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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
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黙して語らない騎士、王都合同訓練!・・。


どんちゃん騒ぎの翌日・・。


昨日の大騒ぎが嘘のように静かな食堂はふわっといい匂いが充満する。


そんな中、青い顔をした騎士さん達が食堂でテーブルの上で顔を突っ伏したままで寝ている・・。昨日加減しろって、団長さんが言ってたのに、しこたま飲んだな・・。


食堂のお姉さんに「バッカだね〜」って笑われている。



今朝は一人で食堂に来たけれど、シーヤの騎士さんも、王都の騎士さん達も何人か固まって朝食を食べている。王都の騎士さんもだいぶ味にも、この雰囲気にも馴染んでいるようで嬉しい・・。


嬉しいけど、なんか視線を感じる・・。


朝食をトレイにのせて、空いているカウンターを探していると・・

王都の騎士さん達が、私の前に立って・・、



「あの・・!お一人でしたら・・、こちらで一緒に食べませんか?」



そういって、指差す方を見ると・・

数人の騎士さんがこちらをじっと座って見ている。


え・・な、何故!?もしかして誤解をまだしたままで、よくもうちの騎士を痛ぶってくれたな?的な?!と、思わず身構えてしまうと、声をかけてくれた騎士さんは慌てて・・



「あの!ナルさんのは誤解だって、皆知っていたんです!知っていたんですが」


「・・もしかして、騎士さん達も芝居を・・?」

「そうなんです・・。早くに言えれば良かったんですけど、・・」



そういえば、訓練を終えて疲労困憊なはずのに、昨日は皆さん大騒ぎした上に相当飲んでましたもんねー・・。キラさんに危険だからと早めに部屋に帰されたんだっけな・・。



「そうだったんですね・・、あの、じゃあ遠慮なく」

「はい!!あの、こちらへどうぞ!!」


王都の騎士さんのテーブルへ行こうとすると、

シーヤの騎士さん達が口々に小声で「ヤベーよ!」「大丈夫か?」「呼んでおく?」って言ってるけど、なに?何かやっぱりやばいの???



そんな風にドキドキしながら、王都の騎士さん達の席へつく。


は、早まっただろうか・・?

王都の騎士さん達は、私を見て・・何か言いたげな目で忙しなくこちらを見ては、隣の騎士さんをせっついたりしている・・。


「あ、あの・・何か・・」


私が言いかけると、王都の騎士さんが意を決したように私を見て、



「あの!!ナルさんの縁結びの力をお借りしたいのですが!!」



・・・は?

縁結びの力・・???

初めて聞いたけど、私、そんな力あったの・・???


思わず周りのシーヤの騎士さん達を見ると、ウンウンと一様に頷いている。ねぇ、待って?そんな力は・・


「あ、もしかしてイベントで出会いを作った事を言ってます?」

「そ、それです・・!!!」


騎士さんはそう言うと、顔を赤らめて俯いた。

・・・え、王都の騎士さん、可愛くない?可愛い。



「貴族とはいえ、僕らは3男とか5男とかで・・まぁ、要するに大して権力がない奴もいるんです・・。そうなると名前だけはそれなりにあるから、出会いがなかなかなくて・・」


「はぁ・・」

「ミラファ団長補佐も、以前こちらへ伺わせて頂いた騎士達も、こちらで彼女や妻をもつ機会に恵まれて・・」



いや〜・・、主に食堂のお姉さんが頑張ったのも大きいかな。あと、ラフさんはよく知らない間にキラさんによって結ばれていたので、キラさんの功績だと思う・・。



「できれば、来月王都でお祭りがあるので、その際にそのお力を借りたく・・」

「え?で、でも私は仕事が・・」


「いいじゃないか?面白そうで」



不意に声が聞こえて振り返ると、女の子になったルーンさんが立ってる!??なんでいるんですか?って、言いたいけど慌てて口を閉じる。王都の騎士さん達は当然知らないので、不思議そうに私と女の子のルーンさんを見るけれど、王様!!なんで、朝の食堂に堂々といる!?



慌てて周囲を見ると、オルク団長さんが渋い顔をして側に立っていた・・。嗚呼、朝からお疲れ様・・。思わず心の中で呟いた・・。




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