黙して語らない騎士の妻、走る!!6
ルーナさんは、「今度、食堂でまた働かせてもらう!!食事作りを頑張るわ!!」と、ライバル意識を燃やし、ちゃっかり食堂の調理さんからレシピを聞いていた・・。流石である。
「・・あと、ラトルに食べさせてあげたいし・・」
やっさしい!!
ちょっと照れ臭そうに俯くルーナさんに、リルケさんと悶えた。可愛い。
リルケさんは、カラカラ笑いつつ・・
「私は料理苦手なのよね〜!ミラのが上手なのよ!」
なぬ!!
ラフさんのが上手なんだ・・。へぇええ・・・今度いじろう。そう思って、心のメモに書き加えておいた。
リルケさん、ルーナさん、アリアさん、女性版キラさんが余りにも綺麗で可憐な為か、なんか騎士さん達からの視線がすごい・・。
四人は気にしていないけど、私は穴が開きそうだなぁって思いながら美味しい食事を堪能していると、入口から声がして・・そちらを見るとオルク団長さんが、こちらへ数人の騎士さん達と連れ立ってやってくる。
私は挨拶しようと立ち上がろうとすると、オルク団長さんは「座って下さい」って笑って話し・・、キラさんを見て小さく笑う。・・う、うちの夫がお邪魔してます。
「先日は、合同訓練お疲れ様でした。今回は王の願いとはいえ、お忙しい中ありがとうございます。こんなに美しい奥様方を送る団長達は、さぞ心配でしょうね・・」
ふふっと笑う団長さんに、さしものリルケさんもルーナさんもちょっと照れ臭そうである。ちなみにうちの夫はすでに、心配メーターが振り切れて横におりますが・・。
「・・今回のイベント、騎士達も張り切っておりますので、どうぞ必要であればいつでもお声がけください」
「ありがとうございます!今度のイベント精一杯頑張りますので、何かの際にはどうぞよろしくお願いいたします!」
そう答えると、オルク団長さんはまた小さく笑って、他の人へも挨拶しに行った。・・大人だな〜・・。リルケさんとルーナさんも感心したように、オルク団長さんを見て、
「まぁ〜しっかりした方なのね〜」
「大人の余裕ってやつね」
「シーヤ騎士団だって、お、大人の余裕は・・」
私が言いかけて、ふと三人で思い浮かべるそれぞれの夫の顔・・。
横で野菜を避けているのは我が夫キラさん。
一瞬の間があり・・、
「まぁ、少年の心も必要よね」
「それなりならね・・」
「野菜はでも食べて欲しいな」
・・自分を棚にあげる事なかれ。
しかし、野菜は食べるのだ。キラさんのお皿の中央にそっと野菜を寄せると、ちょっと拗ねた顔になったキラさんだった。アリアさんが、そんな私達の行動を見ては可笑しそうに笑っていた。
午後は買い出しがてら観光だ。
事務室へ戻って、キラさんと一旦お別れです。
・・だけど、キラさんはもちろん渋る。ですよね、分かってた。でもお時間ですからね。ちょっと事務室を出て、人気のない方へキラさんと行く。
「キラさん、どうやって帰るんですか?」
「ニルギが迎えに来る」
「じゃあ、夕方までですから・・、仕事頑張って下さいね」
私がそういうと、キラさんが私をじっと見る。
・・う、綺麗なキラさんの顔がこちらを見つめる瞳が熱が篭っているようなんだけど・・、女性だし、その、ちょっと恥ずかしいんですが・・、そう思っているとキラさんはチュッと音を立ててキスする。
「き・・!!」
「・・誰もいない・・」
うん、誰もいないけど、恥ずかしい。
あと、女性のキラさんにキスされると、必要以上にドギマギするかな〜?
「ウルキラ、いるか?」
不意にニルギさんの声がして、慌てて声のした方へ行くと、私とキラさんを見てニルギさんがニヤニヤする。
「お邪魔だったかな?」
「いいえ!ちっとも!!まったく!!」
キラさんの背中を押して、ニルギさんの前に押し出すと、ちょっとキラさんは振り返って不服そうに私を見る。キ、キスしたじゃないかぁ〜〜!ちょっと顔を赤くしつつ、キラさんを見上げる。
「・・お仕事頑張って下さいね」
「・・ああ」
「じゃ、愛する二人を離れさせるのは辛いが行くぞ、ウルキラ」
・・まったく余計な一言を言ってくれる。
ニルギさんをジトっとした目で見ると「お土産よろしくな!」ってちゃっかり言うし・・。キラさんに手を振ると、小さく振り返してようやく帰っていった・・。まだ3時間しか経ってないのに、すでにグッタリなんだが??




