる?今助けるから待ってて!」

「ライ!だ、大丈夫?」

「今、ウルキラさんとナルさんが来てくれた!」


セラ君がニキ君を抱っこしつつ、ホッとした顔になるとキラさんと一緒に家に入る。


「え?ナルさんは??」

「…いるんだけど、ナルさんも消えちゃって」

「ええ!??」


セラ君が真っ青になって「うちのバカ兄貴のせいで‥」って悲しそうな顔になったけど、だ、大丈夫。多分大丈夫。ウルクさんのお嫁さんのフィアナさんは、何せ目の前‥ニキ君とセラ君の側に立っているし。


そうだよね、お母さんだもん。

子供が何より心配だよね。

私はすぐにカメラを撮ると、フィアナさんがニキ君の側に立っている写真がひらりと落ちて、セラ君が目を見開く。



「フィアナさん、もう大丈夫です。私はナルと申します。同じく見えなくなっているんだけど、見えない同士は会話もできます」

「そ、そうなんですね!!すみません!!うちの夫が‥」

「いやいや、悪いのはウルクさんじゃなくて、全面的にポプリを作って販売した人ですから、どうぞ責めないでやって下さい。それにウルクさんはつわりで辛い思いをしているフィアナさんに買ってきたんだし‥ね?」



泣きそうな顔をしたフィアナさんの背中を撫でると、フィアナさんがようやく小さく微笑んでくれて、私も一安心である。


「ナル、フィアナさんと一緒に公園へ行こう。そろそろ騎士達が公園に着く」


私は了解とばかりにキラさんの手をしっかり握ると、キラさんもホッとした顔になった。そうして、皆でぞろぞろとまた公園へ戻ると、騎士さん達が丁度公園へ着いたところだった。中にはウルクさんもいて、周囲を見回すけれど‥、



「人が大勢いるって聞いたんすけど、どこにいるんすか?」

「このアホバカ兄貴ぃいいいいい!!!」

「わーーー!!ライ、ちょっと待って!!姉さんの手前、ちょっと落ち着いて!!」



殴りかかりそうなライ君を必死にセラ君が止めるっていうね‥。

お、落ち着いて〜〜。オロオロとしていると、向こうの方で大きな声がする。そちらを見ると、ジェイ君とネリちゃんが下の細い通りで誰かを追いかけている?



「待てーーーーー!!!!」

「絶対捕まえるーーーー!!!!」



ん?

誰を捕まえるって?

追いかけているその先を見ると、あの牛乳を盗んだ男の子がものすごい勢いで走って逃げている!?キラさんもそれを見て、目を見開く。


「お?なんだ物盗りかぁ?!」

「ウルク!」

「うっす!行ってきます!!」


キラさんの言葉に、ウルクさんがものすごい勢いで走ったかと思うと、公園の高台からひらっと飛び降りて、下の通りを走っていた少年を挟み撃ちした。


「ジェイ、ネリ!しっかり捕まえろよ!!」

「「はい!!」」


ジェイ君とネリちゃんが逃げられないように、手に魔術を込め白い光るロープを出したかと思うと、それを少年に投げつけた!



‥と、思った瞬間、少年がパッと姿を消し、そのロープが見事ウルクさんを捕らえた。



「ええええええ!??」

「なんでウルクさん?!!」

「いや、その前にすぐ解け!!!」



ギャイギャイ言ってるその様子を驚いて見ていると、キラさんが私の手をそっと離す。


「ナル、カメラを構えてくれ」

「え、は、はい?」


そう言いつつ、キラさんが私のカメラに触れたかと思うと、魔力を補充したのか淡く光る。


「来るぞ!」

「へ?」


カメラを構えた瞬間、パッと少年が公園に現れて、私は急いでカメラで写真を撮ると、キラさんがそれを瞬時に見てその少年がいるであろう場所に手を向けた。



『捕縛!!!』



パッと周囲が光って、まるで魚を捕まえるような大きな網が少年の体に覆いかぶさった!



捕まえた!

その様子を周囲の人達も驚いた顔で見た瞬間、少年がパッとキラさんの前に姿を現した。え、魔法が解けたの?驚いていると、キラさんはその様子を見て私の方へ振り向いた。



「そうか‥、魔術か」



魔術??

私が首を傾げた途端、キラさんが手を上に上げると、キラキラと光のシャワーが公園にいる人達に降りかかる。わ、綺麗だな‥と、思っていると、自分の指が、手が、キラキラと光った。


「ナル」

「キラさん?」


この光がどうかしたの?そう聞こうとしたけれど、キラさんに思い切り抱き寄せられた。と、いってもウルリカがいるから、そこを気をつけつつ‥だけど。って、あれ?もしかして私の体‥、



「キラさん、見えてるの?」

「見えている。戻った」



そういうと、人目もはばからずキラさんに思い切りキスされた。

ちょ、ちょっと!!!待ってくれーーーー!??





台風、大丈夫でしたか!??

我が家はちょっと木が屋根に落っこちてきた程度だったんですけど、

落ち葉がすごくて掃除しまくったら、腕がプルプルです。

更新ようやくいたします〜〜。どうぞ皆様も災害にはお気をつけて。

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