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黙して語らない騎士に花束を。  作者: のん
黙して語らない騎士と異世界人の日常編。
251/566

黙して語らない騎士、海外出張です。16


私とセトリさんが助け出された夜、


キラさんとニルギさん、フランさん達は、一斉摘発した武器を違法に輸出した人達を逮捕し、その後すぐに主犯格を王都に護送。他の人達は調書を取りつつ、関係していた人達を更に探って逮捕・・と、大忙しだったらしい。



らしいというのはですね・・、

私はというと・・、薬を盛られたんで、眠気がすごくて・・爆睡してました。お昼近くまで。



鳥の鳴き声と、海の音がする。


「・・・ん・・・」


ふっと目を開けると、すっかりお日様が高い位置にいる・・。

あ、すっごい寝ちゃったのか・・。


ニルギさんに部屋に休む前に


「薬を盛られているから、無理せずとにかく寝ておけ」


って言われたけど・・、本当だったなぁ・・。ちょっと寝ぼけている頭を動かすべく、頭を動かすと・・隣にキラさんが寝ている。


あれ〜〜・・・・・?

私、家に帰ってないよね・・??

まじまじと見ると、キラさんは普通に昨日着ていた服を着ている・・。仮眠・・かな?



昨日の夜から、ずっと働き通しだったんだろうな。

ちょっと疲れた顔のキラさんの髪をそっと撫でると、綺麗な銀髪はサラサラと指の間を流れていく。


「・・・ナル・・」


寝言なのか、目を瞑ったまま静かに呟く。

寝ていても、私を呼ぶキラさんが可愛くて・・、ちょっと周囲を見てから、そっと頬にキスした。


「・・お疲れ様です・・」


小さく笑って、また髪を撫でると・・



いきなりキラさんに抱きつかれた。



「ちょ・・!!!キラさん!!起きてたんですか?!」

「・・・寝てた」

「じゃ、なんで今・・こんな・・」

「・・・今、起きた」


そういうんと違う!!!!

赤い顔をして、ギュッと抱きしめているキラさんを睨み上げると、キラさんは嬉しそうにニコニコ笑う。


「・・明日は、少し時間ができそうだ・・」

「あ、そうなんですか?海とか行けそうですか?」

「・・少しなら・・」


少しでも嬉しい!

せっかく綺麗なソマニに来ているのに、キラさんとはええと・・まぁ、ちょっとしたヤキモチで楽しく過ごせないですし。


「・・じゃあ、楽しみにしてます」

「・・・ああ」



と、ドアをノックする音が聞こえる。


「セトリです〜、ナルさん、起きましたか?」


ああ、セトリさんだ。

キラさんが体を起こしてくれて、返事をしようとする。



と、チュッとキラさんがキスしたかと思うと、ドアの方へ返事して歩いていく。



ちょ、ちょちょちょっとキラさん!!??な、流れるような一連の動作・・心臓に悪いのですが・・。赤い顔を誤魔化すように毛布を口元まで引き上げて、部屋へ入ってくるセトリさんを出迎えた・・。



昨日、同じように捕まっていたはずなのに、スッキリした顔のセトリさんはニコニコ笑って、本日もバッチリ綺麗にキメて部屋へカツカツとヒールの音を鳴らして入ってくる。


「おはようございます!!体調はもう大丈夫ですか?」

「おはようございます、はい、お陰様で・・セトリさんは、大丈夫なんですか?」


「久々にしっかり寝ましたからね!!今、逆に体調が良いくらいです!!!」


・・・寝て欲しい・・。

ちゃんとしたベッドで寝て欲しい・・・。

薬で寝かされて、よく寝た!と、豪語しちゃうセトリさんの豪胆さは嫌いじゃないけど、心配です・・。


「それよりも、私の軽率な行動でナルさんを事件に巻き込んでしまって、申し訳ありません・・。もっと早く、フランさんが首相の息子だと伝えておけば・・」


「いえいえ、大丈夫ですよ・・。そこは、もうお互い巻き込まれちゃったし・・、まぁ、夫が・・、た、助けてくれましたし」


ちょっとキラさんを照れつつ見ると、「夫」と言われて嬉しそうに微笑む。

うう、めちゃくちゃ嬉しそうだな・・。



「夫・・・?」


「あ、はい・・、伝え損ねてましたが、ウルキラは私の夫でして・・」



もう一年も経つのに、夫って呼ぶのは照れるし・・、人に言うのも照れる・・。赤い顔でそう言うと、セトリさんは目を丸くてして、私とキラさんを交互に見る。



「ええええええーーーー!!!!!すみません!!気付かなくて!!!」



・・いえ、主に腕を組まれている時点で言わなかったキラさんが悪い訳で・・。そう思ったら、なんかまた腹が立ってきて、こっちを嬉しそうに見るキラさんから、そっと目を逸らした・・。私、結構ヤキモチ妬きなんだな・・って、思いつつ。



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