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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の番外編。
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黙して語らない騎士、父になる!?


エリスさんとキラさんは団長仕事もすっかり慣れ、秋から冬へと季節が移り変わり‥、団長さんの育児休暇が終わりを迎えようとしていた。



そう、つまりそろそろ私の出産である。



あっという間に出産だな〜〜なんて思いつつ、今日で私の仕事は一旦終了である。書類を持って、執務室の階段をえっちらおっちらと登っていくけれど‥、流石にしんどくなってきたなぁ〜。そんなことを思っていると、後ろから軽やかに階段を上がってくる足音が聞こえる。



「ナル、大丈夫か」

「あ、キラさん」



サッと私の手から書類を奪い、私の手をすかさず握るキラさん。

もう心配で堪らないという目をしている。‥顔は相変わらずの無表情だけど。


「大丈夫ですよ〜。まぁ、流石にお腹は重いですけど」

「そうか」

「団長さんへの仕事の引き継ぎはどんな感じですか?」

「大体終えた。あとはエリス殿が説明する」

「そっか、良かった〜。じゃあ安心して仕事を終えられるかな?」


キラさんが私の歩調に合わせてゆっくり階段を登ってくれる。

‥こういうさり気ない優しさ、本当にありがたい。階段を登り切って、執務室の扉をすかさず開けてくれるキラさん。ナイスな夫すぎる。



「ただいま戻りました〜〜」

「あ、ナルさんお疲れ様。それでもってお久しぶり〜!」



ニコニコと笑って手を振ってくれる団長さんを見て、慣れ親しんだ何時もの光景になんだかホッとするのと同時に、もうしばらくこの光景も見納めかぁ‥と思うと、ちょっと‥いや、かなり寂しい。



「お久しぶりです!ティート君やルーナさんはお元気ですか?」

「もうすっっごい元気!あとで顔出しに来るよ」

「え?そうなんですか?うわ〜、楽しみ!‥ところで引き継ぎ早々、その机の上の書類はなんでしょうか?」



私の言葉に団長さんの隣に立っていた細めのエリスさんが更に目を細める。


「よく気がつきましたね、ナルさん」

「いや、よくも何も結構山ですよね?」

「そうです。半年間こっそり隠していた書類です」

「え!??半年!??」


私とエリスさんの会話に団長さんがウロウロと目を泳がせる。


「違うよ?ちゃんと終えて育児休暇に入ったんだよ?そうしたら、いつの間にか訂正箇所があるって戻されたのが溜まってただけで‥」


キラさんが静かに「先日来た時に確認できたはずだが」と言うと、団長さんが慌てて「ウルキラ黙ってて!」って言うけど‥。復帰早々にこれか!!!



「嗚呼!!明日から産休に入るのに不安しかない!!」

「大丈夫だナル。全力で終わらせる」

「き、キラさんだってもうちょっとしたら休みに入るのに‥」

「ナルさん!ウルキラ殿、このエリス!頑張って団長にハッパをかけていきます!」

「え、エリスさん!!すみません‥、うちの団長をお願いします!!」



エリスさんとキラさんとで、お互いを励まし合っていると横で団長さんが拗ねた顔で「大丈夫だってば〜」って言うけど、説得力がありません!


と、執務室にフランさんとライ君、セラ君がやってくると、私達を見て全てを悟った顔をする。



「ナルさん、大丈夫です。ライ君もセラ君も十分たくましくなりましたよ」

「そうです!ナルさん!団長さんにはアメは1割、鞭9割です!!」

「ぼ、僕も頑張ります!!」

「フランさん、ライ君、セラ君‥」

「ねぇ、鞭9割って酷くない?僕、久々の現場復帰だよ?」



ええい!団長さんはそれくらいが丁度いいんです!

じゃなきゃなんで復帰初日でこんな書類の山ができるのだ!!

ジトッと団長さんを見ると、執務室の扉がノックされ、キラさんが返事をするとウルクさんが花束を抱えて部屋へ入ってくる。



「ナルさーん!今日で産休っすよね!これ騎士一同からささやかっすけど、「出産頑張れ祝い」っす!!」

「あ、ありがとうございます!出産‥頑張ります?」



バサッとものすごい量の花束を渡されて、ライ君がすかさず「そんな祝いがあるか!」と言ってウルクさんの脇腹を殴ったけれど、ノーダメージなのかわははっと笑うだけだ。‥流石騎士さん、強い。


ウルクさんは私を見て、


「ところで女の子か男の子かどっちかわかったんすか?」

「あ、それがまだ‥。先生が調べようとすると隠れちゃうらしいです」

「そっか〜!俺は男の子に賭けてるんすよね〜!」

「ん?賭けてる?」

「うす!!前回の団長の時は負けちゃったんで、今回はぜひ男の子で!!」

「「こ、このアホ〜〜〜〜!!!!!」」


ライ君とセラ君が同時にウルクさんの頭をスパーーンといい音を立てて殴った。すごい!セラ君も躊躇いがない。



「えーと、とりあえずどっちかはお楽しみで?」



私がそう言うと、キラさんが私をじっと見て、



「ナル似がいい」

「‥キラさん、ブレない‥。あとまだ生まれてませんからね?」



ヘラっと笑ってキラさんを見上げると、キラさんは嬉しそうに口角を小さく上げた。うん、どっちでも楽しみだな。あとウルクさんに賭けについて詳しく聞いておこう‥。





さぁ、やっとやっとのキラさんです。

(ご本人には「早く書け」と言われてた)

楽しんで頂ければ幸いですー((╹◡╹)


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