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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士に宝石を。24


ソマニでまさかの妊娠が発覚した私。

キラさんにものすごい心配と、ものすごいキスを人前でかまされて、真っ赤な顔でニルギさんとシーヤ騎士団に戻ったけど、その後もすごかった。



「ナルさん、おめでとう!!!」



だーだーと涙を流す事務員さん達に驚き、ライ君とセラ君はそんな事務員さん達にハンカチを渡してから、同じようにお祝いの言葉を言ってくれた。



あとルーンさん達と、ラフさん達からもお祝いのお手紙が届いた。

驚いた事にバリラのルーシェさんと、ガダの皇族のリラさんからも手紙が届いて、驚いた。っていうか、早くない!?昨日の今日ですよ?!!びっくりしていると、ライ君がちょっと遠い目をして‥、



「あの、すでにお祝いが届いているんで、あとで確認して下さい」

「早い!!何もかも早い!!」



隣の部屋に案内されたら、本当に相当なお祝いの品が置いてあって、私は青ざめた。バレンタインデーとホワイトデーの恐怖再び?!セラ君が両手に荷物を抱えて、「王様から贈り物です‥」って青ざめてた。ご、ごめん!!気を遣わせて!!



ちなみに後日、ソマニから帰ってきたキラさんが心配性と過保護が更に加速した。毎日、守護魔法をこれでもかと重ねづけしてあったらしく、ニルギさんが見るたびに「すんごいな」って笑ってた。



騎士さん達にお知らせした時は、なんか怒号じゃないの?ってくらいのおめでとうの歓声と雄叫びを浴びて、キラさんがお腹の赤ちゃんをしきりに心配してた。多分大丈夫だと思うよ?




そんな毎回騒がしいシーヤ騎士団だったけど、ガダと和平が無事結ばれ、残っていた皇族反対派の貴族を抑える為に、ティルやバリラの騎士さん達や、皇族のリラさん、ダーナさんの奮闘もあって、ようやく落ち着いた状態になった。



それがまさに団長さんの育休一週間前!

皆で「団長さんすごい!」「有言実行の男!」と褒められ、嬉しそうにはにかむけど、その机の上の書類はなんだ?



明日は和平を結んだ記念として、ガダやソマニ、バリラ、王都からお祝いの式典がここシーヤの騎士団で行われるというのに大量の書類は最早自生してるのか?っていうレベルだ。



「団長さん!明日には式典があるって言うのに、その大量の書類はどうするんですか!!」

「が、頑張ったんだよ?ナルさん!!でも、書類が消えてくれなくて‥」

「そんな理由がありますか!もう!!復帰したらケーキてんこ盛りです!」

「そんな〜〜!!!ウルキラにも半年お休みあげるって約束したじゃない!」

「ええい!それとこれとは別問題です!!」



お腹もちょっと出てきた私は団長さんをじとっと睨む。

団長さんが復帰したら、今度は私とキラさんが産休と育休に入るので、少しでも仕事をと思ったのに‥。



王都のオルク団長さんが、「嬉しい事が立て続けに起きて羨ましいなぁ」と、喜んでくれて、その間はエリスさんをこちらに派遣してくれる事になったので、団長さんが復帰したらきっと上手くカバーしてくれると思う。思うけど!!それだけに式典前に、少しでも仕事を終わらせたかったのに‥。


ソファーにゆったり座ってお菓子を食べているニルギさんが、


「ナル、もう諦めろ。それも大事だ」

「‥そうなんですけど〜‥」


ちょっとため息をつくと、ライ君が私を見て、



「そうですよ。それにセラも大分書類も捌けるようになったし、安心して下さい。ナルさんがお休み中は僕らで甘いお菓子を用意して仕事させますから!」

「頼りになり過ぎる!!」



私がライ君にそう言うと嬉しそうに微笑み、団長さんが顔を歪める。ええい!だったら仕事をしなさい!!ライ君の後ろから、フランさんがひょこっと顔を出すと、



「団長さんが復帰したら、今度はナルさんがお休みなっちゃうのは寂しいですが、執務室3人衆の席はちゃんと空けてありますからね」

「フランさん!うう、嬉しい!あ、そういえばセトリさんからお手紙頂いたんですけど、明日ソマニの代表と一緒に来るそうですね。会えるの楽しみにしてますね」

「はい〜。セトリも楽しみだって話してました」



明日はルーンさんもアリアさんも来るし、バリラからはヴァン団長さんと、ルーシェさんも来る。騎士団養成校のクロエ先生も、ラフさんもリルケさんも来るし、楽しみしかない。


今からワクワクしていると、執務室にキラさんが書類を抱えて入ってくる。



「ナル、無理はしてないか。辛いなら全部ラトルに仕事を押し付けろ」

「キラさん、開口一番それか‥。無理してませんってば」



元気だって言ってるのに、キラさんは毎日「大丈夫か?」「気持ち悪くないか?」「食事は取れているか?」と心配ばかりだ。まぁ、こうお腹が出てくると確かに視界が悪くて、転びそうにはなるけど‥。守護魔法をてんこ盛りされてるし大丈夫だと思う。



「大丈夫ですよ、キラさん」

「‥そうか」



キラさんの水色の瞳は今日も私を気遣わしげに見る。

毎日忙しい中、こうして気遣ってもらって嬉しいけど、これで赤ちゃん生まれたらどうなっちゃうんだろう。きっとお腹の子も日々守護魔法を重ね付けされるんだろうな。





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