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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、呼んで欲しい。13


アビーに求愛された私をそっと遠ざけるキラさん。

あの〜〜、ここは人前なんですけど‥。


ルーシュさんも目の前にいるので、



「ウルキラ団長補佐、大丈夫ですから」



そう話すと、周囲にいた皆がえっと声を上げる。



生徒のジェイ君が「ウルキラ先生、何かしたのか?!」って話すし、

ネリちゃんが「いや、ナルさんが何かあったのかも?!」って話すし、

クロエ先生は「ウルキラ、また何かしたんだろ」って、笑って話すし、



あの〜〜‥、一応名前は呼んでますけど、愛称呼びじゃないとそんなに違和感ありますかね???



そんな騒つく皆の様子に、ルーシュさんが驚いている。

その横にいるヴァン団長さんは笑ってるけど‥。


あ、ああ〜〜、すみません‥、いつもの呼び方出ないだけでこんなに驚かれるのは私も想定外です。私は慌てて、



「え、えっと、一応人前ですし、その、職場ですし‥」



って、言うけど、散々「キラさん」って呼んでいた身。

く、苦しい言い訳だ!!!

逆に皆はそれを聞いて、心配そうにキラさんと私を交互に見る。な、なぜ〜〜〜???



エリスさんがそんな私を見て何となく察したのか、ニコリと笑い、



「なるほど、今回は視察にいらしている方もおりますしね、いつも気を配って下さっているナルさんらしい配慮ですね!」


「え、えっと、そう言って頂けると?」

「ルーシュ副団長もそう思いますよね?」



へ?何でそこでルーシュさん??

エリスさんと側にいたルーシュさんを見ると、ルーシュさんは小さく頷いて、



「‥そうですね。良くして頂いてます」



そんなことを言ってもらえるとは思わなかったので、思わず顔が赤くなる。と、キラさんがポンと私の頭に手を置くと、ふっと笑って私を見る。と、ルーシュさんとヴァン団長さんが驚いた顔をする。



「「‥‥ウルキラ団長補佐も笑うんですね」」



二人同時にそう話すと、

周囲にいた皆がぶっと吹き出した。

‥キラさん、頼むから小出しに笑って欲しいなぁ〜〜。



可笑しそうに笑うオルク団長さんがこちらへ来てヴァン団長さんとルーシュさんに、養成校の中をラフさんと一緒に案内してくれる事になった。


オルク団長さんは、ニコニコ笑って、


「それではルーシュ副団長、こちらに資料がありまして‥」

「「は、はい!!!」」


ルーシュさんがピッと必要以上に背筋を伸ばす。

お、おお、何と分かりやすい‥。横にいるヴァン団長さんがニヤニヤ笑ってる。



あれに気付かないオルクさんすごいな〜。

ちょっと感心したように、養成校の校舎の中へ入っていくルーシュさん達を見ていると、キラさんが私を見てボソッと、



「いつも通り呼んで欲しい」

「‥えええ、仕事中ですけど?」


「‥仕事中でも、だ」



キラさんが、じっと私を期待したように見つめるので照れるんだけどなぁ。クロエさんが、キラさんを見て、



「「ウルキラ〜〜、アビーがそっちに行きたそうにしてるから、ちょっとどうにかしてくれ〜〜!」」



そう呼ぶので、そちらを振り向くと竜騎士に抑えられたアビーが尻尾を振りながら、じっとこちらをワクワクした顔で見てる。か、可愛いな〜〜〜。


思わずアビーを見て笑ってしまうと、キラさんが無言で私の手を握る。



「「き、キラさん!!仕事中!!」」



あ、やばい。

普通に名前呼んじゃった!!

慌てて口を手で塞ぐと、キラさんがちょっとニヤっと笑う。



そ、そんな顔するんですか!!?

びっくりして目を丸くすると、



「そうやって、いつも呼んでくれ」

「〜〜〜〜〜〜〜キラさん、ずるい!!!」



うちの夫はとんだ策士だ!

ちょっと赤い顔でジトッと見上げるけど、キラさんは無表情に戻ったけど、機嫌が良さそうだ。それを見ていたアビーは、何だかツマラナイ!といった顔だったけど。



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