黙して語らない騎士は過保護。6
とにかくキラさんは甘かった・・。
心配性な上に、甘いとか、無理です。
そして、なんならずっと側にいたがる。キラさん・・・、どんだけですか。
朝食後にお昼一緒に食べたい・・と言うので、うなずくと嬉しそうにこちらを見る瞳に、私は照れくさくて、またそわそわしてしまう。ええい、集中!仕事に集中!!
今日はフランさんが復帰してきた。
掃除をしようとすると、フランさんがこちらへやってきた。
「フランさん!!良かった・・復帰、おめでとうございます!!」
「ごめんね〜〜。全然お役に立てなくて・・、ナルさんを危険な目に合わせちゃうし・・・僕、かえって足手まといになっちゃって・・もう、本当に申し訳ない・・」
申し訳なく謝っているのに、のんびり口調のフランさんに和む。いやいや、操られるなんて・・想像できませんって。
「とんでもないです!私、フランさんのおかげで助けられてる事、たくさんありますから・・。あの、これからもどうぞよろしくお願いします!」
私はフランさんを見上げると、フランさんがウルウルと涙目だ。
えっ、とびっくりしていると、フランさんはゴシゴシ袖口で涙を拭いてから、
「・・・何人も助けてたから、油断してたのは確かなんです・・。ウルキラさんの大切な人だったし、余計に気を配らなきゃいけなかったのに・・。本当に無事で良かったです〜」
「フランさん・・」
なんかちょっと小っ恥ずかしい単語が入っていたけど、あえてそこはスルーした・・。でも、ずっと助けていくって大変なのに、今までもたくさんの異界人に、気を配って、守ってくれていたんだな・・、そう思うと嬉しかった。
「フランさん、本当にありがとうございます」
私が笑いかけると、フランさんも優しく笑い返してくれた。
うんうん、やっぱりこういうのいいな。
「ありがとう・・。あ、ナルさん、今日はね掃除はいいから、ちょっと遠征の準備を手伝って欲しいんだ」
「あ、言ってましたね・・。あれ、あと5日後ですよね?」
「今回、30人くらい行くので、補給物資の確認を早めにしておきたいんですよ〜」
「なるほど、じゃあ早速取り掛かりますか!」
「うん、よろしくね〜」
そういって、私達は早速物資の確認へ倉庫へ行く。
食堂の裏に、大きなレンガでできた倉庫があって、ちょっと重い扉を開けると、薄暗くてヒンヤリとする。
フランさんが木箱を持ってきて、お互いに資料を確認しつつ、中身を入れていく。色々あるんだなぁ・・なんて思いつつ、詰め込んでいくとあっという間に木箱が一杯になる。
「ナルさん〜、訓練場の横にも木箱があるから、騎士さん達に声かけて持ってきてもらって〜。15箱欲しいっていえば、用意してくれるから〜」
「はい、わかりました!」
私は、訓練場まで走っていく。
と、騎士さん達が訓練場の中で話している。
・・練習、終わったのかな?
「ウルキラさん、昨日の女の子から珍しく笑って差し入れもらってなかったか?」
「え〜、ウルキラさんはナルさんいるだろ」
「だよな〜。だからちょっと珍しいな〜って思ったんだ」
ピタ・・っと、足が止まった。
・・・なんの会話をしている・・。そして、なんだって・・・???
昨日の女の子・・といえば、茶色の髪をした可愛い子・・かな・・・。思い当たるとしたら、その子くらいで。キラさん無表情に見えたけど、遠目だったし・・長く一緒にいる騎士さん達がそう言うのなら、そういう事・・なのか???
いかん・・・今は仕事だ。
私は、さも、今来ましたぞ〜〜とばかりに、走っていき騎士さん達に声をかけると、ちょっと驚いた顔をしていたけど、気にせず木箱を持って来てもらえるように話し、運んでもらった。
ちょっとモヤモヤした気持ちを私も荷物を詰める木箱に突っ込みたかった。




